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速攻レースインプレッション

得意の阪神で重賞2勝目、阪神Cでも期待が高まる

文/浅田知広、写真/森鷹史


G1シーズンまっただ中に行われるG3競走。しかもG1のステップレースでもなければ2歳戦でもない、単なる「3歳以上G3」の京阪杯。ましてや今年は世紀の一戦・ジャパンCの「裏」。どうしても地味な印象は否めないが、過去の優勝馬には2011年のロードカナロアを筆頭に、ハクサンムーンやダノンスマッシュといった後のG1で活躍した馬の名前も見られる。

しかし。この3頭はいずれも当時3歳で、今年の京阪杯は3歳馬不在。やっぱり地味か。もっとも、予想・馬券という意味ではなかなかおもしろくなることも多いレースで、今年も1~3番人気が4.6~5.7倍に収まる混戦模様だった。

単勝4.6倍で1番人気に推されたのは、ロードカナロアとの父子制覇に挑むカレンモエ。4歳馬ながらキャリアは8戦と浅く、母がスプリントG1・2勝のカレンチャンという血統も魅力で、ここを勝てばやはり「G1へ」という期待が高まるところ。2番人気レッドアンシェル(4.7倍)とわずか0.1倍の差でデビューから9戦連続1番人気となった。

そのレッドアンシェルは昨年のCBC賞を制した後は不振に陥ったが、初めてブリンカーを装着した今年の北九州記念で復活の重賞2勝目。前走・スプリンターズSもさほど差のない⑥着と上々の走りを見せており、G3に戻れば当然好勝負という評価になる。

そして5.7倍の3番人気はフィアーノロマーノ。1200mの経験はここ2戦だけで④⑩着と、これだけ見るとなぜに3番人気かという成績だが、阪神芝は昨年の阪神C②着など[2.2.0.0]「阪神競馬場で行われる京阪杯」だからこその人気馬だ。単勝オッズこそ僅差の3頭だったが、三者三様、それぞれまったく違う視点から買われていたと言えるだろう。

ハナを奪ったのはジョーカナチャン。前走・北九州記念は大外18番枠だった上に、モズスーパーフレアの存在もあって久々に控える形で⑦着に敗退。4枠8番を引いた今回はやや遅れ気味のスタートだったが、ここはそれでも行く一手。二の脚はさすがに速く100mほどで先頭に立ってレースを引っ張った。

2番手につけたのが1番人気のカレンモエフィアーノロマーノレッドアンシェルは中団からと、人気どころはおおむね予想された通りとなった。ただ、内枠のレッドアンシェルが3コーナーあたりで詰まり気味になり、やや位置取りを下げることになったのは誤算だっただろうか。それぞれ楽な手応えのまま3~4コーナー中間を通過したが、真っ先に手が動きはじめたのがレッドアンシェルだった。

馬場の荒れた内をやや開けて4コーナーをまわったカレンモエが直線に入って先頭へ。フィアーノロマーノは4コーナーで外へ内へとややふらついたが、すぐに立て直して追撃態勢。しかし、直後にいたレッドアンシェルはここで争覇圏外へと脱落してしまった。

残り200mで坂にかかるとカレンモエが他の先行勢を突き放しにかかったが、ここに後続が襲いかかる。道中ほぼ最後方にいたジョーアラビカが内から、そして外からはフィアーノロマーノアンヴァル、そして大外からはシヴァージが強襲。先に抜けたカレンモエもよく粘っていたが、最後は外からフィアーノロマーノがぐいっとひと伸び。昨年のダービー卿チャレンジT以来となる勝利を、得意の阪神コースで手中にした。

フィアーノロマーノは昨年、そのダービー卿チャレンジT後は安田記念⑭着、マイルCS⑬着に終わったが、年末の阪神Cで②着と巻き返し。勝ったグランアレグリアがあまりにも強すぎたため目立たなかったが、いわゆる「リピーター」が多い阪神Cだけに来年も楽しみだと記した記憶がある。

その後は、同じ阪神芝1400mの阪急杯で3位入線からの繰り上がり②着。直線入り口での不利がなければ勝機もあった競馬だったが、それ以来となる阪神コースで、今度はしっかりと勝利を手中にした。

冒頭、この京阪杯「G1のステップレースでもなければ」としたが、G2ながら芝1400mの頂点にある阪神Cへ向けた一戦、という位置づけではある。今年は距離こそ違えど「本番」と同じ阪神開催になったことで、「ステップレース」の色合いがより濃くなったと言ってもいいだろう。

そんな京阪杯を制したフィアーノロマーノ。3歳時の2017年は12月28日にフォーチュンC、翌年は同じく12月28日に2018ファイナルSを制しており、昨年は阪神C(12月21日)で②着。単なる阪神巧者にとどまらず「暮れの阪神開催」でしっかり結果を出している点は心強い。その阪神Cには昨年のグランアレグリアにかわり、今年は今年でインディチャンプが出走する可能性もあるようだが、この強敵を撃破するチャンスも十分にありそうだ。


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