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速攻レースインプレッション

鞍上の好リードで差し切りV、春のG1戦線でも馬場次第で浮上!?

文/出川塁


3歳牝馬重賞の第一弾となるフェアリーS。ただし、春のクラシック本番につながるかといえば微妙なところで、現在の条件(1月・中山芝1600m)になった09年以降、フェアリーSに出走した馬が桜花賞もしくはオークスを勝った例は見られない。唯一、17年の②着馬だったアエロリットがNHKマイルCを制した例はあるが、同馬にしても桜花賞は⑤着に終わっている。

桜花賞が阪神外回りでの開催になってからというもの、オークスともども3歳春の牝馬G1では長い直線で切れる末脚が何よりも重要になった。そしてそれは、直線が短く、ゴチャつきやすい中山芝1600mで求められる持続力や器用さとはまったく異なる適性といっていい。

阪神改修前の06年までの、現在の内回りにあたるコースで行なわれていた時代の桜花賞であればもっと直結していた可能性もありそうなのだが、それは考えても詮無いことである。

過去10年、1番人気が[2.1.0.7]、2番人気も[1.0.2.7]と上位人気馬の凡走が多い一方で、10番人気以下の伏兵が3勝。レース全体で単勝回収率122%という荒れ気味の数値が残っている。

果たして、今年もデータは守られた。勝ったのは3番人気のファインルージュ。1、2番人気は不振のフェアリーSだが、3番人気は[4.0.1.5]と有力どころではベストの成績を残しており、この傾向を綺麗に踏襲した格好だ。とはいえ、当然ながらデータだけで結果が決まるわけはない。鞍上クリストフ・ルメール騎手落ち着いた手綱さばきも光った。

前半1000m通過の58秒7で、このレースとしては流れた方だろう。ただ、向こう正面でクールキャットが13番手から一気に動いて先頭に立ち、ほかにも3~4コーナーでポジションを押し上げた馬がいたため、先行勢にとっては数字よりさらに厳しい展開となった。

そこで無理に脚を使うことなく、かといって位置取りを悪くすることもなく、もっともスムーズな競馬をしたのがルメール騎手ファインルージュ。そのまま最後の直線でもしっかり伸びて、追いすがる②着ホウオウイクセルに2馬身半差をつける完勝。さらに1馬身遅れた③着には最後方からベッラノーヴァが突っ込んだ。

先にフェアリーSは春のG1につながりにくいと述べた。ただし、数は少ないながらも桜花賞やオークスで②③着に入った馬はいる。たとえば昨年の勝ち馬であるスマイルカナは、重馬場になった桜花賞でも③着好走を果たしている。ちょっと古いが、11年のフェアリーSで④着だったピュアブリーゼが、オークスで②着に入った例もあり、このレースも良馬場発表ながら天気は雨。ひと雨きて、切れ味が削がれるような馬場になればフェアリーS組浮上のチャンスと言えるかもしれない。

もうひとつ触れておきたいのが、2018年生まれ世代におけるノーザンファーム生産馬の重賞連勝だ。昨年の2歳重賞で札幌2歳S(①着ソダシ)からホープフルS(①着ダノンザキッド)まで12連勝。年が明けてもその勢いはまったく衰えず、前日のシンザン記念に続く勝利で14連勝となった。

昨年はクラシック5戦+秋華賞を勝てなかったノーザンファームだが、それを取り戻さんといわんばかりに怒涛の勢いを見せている。来週の京成杯にも4頭の生産馬がエントリーしているが、連勝を15に伸ばすことはできるのか。これもレースの見どころのひとつになりそうだ。


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