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速攻レースインプレッション

本番は「根岸Sと同様の末脚」を繰り出せるかが再び注目となりそう

文/浅田知広


「1400m戦」には、どうしてもハンパな距離という印象がつきまとう。しかし昨年1年間に中央競馬で行われた3・4歳以上のオープン・重賞のダート戦を数えると、1200m戦10レース、1600m戦4レースに対し、1400m戦は15レース。これは1800m戦の14レースを上回る最多で、JRAのダートにおいては1400mこそが「根幹距離」……、というのは言い過ぎとしても、芝1400mに比べると「非根幹距離」感は薄いと言えるだろう。

とはいえG1は「根幹距離」1600mのフェブラリーS。そこへ向けたステップレースとなるのが、1400mのG3・根岸Sだ。出走馬を見渡すと、サクセスエナジーが地方競馬も含めてこの距離9勝、そしてスマートダンディーは中央だけで8勝。ただ、いずれも7歳のベテラン馬ということもあり、上位人気にはもう1、2世代下の馬たちが支持された。

1番人気は5歳馬レッドルゼルで、ここ2戦は1200m戦を差す形で好走。1400mでの過去3勝は前々からの競馬をしており、今回はどんな位置取りになるのか、そしてこの距離で差す形になったときに1200m戦同様の末脚を繰り出せるのかが注目された。

続く2、3番人気には芝のG1馬タイムフライヤーステルヴィオタイムフライヤーは一昨年夏からダートに転戦し、昨夏は1700m戦で2連勝。今回は芝も含め、初の1400m戦がどう出るかが見物だ。一方のステルヴィオは2018年にマイルCSを勝っているが、近走は1400m戦がターゲット。今回はその1400mでも初ダートでどうかといったところだ。

このように、上位人気に推された馬は必ずしも「ダート」の「1400m」ドンと来い、というタイプとは思えなかった。これに対し、4番人気のテイエムサウスダン5勝中4勝が1400m、5番人気のヘリオスは初のダート1400m戦だった前走の霜月Sでオープン初制覇。ほかに前述のベテラン2頭など、ダートのこの距離に不安のない馬、あるいはこの距離こそという馬がどんな走りを見せるのか。

ほぼ揃ったスタートから、序盤の300mほどはどの馬がハナを切るのかという競り合いが続き、3コーナー手前で先頭に立ったのは「ほぼ揃ったスタート」の中でも出負け気味だったスマートセラヴィー。これにサクセスエナジーなどが続き、初距離のタイムフライヤーは押っつけ気味ながらも中団を確保。その直後にレッドルゼル、初ダートのステルヴィオは後方からの競馬になった。

前半の600m通過は34秒4で、稍重という馬場を考慮しても速い流れ。先行勢にはやや苦しく、直線に向いてすぐ先頭に立ったサクセスエナジーも、いくらこの距離に実績があるといっても粘り込むのは難しそうな脚色だった。

そこに襲いかかったのがタイムフライヤーだ。道中は初距離の影響が多少なりともあるかに見えたが、直線に入るとかえって手応えは楽になり、抜け出すタイミングをはかる余裕すらもって追い出された。そのタイムフライヤーが残り250mあたりで先頭に。内からはアルクトスが進出したものの、タイムフライヤーも余力を十分残したスパートだっただけにそのまま押し切るかと思われた。

しかし、まだまだ長い府中の直線。追い出しを遅らせたタイムフライヤーも、結果的には位置取りが前すぎたということになってしまった。残り200mを切ると、タイムフライヤーの直後から外に進路を切り替えたレッドルゼルが伸び、最後方の大外からは10番人気のワンダーリーデルが強襲。ゴールまで50mあたりでこの2頭がタイムフライヤーを一気に交わすと、最後はレッドルゼルワンダーリーデルとの接戦をアタマ差で制し、初の重賞タイトルを手中にした。

先にも触れたように、1400mでも3勝の実績があったレッドルゼル。今回は、1200mの近2走と同じような道中9~10番手からの競馬で、「この距離で差す形」でも「1200m戦と同様の末脚」を繰り出せた。優先出走権を獲得したフェブラリーSは未経験の1600m戦。「根岸Sと同様の末脚」を繰り出せるのかどうかが再び注目となる。

惜しくも②着に敗れたワンダーリーデルはメンバー中3位となる1400m戦5勝馬だったが、いずれも条件戦時代。オープンでの2勝は武蔵野Sなど1600m戦で挙げていた。昨年のフェブラリーSでは7番人気で④着。今年も穴候補になりそうだ。

そして、一瞬は勝機も見えたタイムフライヤーは③着。これで1600m以下では対ワンダーリーデル4戦4敗と分が悪いが、ダート経験をたっぷり積んだ今年のフェブラリーSは昨年(⑤着)以上の結果が期待される。


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