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速攻レースインプレッション

まさに横綱相撲で、無敗の重賞初戴冠

文/編集部(T)


この日は全国的に気温が上がり、東京では20度に迫ったと聞く。無観客開催を残念に思うほどの陽気の中でのレースとなった。

そんな今年の共同通信杯で、1番人気に推されたのはステラヴェローチェ。デビューから2連勝でサウジアラビアRCを制し、前走の朝日杯FSで②着に好走。年明け緒戦として、初挑戦となる芝1800mのここに挑んできた。それ以外は重賞で③着以内に入った馬がいないメンバー構成とあって、人気を集めるのも当然といったところ。

一方、出走馬12頭のうち、無敗馬が5頭。そのうち4頭(ディオスバリエンテレフトゥバーズヴィクティファルスシャフリヤール)は前走が新馬勝ち、残る1頭が新馬戦→1勝クラス(百日草特別)を連勝してここに挑んだエフフォーリアだった。これら5頭のうち4頭が2~5番人気を占め、さながらステラヴェローチェVS無敗馬、といった様相になった。

ポイントのひとつになったのが、どの馬がハナに立つのか、という点。『メインレースの考え方』でも触れられていたが、今回のメンバーで4角先頭の競馬をしたことがあるのがステラヴェローチェ1頭だけで、それも好位追走から早めに先頭に立ったもの。典型的な逃げ馬不在のレースだった。

果たして、最内枠から好スタートを切ったディオスバリエンテが行く気を見せず、ペースが遅いとみたハートオブアシティがジワッと先頭を奪う。前半1000m通過は61秒9で、落ち着いた流れでレースが進む。

そんな中、エフフォーリアは外から交わしていったハートオブアシティの動きにも動じず、じっくりと4番手を追走。直後にいたステラヴェローチェが伸びあぐねる中、馬場の真ん中に持ち出して悠々と抜け出し、2馬身半差の完勝を飾った。

②着ヴィクティファルス、③着シャフリヤールはいずれも前走が新馬勝ちで、無敗馬3頭が上位を独占ステラヴェローチェは直線入口での反応がやや鈍く、最後は伸びてきたものの⑤着止まりとなった。

エフフォーリアはデビューから芝2000mで連勝していて、ここが初めての芝1800mとなった。前走の百日草特別(東京)はテンションが高く、前半1000m通過が63秒4のスローペースもあって掛かる面を見せていたが、1F短縮で折り合い面の不安が軽減したことも奏功したのだろう。これくらいのペースなら前走よりマシとばかりに、デビューからコンビを組む横山武騎手も自信満々の仕掛けで、他馬に先んじて抜け出す横綱相撲だった。

ちなみに、2000年以降の共同通信杯を無敗で制したのは07年フサイチホウオー(皐月賞③着)、14年リアルスティール(ドバイデューティフリー①着、皐月賞&菊花賞②着)、19年ダノンキングリー(ダービー②着、皐月賞③着)の3頭で、いずれもクラシックで馬券圏内に入っているエフフォーリアはこれに続けるだろうか。

エフフォーリアは父エピファネイア×母父ハーツクライという血統で、3代母がケイティーズだから成長力を兼ね備えていそうだし、折り合い面の進境を見せた今なら距離延長がマイナスになるとも思えない。今後はダノンザキッドをはじめとする強敵が待ち受けるが、好勝負になる可能性は十分ありそうだ。

一方、ステラヴェローチェは⑤着に敗れたが、メンバー中唯一の斤量57kgだったし、過去3戦のレース上がりが35秒4~37秒7で、今回が33秒8だから、違いすぎるペースに戸惑った面もありそう。この経験を糧にどう変わっていくか、注目したい。

最後に。今回の勝利で、ノーザンファーム生産馬はこの世代の芝重賞で17連勝となった。そのうち牡牝混合重賞は13レースだが、複数で勝利したのは父ジャスタウェイのダノンザキッド(ホープフルS東京スポーツ杯2歳S)だけで、それ以外の11レースの勝ち馬は馬も違えば、父もすべて違っている強さだけでなく、層の厚さも見せている形だが、果たしてクラシックで笑うのは!?


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