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速攻レースインプレッション

「G1馬不在」でもこの勝利は大いに評価したい

文/浅田知広


大阪杯や安田記念へ向けたステップレースの中山記念。以前は、豪華メンバーだったりそうでもなかったりと、年によってレースレベルにかなりばらつきのある印象だった。大阪杯のG1昇格時には、宝塚記念と条件が近い大阪杯よりは中山記念をG1化したほうが良いのではないかという声も聞かれたが、レースレーティングを見ると「大阪杯で妥当かなあ」という感もあったものだ。

そんな中山記念も近年はまずまず安定して高レベルのメンバー構成になっていたが、今年はG1馬不在。ヘンな話だが、こういう年があってこそ中山記念という感もなきにしもあらず、である。

そんな中で1番人気に推されたのは、前走・中山金杯で重賞初制覇を飾ったヒシイグアスだった。2019年スプリングS⑤着以来のG2参戦で、今度は前走のハンデ54キロから別定56キロ。条件こそ厳しくなるが、いきなりG1馬相手にはならず、段階を踏んでいくにはピッタリのレースがうまいことここにあったものだ。

続く2番人気はバビットで、昨年夏から秋にかけてラジオNIKKEI賞、セントライト記念と重賞連勝。G1では連続ふた桁着順に終わったものの、こちらは[4.2.0.0]と実績を残している距離(1800~2200m)に戻って再スタートを切ることに。さらに、2018年京都2歳S以来の重賞制覇を狙うクラージュゲリエ、そして昨夏の札幌記念⑥着以来のトーセンスーリヤまでが単勝10倍以下となった。

ややばらついたスタートからバビットが先頭に立ち、外の8枠13番を引いたウインイクシードも押っつけて2番手を確保。内からトーセンスーリヤが3番手につけて1コーナーへ。1番人気のヒシイグアスはその後ろの4番手、クラージュゲリエは後方よりの追走になった。

2コーナーにかかると前の2頭が後続を離していき、そこから3馬身の差でトーセンスーリヤ。さらに5馬身ほど離れてヒシイグアス以下と前はバラバラになり、前半800m通過は46秒3、1000mは57秒8と速い流れ。ただ、土曜メインの幕張S(1600m)では3勝クラスで1分31秒8という時計も出ていただけに、ヒシイグアス松山弘平騎手に押っつけられつつ前を追う展開になった。

残り600mにかかると、バビットウインイクシードトーセンスーリヤが迫り、その後ろからヒシイグアスケイデンスコールゴーフォザサミットあたりも本格的な追撃態勢。ここで中団以降にいては見るからに苦しそうな態勢で、ペースは速くても前残り、なにか10分前に見たような気もするな、と思いつつレースは4コーナーへ。ここで先頭を引っ張ってきたバビットが力尽きてしまい、ウインイクシードが先頭にかわって直線に入った。

これを追うトーセンスーリヤの外にヒシイグアス、内にケイデンスコールが入って残り200mを通過。前を行くウインイクシードも持ち味をフルに発揮して粘りに粘ったものの、最後は外のヒシイグアスウインイクシードを交わし、ケイデンスコールも競り落として4連勝でG2タイトルを獲得した。

勝ち時計の1分44秒9は、2004年の中山記念でサクラプレジデントが記録したレコードタイムと同じ。確かに「G1馬不在」だったとはいえ、この厳しいレースを強い競馬で勝ちきった点は大いに評価したい。

さて、いよいよ次は優先出走権を獲得した大阪杯へ、となるのかどうか。勢いに乗ったまま大舞台での走りを見てみたい一方で、同厩サリオスも予定するなど好メンバーが揃いそうなG1の舞台でどこまでやれるか。例年なら香港・クイーンエリザベス2世Cという選択もありそうだが、今年は……。次走がどのレースになるかはわからないが、先々への期待がさらに大きくふくらんだのは間違いない。

そしてクビ差の②着に入ったケイデンスコールは2019年のNHKマイルC②着後は長らく不振に陥っていたが、前走の京都金杯を12番人気で優勝。そして今回は実績を残してきたマイルより1ハロン長く、展開もキツかった中で②着。NHKマイルCと同じ舞台の安田記念で、再び好走できるだけの状態に戻ってきたとみていいのではないだろうか。


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