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速攻レースインプレッション

皐月賞は馬場不問で好勝負になっても!?

文/浅田知広


いよいよ次週に春のG1開幕を控えた今週は、土日に計4重賞。特に日曜はスプリングS阪神大賞典と、本番を占う重要なG2競走がふたつ組まれている。ただこの両レース、どうも時期によって本番への繋がりが強かったり薄かったり、上下差が激しい印象だ。

阪神大賞典については割愛するが、スプリングS出走馬は1989年~94年の6年で皐月賞を3勝(1989年ドクタースパート、1992年ミホノブルボン、1994年ナリタブライアン)。その後の8年はまったく勝てなくなったあと、2003年のネオユニヴァースから2013年のロゴタイプまで11年で6勝(その他の勝ち馬は2004年ダイワメジャー、2006年メイショウサムソン、2009年アンライバルド、2011年オルフェーヴル)。そして2014年以降は2018年エポカドーロの1勝のみ、という具合である。

皐月賞まで中2週から中3週に伸びたのは1997年。そこで切り替わっているわけではないのでどうにも理由は判然としないが、近年に関しては、本番までゆったりした間隔で挑む馬が増えたこともひとつの要因だろう。

とはいえ。さまざまな理由から、スプリングS優先出走権を獲得しなければならない馬ももちろん多い。前走で未勝利戦を勝ったばかりのボーデン(1番人気)もそんな1頭だ。

実は未勝利戦どころか、前走で「1勝クラス以下」に出走していた馬の1番人気も1999年のモンテカルロ(④着)以来。それでも1番人気に推された理由は、まず前走の勝ちっぷりにあるだろう。いくら開幕週とはいえ、東京芝1800mをなんと1分45秒2で走って②着に6馬身差。加えて祖母アドマイヤグルーヴドゥラメンテのおいというデビュー前から注目を集めた血統面もあり、単勝2.4倍の支持を受けた。

続く2番人気(3.9倍)はランドオブリバティ。ホープフルSでの4角逸走、競走中止を受けた前走のきさらぎ賞は、前2頭から離された③着(②着ヨーホーレイクとは3馬身半差)。スタートで挟まれたことにより、結果的には後方から進める形になったが、まずは及第点といったところ。そこから今度はどんな走りになるかが注目だ。

そして3番人気はヴィクティファルス。新馬①着、共同通信杯②着という成績からこちらが1番人気でも、という感もあったがやや離れた7.1倍。2連勝中のロードトゥフェイムが8.3倍の4番人気と差がなく続き、5番人気のヴェイルネビュラは16.2倍。人気上位は「2+2」といった様相でレースを迎えた。

位置取りやレース運びという点では、やはりランドオブリバティに目がいくところ。行きたがる面を見せたものの、三浦騎手が抑えて好位を進む。ボーデンランドオブリバティと前後するところ。ヴィクティファルスロードトゥフェイムヴェイルネビュラは、人気2頭を前に見る中団を追走した。

向正面を過ぎて3コーナーに入ると、3番手を走るランドオブリバティの外へ後方からアサマノイタズラ(7番人気)が勢い良く進出し、その後ろにはボーデンランドオブリバティも外のアサマノイタズラと併せる形でスムーズに4コーナーを通過していった。

そして直線。ランドオブリバティアサマノイタズラボーデンの争いから、中のランドオブリバティが後退。ここに大外から突っ込んできたのがヴィクティファルスだった。ボーデンを競り落としたアサマノイタズラに襲いかかると、ゴール前でこれをきっちり捕らえて優勝。メンバー中唯一の重賞連対実績馬が、ここでタイトルを獲得して皐月賞へと進むことになった。

そのヴィクティファルスは、デビュー2戦目だった前走の共同通信杯で②着。勝ったエフフォーリアには2馬身半突き放され、後ろからきたシャフリヤールにはアタマ差まで追い詰められるという走りだったが、今度はまさに群を抜く末脚での差し切り勝ちとなった。

新馬戦の阪神外回り、前走の東京とも違うコーナー4つの小回り中山も「ピッチ走法で心配なし」との陣営のコメント。加えて鞍上・池添謙一騎手からは「道悪も」との話もあったようで、まさにその通りの結果。いや、心配ないどころではない巧者っぷりを披露してくれた。道悪というとステラヴェローチェ(不良馬場のサウジアラビアRCで圧勝)の名前も浮かぶが、本番も渋った馬場になるようならかなり有力ではないだろうか。共同通信杯(良)が2戦目だったことを考慮すれば、良馬場でももちろん好勝負になって不思議はない。

一方、人馬ともども惜しかったのはアサマノイタズラ。新馬戦はディオスバリエンテ、ボーデンから離された③着(②着ボーデンとは4馬身差)だったが、今度はボーデンに先着。嶋田純次騎手JRA重賞初制覇こそならなかったものの、アサマノイタズラには皐月賞への優先出走権をもたらした。ネオユニヴァースヴィクトワールピサとの父子3代皐月賞制覇という偉業もかかるだけに、また思い切った競馬を見せてほしいところだ。


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