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速攻レースインプレッション

ウインマリリンに続いて連覇達成、本番は!?

文/浅田知広


関西では引き続き阪神競馬が続くが、関東は中山から東京への開催替わり。今週はフローラS、そして来週は青葉賞と、オークス・ダービーへ向けたG2のトライアル競走が組まれている。青葉賞組がダービーをなかなか勝てないのは有名だが、このフローラS組のオークス制覇もついに2010年サンテミリオンが11年前になってしまい、過去10年のオークスでは[0.5.3.37]。なかなか桜花賞組(と忘れな草賞組)には勝てないという結果が続いている。

今年の3歳牝馬も、阪神JF、桜花賞と連続でワンツーを決めたソダシとサトノレイナスがかなり強力。しかも脚質が違う2頭をまとめて負かすのは……という印象だったが、なんとサトノレイナスがダービー参戦を表明。一転、ソダシ1頭なら…と考えはじめた陣営関係者、そしてファンももしかするといるのではなかろうか。

そんな流れで迎えたトライアルのフローラS。1番人気(3.3倍)に推されたのは2戦2勝オヌールだった。着差はクビと1/2馬身だが、2戦とも阪神芝1800mで前々から上がり3ハロン33秒4、32秒7と速い脚を使っており、コース替わりには不安はなさそうだ。ただ、小柄な馬が関東初出走でさらに8キロ減ってしまったのは気がかりだった。

続く2番人気(3.5倍)は札幌2歳Sでソダシにクビ差まで迫ったユーバーレーベン。阪神JFでは②着サトノレイナスにやはりクビ差の③着。前走・フラワーCも③着だったが、今回のメンバーなら実績はナンバーワンだ。そして2頭からやや離れた3番人気(7.2倍)には、東京2400mのゆりかもめ賞を勝ってきたパープルレディー。ここで権利を取れれば距離不安のない本番も大いに楽しみになる。一応ここまでが単勝10倍以下だが、なかなか一筋縄ではいかないレースだけに、なにがあっても不思議なし。今年も伏兵陣は多彩だった。

そんな中、先手を奪ったのは経験馬相手にデビュー戦を勝ったばかりのアンフィニドール(4番人気)。好位にはフラワーC(⑤着)で上がり最速だったクールキャット(5番人気)などが続き、上位人気の3頭は中団からやや後方。出負けが続いていたユーバーレーベンはスタート互角でひと安心、と思いきや2コーナー手前で挟まれかけてやや後退。しかし他の人気どころと同じ位置につけられたのは悪くないように見受けられた。

2番手以下を離して逃げたアンフィニドールは、中盤あたりからガクンとペースを落とし、後続も無理なく前へと接近。各馬手応えを残したまま4コーナーを通過していった。

直線に入ると、アンフィニドールにかわって先頭に立ったララサンスフルを目がけ、外からクールキャットスライリーが迫って残り400mを通過した。そして差し馬勢からはユーバーレーベンが伸びてきたが、いかにも上がりの速い競馬という見た目で、前との差はなかなか詰まらない。残り200mを切ると、クールキャットスライリーを競り落として単独先頭。ユーバーレーベンスライリーに迫るまでが精一杯で、先に抜けたクールキャットがその1馬身前、堂々先頭でゴールを駆け抜けたのだった。

クールキャットの鞍上は、サトノレイナスの主戦でもあるルメール騎手。末脚勝負のタイプで、前走・フラワーC(⑤着)の中山よりは東京で……などという評もあった中、東京2000mの外枠から先行しての勝利には驚かされた。ただ、ルメール騎手はすでにオークスへはアカイトリノムスメ(桜花賞④着)での参戦が発表されており、ここは本番でライバルになり得る馬を勝たせてしまった、ということになるだろうか。

血統的には、中山金杯などを勝ったトリオンフの半妹にあたるクールキャット。デビュー戦(①着)は1400mで、続いてマイル重賞2戦に前走はフラワーCという使われ方をみると、本番より今回の2000mのほうが向きそうな印象も受ける。しかし、名ステイヤー・メジロマックイーンを出したアサマユリの牝系で、むしろ2400mもドンと来い、という血統背景だ。スクリーンヒーローの産駒は昨年オークス②着のウインマリリンに続く本競走連覇、今度は(フローラS組としては今度こそ)本番で①着を取れるかどうかという戦いになる。

一方、③着に敗れたユーバーレーベンも、この展開の中でさすがの力は見せた。レース中は「まあこの位置なら」と思えたが、終わってみればスタート後のちょっとした不利が痛く、もう少し前につけられれば違った結果になっていたかもしれない。優先出走権獲得こそならなかったが、本番への出走が叶い、ゲートを互角に出て、道中も不利もなく運べれば。これがなかなかできずにいる現状だが、自身の力を出し切ればソダシ相手でもノーチャンスではないはずだ。


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