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速攻レースインプレッション

今年の優勝馬も重賞初制覇、さらに上のステージでも!?

文/浅田知広


夏競馬の序盤に東京競馬場・芝1800mを舞台に行われるG3・エプソムC。夏の「ローカル」ではなく、またサマー「2000」シリーズ「マイル」シリーズに含まれるわけでもなく、この時期のG3としてはどうにも浮いた感のあるレースだが、位置づけとしては秋以降のG1参戦を目指す馬が集うレースだ。

過去10年の優勝馬を見ると、2013年のクラレントが重賞3勝馬、2016年のルージュバックは重賞1勝馬だったが、他の8頭はこのレースが重賞初制覇。2018年のサトノアーサー(重賞②着2回、③着1回)のように、惜しくも勝利に手が届いていなかった馬が、ここで初のタイトルを手中にするケースが比較的多い。今年も、上位人気にはそんなタイプの馬が支持された。

まず1番人気に推されたのはアルジャンナ。2~3歳時には重賞で②③着が計3回。ダービー⑱着後にヒザの手術があり、今年2月の洛陽S(⑤着)で復帰。続くマイラーズCではまた②着と、ここはなんとしても勝利したいところだろう。

2番人気のファルコニアは、昨年の京都新聞杯③着馬だ。秋初戦の神戸新聞杯で⑯着に敗れると、その後は1800m戦ばかりに出走して②①①着でオープン入り。改めてその力を問われる一戦となる。

そして3番人気のザダルは一昨年のセントライト記念③着馬。脚元をケアしつつ間隔を取りながらのレースだが、ここ3戦はエプソムCと同じ左回りの芝1800m戦に出走して③①⑤着。今回は球節のクリーニング手術明けとはいえ、狙いを定めて出走してきた感がある。

そんな重賞未勝利馬の中では実績最上位のヴェロックス(2019年牡馬クラシック三冠②③③着)は、前走の日経新春杯(2番人気⑨着)から大きく評価を落として8番人気止まり。また、すでに重賞勝ちのある馬ではサトノフラッグ(2020年弥生賞)の6番人気が最上位だった。

レースはエアアルマスが先手を主張し、アトミックフォースが2番手。人気どころではアルジャンナがじわじわと位置取りを上げてその一団に加わっていき、そこから2馬身ほど後ろにザダルファルコニアは飛び上がるようなスタートになってしまい、今回は後方からの競馬になった。エアアルマスが3コーナーあたりからペースをやや落とし、先頭から後方までがまさに「一団」になって4コーナーを通過した。

直線に向くとアトミックフォースが先頭へ。各馬が馬場の外へ出す中、後方から内めをすくって一気に位置取りを上げたファルコニアが2番手まで押し上げ、その後ろからヴェロックスもこれに接近。やや外に出したアルジャンナは伸びを欠いており、一時は内めを回った馬のほうが良いかと思われた。

しかしその直後、大外からザダル抜群の末脚でこれらをまとめて交わし去って先頭へ。さらに、後方からサトノフラッグも脚を伸ばしたが、ザダルアトミックフォースの間で挟まれかけやや勢いを削がれて②着まで。先に抜けたザダルがそのまま押し切り、重賞初制覇を達成した。

一昨年にはデビュー3連勝でプリンシパルSを制したザダル。先にも触れたように脚元に不安を抱えつつのレースで、5歳夏を迎えた今回でもまだキャリア10戦目だった。左回りの芝1800mにこだわるなら、次の目標は毎日王冠になるだろうか。

ただ、そこから中2週で天皇賞・秋へというステップは、これまでの経緯からは考えづらいところ。しかし一方で、球節のクリーニング手術で脚元がすっきりしてきたようなら……という期待もある。もちろんぶっつけで天皇賞・秋という選択肢もあり、このあたりを果たして陣営がどう判断するか。いずれにしても、G3よりも上を目指せそうな馬だけに、今後も順調にいってほしいところだ。

一方、②着のサトノフラッグは直線でもう少しスムーズにさばけていれば、という惜しい一戦になった。とはいえ、昨年の菊花賞③着後はAJCC着、金鯱賞着に終わっていただけに、巻き返しての着には十分に価値がある。これなら、再び大きな舞台での活躍も期待できそうだ。


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