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速攻レースインプレッション

12番人気で大激走、今回が最大のチャンスだった!?

文/出川塁


昨年まで15回開催されたサマー2000シリーズ。そのチャンピオン14頭(2019年は該当馬なし)のうち、最終第5戦の新潟記念を走った馬は11頭いて、7頭が勝ってシリーズ制覇を果たしている。

第1戦の七夕賞から中7週、第2戦の函館記念から中6週の間隔を空けて使うこともできれば、第3戦の小倉記念も挟んで3走することもできる。最終戦なので、ここに照準を定めて臨むことも可能だ。シリーズ優勝を果たせば報奨金4000万円新潟記念の1着本賞金4100万円と合わせればG1並の金額が懸かる計算で、可能性を残す馬の陣営にとっては力が入るのも当然だ。

今年の新潟記念出走馬で優勝圏内にいたのはトーセンスーリヤショウナンバルディの2頭。有利なのは函館記念を勝って10点のトーセンスーリヤで、④着に入れば優勝に必要な最低ラインの13点に到達。一方、七夕賞③着、小倉記念⑤着で計6点のショウナンバルディは①着しかなく、勝ちさえすればトーセンスーリヤの着順に関係なくチャンピオンという状況だった。

こうした立場を頭に入れたうえでレースを振り返ると、陣営の思惑が反映されていたようにも思う。勝つしかないショウナンバルディが採った作戦は逃げ。過去に勝ったことがあり、今年の福島民報杯や都大路Sでも逃げていたからありうる作戦ではあった。

しかし、レースは④着まで4角10番手以降の馬が占め、⑥着までふた桁馬番の馬が占める完全な外枠・差し決着。勝負にいった結果を責めることはできないが、展開や馬場が合わず⑭着に終わった。今年4月からは毎月走り、夏競馬だけで4走目というローテーションも厳しかったかもしれない。

一方のトーセンスーリヤは、4角2番手から快勝した前走とはまったく違う競馬を見せる。17頭立ての17番枠から控える競馬で4角通過は10番手。これが外枠有利、差し有利の展開にも合って②着を確保し、5点を加算してチャンピオンの座に就いたのだった。

このサマー2000シリーズの勝者を退け、新潟記念を制したのは12番人気の穴馬マイネルファンロン。この馬も前走は函館記念で、前半からレッドジェニアルと2頭で飛ばして⑭着に失速していたが、ミルコ・デムーロ騎手に乗り替わった今回は一転して最後方に近い位置から追い込みに賭けた。

今年の新潟記念ではこれが正解だったのは述べてきた通りだが、それにしてもマイネルファンロンがこんなレースをするとは思いもよらなかった。追い込みの競馬もそうだし、3歳春以降の好走はほぼ小回り、直線距離の短いコースで、実績、適性からは手を出しづらい馬に思えた。

ただし、デムーロ騎手を起用してきたからにはもっと警戒すべきだったのである。マイネルファンロンは今年のオークス馬ユーバーレーベンの3歳上の半兄で、馬主は同じサラブレッドクラブ・ラフィアン。そして、このサラブレッドクラブ・ラフィアンの所有馬に騎乗したデムーロ騎手の成績が抜群であることは知っていたのだから、自分の馬券センスのなさに呆れるばかりである。

今年、同一グループのビッグレッドファーム名義と合わせたデムーロ騎手の騎乗成績は[7.4.8.19]、勝率18.4%、複勝率50.0%、単勝回収率236%、複勝回収率124%(2021年9月5日終了時点)。ビッグレッドファームグループのもうひとつの馬主名義であるコスモヴューファームの所有馬には今年騎乗がないが、乗ってきたら当然要注意だろう。

勝利騎手インタビューの「この勝負服で重賞を勝つことができて嬉しい」というデムーロ騎手の言葉を聞いたときは、自分の迂闊さを呪ったものである。ちなみに、先ほどのデータを乗り替わりに限定すれば[5.3.6.10]、勝率20.8%、複勝率58.3%、単勝回収率324%、複勝回収率161%。テン乗りの今回が最大のチャンスだったのだろうという後悔を胸に秘めつつ、今後に活かせなかったら本当に悔やみきれない。次こそは。


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