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速攻レースインプレッション

テーオーケインズがデータを覆して歴史的圧勝

文/出川塁


中央競馬のダートG1といえば、もちろんフェブラリーSとチャンピオンズCの2レース。ともに冬場の開催で、コースは左回り、距離も200mしか違わないこともあって、2017年に両方を制したゴールドドリームを筆頭に同じ馬が好走することも少なくない。

ならば、逆に「共通しない部分」に着目すると両ダートG1の違いが浮かび上がるのではないかと考えた。そこで、が好きな予想ファクターである種牡馬について調べてみた。集計期間はチャンピオンズCは2014~20年の7年分、フェブラリーSは2014~21年の8年分だ。

ダートにおけるサンデーサイレンス系といえばゴールドアリュールだが、これはチャンピオンズCで[2.2.1.11]、フェブラリーSで[3.2.1.10]とどっちも来る。能力そのものが高く、馬券にはなるので無視はできないが、両レースの特徴を知るという意味ではあまり参考にならない。

興味深いのはゴールドアリュール以外のサンデー系だ。チャンピオンズCではスズカマンボ(2015年①着サンビスタ)、ネオユニヴァース(2018年②着ウェスタールンド)、ゼンノロブロイ(2014年②着ナムラビクター)、スペシャルウィーク(2014年③着ローマンレジェンド)と、さまざまな種牡馬の産駒が好走している。一方、フェブラリーSは、アドマイヤマックス(2020年②着ケイティブレイブ)しかいない。

この違いが生まれる理由のひとつは、前半1000m通過に求められるのではないか。チャンピオンズCでは毎年60秒以上かかっているのに対し、フェブラリーSでは58秒台の速い流れで通過することが多い。前半は脚を溜め、最後の直線で切れ味を活かすのがサンデー系の得意パターン。ダート適性が抜群のゴールドアリュールは別格として、それ以外のサンデー系にとって展開が合いやすいのはチャンピオンズCだろう。

キングカメハメハも面白い傾向が出ている。どちらも来るのだが、チャンピオンズCは[2.0.0.8]と勝ち切れるのに対して、フェブラリーSでは[0.2.2.7]と②着まで。キングカメハメハ産駒のダート最高傑作と言えるホッコータルマエも、チャンピオンズCは勝ち、フェブラリーSは勝てなかった。

そのほかの系統は、合う合わないがハッキリしているケースが目立つ。Deputy Minister系の種牡馬は、チャンピオンズCでは[1.1.1.1]と好走しているが、フェブラリーSでは[0.0.0.6]と馬券圏内に届いていない。あるいはRobert系もチャンピオンズC[1.0.1.3]、フェブラリーS[0.0.0.3]と、限られた出走数ではあるが差がついている。

逆のパターンもあり、フォーティナイナー系はチャンピオンズCでは[0.1.0.10]とあまり好走できていないが、フェブラリーSだと[1.1.1.8]と悪くない。A.P.Indy系に至ってはチャンピオンズCで[0.0.0.9]と好走がなく、フェブラリーSのほうが[0.2.2.14]とまだいい。

少々前置きが長くなってしまったが、は本稿を書くにあたっての下準備でこのデータに気づき、自分の馬券にもそれを反映させた。すなわち、キングカメハメハ産駒のチュウワウィザードを本命にして、A.P.Indy系のシニスターミニスター産駒であるテーオーケインズを軽視したのである。

その結果はといえば、もちろん惨敗だ。向こう正面、比較的前の5、6番手をすさまじい手応えで追走するテーオーケインズが画面に映ったとき、買った馬券がもはや価値を持たないことを覚悟しなくてはならなかった。

直線を向いてすぐ、ここ数戦で差す競馬が板についてきたインティが逃げるソダシに並びかけて先頭に立ったものの、その背後にはほとんど持ったままのテーオーケインズがつけていた。そこから仕掛けられるとあっという間に突き抜けて、ゴールでは②着のチュウワウィザードに6馬身差をつける歴史的圧勝を飾った。タイム差でいえば1秒0で、これは中央のダートG1では2001年JCダートでクロフネがマークした1秒1に次ぐ大差である。

そういえば、このJCダートでクロフネの②着に入ったのも前年の覇者であるウイングアローだった。チュウワウィザードともども③着馬にはしっかり先着しているのだが、その前に歴史的なレベルの走りを披露した馬がいて連覇を逃したことになる。

これだけのパフォーマンスであれば、データなど覆して当然でもあるだろう。そう考えると、自分で見つけたデータに殉じた馬券を買って敗れたとしても悔しさはない。

最後に、注目されたソダシにも触れておかなくてはならない。最終的にテーオーケインズに1番人気を譲ったものの、前売り発売から長くオッズ板の最上位に名前があり、最終的に単勝4.5倍の2番人気。レースでは果敢に逃げ、ダートでの走りも決して悪いものではなかったように見えるが、ダート初出走がいきなりG1というのは甘くなく着に敗れた。

先に述べたデータ通り、Deputy Minister系のクロフネ産駒であるソダシにとって、ダートG1に出るのであればデータ的にはチャンピオンズCで良かったと思う。それでも、フェブラリーSがG1に昇格した1997年以来、ダート初出走が中央のダートG1だった馬は[0.0.1.24]、2001年フェブラリーSでトゥザヴィクトリーの③着があるだけというデータを覆し、快挙を達成するには至らなかった。


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