シルクロードS(G3)
京都11R 芝1200m ハンデ 15時35分発走
京都の芝はBコース使用2週目。例年なら、まだ内優位の状況が続くのですが、先週が道悪だったため、内寄りの傷みが一気に進みました。
土曜(27日)のシルクロードSと同じ内回り使用のレースは、9R・白梅賞(芝1600m)だけ。勝ったスマートスピアは好位を進んでいましたが、4コーナー手前から傷んだ内を意識的に避けたようで、外に出して伸びました。②着カエルムの武豊騎手も内に入れず、真ん中辺りを伸びました。
芝の外回り使用の競馬では明らかに内を避けるシーンも目立ち、内に行きたくない騎手心理が働いている印象です。シルクロードSは京都施行の時は「内枠」が活躍しますが、今年は果たしてそうなるかどうか?
個人的には「中、外枠の馬も互角以上」とみています。ただ、時計的には極端には遅くなく、標準的な時計が出ています。シルクロードSの優勝推定タイムは1分7秒台後半と考えます。
参考までにシルクロードSは京都施行の2011~2020年(前3年は中京で施行)の10年間の枠番成績を挙げておきます。
あくまでも過去の傾向ですが、断然内枠有利です。問題は今年の〝内が傷み気味の芝でどうか〟という点。軽々しく、内が傷み気味なので、今年に限って中~外枠が理想とまでは言いにくく、経済コースを通れる内枠の利もあるかもしれません。芝状態については日曜午後の競馬も見て、参考にしていただければ幸いです。
逃げにこだわるテイエムスパーダが外枠でも先手でしょう。ただ、内寄りの芝は傷み気味。スプリント戦にしては、先行型が少なく、リバーラ、ジューンオレンジ、中枠のメイショウソラフネも馬場状況を見ながら好位へ。外枠でもオタルエバーも案外、楽につけられる可能性はあります。
テイエムスパーダが自ら飛ばさない限りは「Mペース想定」。例年のシルクロードSだと「内&前」で決まるパターンですが、今年は「4~8番手の外」が優勝ゾーンになる可能性は高いのでは? 内枠のルガルはそのまま内を進むか? それとも早めに、外めに出すのか? 直線は中~外が伸びるので、例年だと厳しい外枠のアグリ、バースクライも差し浮上の余地は十分ありそうです。
例年より、中~外枠の不利が軽減している芝状態。本命に推したオタルエバーは稍重で好走例も多く、ボコついた馬場もOK。序盤のダッシュ力を活かして、好位の比較的馬場の良い外を選んで走れば、勝負になると思います。オッズ妙味もあるので「馬連」で買います。相手本線は立て直したエターナルタイム、アグリを。
京都11R 芝1200m ハンデ 15時35分発走
馬番 | 印 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 |
1 | カイザーメランジェ | 牡9 | 56 | 津村 | |
2 | リバーラ | 牝4 | 54 | 田口 | |
3 | ホープフルサイン | 牡8 | 57 | 太宰 | |
4 | ☆ | ルガル | 牡4 | 57.5 | 西村淳 |
5 | ○ | エターナルタイム | 牝5 | 54 | ルメール |
6 | サトノラムセス | 牡6 | 55 | 池添 | |
7 | △ | ジューンオレンジ | 牝4 | 54 | 横山和 |
8 | ディヴィナシオン | 牡7 | 56 | 古川吉 | |
9 | △ | サンライズロナウド | 牡5 | 55 | 横山典 |
10 | カワキタレブリー | 牡5 | 55 | 岩田康 | |
11 | サンライズオネスト | 牡7 | 57 | 和田竜 | |
12 | △ | メイショウソラフネ | 牡5 | 56 | 角田河 |
13 | ▲ | アグリ | 牡5 | 58 | 坂井 |
14 | テイエムスパーダ | 牝5 | 56 | 富田 | |
15 | △ | バースクライ | 牝4 | 54 | 岩田望 |
16 | トゥラヴェスーラ | 牡9 | 58 | 永島 | |
17 | ◎ | オタルエバー | 牡5 | 57 | 松山 |
18 | ショウナンハクラク | 牡5 | 55 | 浜中 |
【馬場状態】
京都の芝はBコース使用2週目。例年なら、まだ内優位の状況が続くのですが、先週が道悪だったため、内寄りの傷みが一気に進みました。
土曜(27日)のシルクロードSと同じ内回り使用のレースは、9R・白梅賞(芝1600m)だけ。勝ったスマートスピアは好位を進んでいましたが、4コーナー手前から傷んだ内を意識的に避けたようで、外に出して伸びました。②着カエルムの武豊騎手も内に入れず、真ん中辺りを伸びました。
芝の外回り使用の競馬では明らかに内を避けるシーンも目立ち、内に行きたくない騎手心理が働いている印象です。シルクロードSは京都施行の時は「内枠」が活躍しますが、今年は果たしてそうなるかどうか?
個人的には「中、外枠の馬も互角以上」とみています。ただ、時計的には極端には遅くなく、標準的な時計が出ています。シルクロードSの優勝推定タイムは1分7秒台後半と考えます。
【例年の枠傾向】
参考までにシルクロードSは京都施行の2011~2020年(前3年は中京で施行)の10年間の枠番成績を挙げておきます。
内寄り 1~4枠 |
8勝 (②着7回、③着5回、④着以下は57頭) |
---|---|
外寄り 5~8枠 |
2勝 (②着3回、③着5回、④着以下は77頭) |
あくまでも過去の傾向ですが、断然内枠有利です。問題は今年の〝内が傷み気味の芝でどうか〟という点。軽々しく、内が傷み気味なので、今年に限って中~外枠が理想とまでは言いにくく、経済コースを通れる内枠の利もあるかもしれません。芝状態については日曜午後の競馬も見て、参考にしていただければ幸いです。
【展開】
逃げにこだわるテイエムスパーダが外枠でも先手でしょう。ただ、内寄りの芝は傷み気味。スプリント戦にしては、先行型が少なく、リバーラ、ジューンオレンジ、中枠のメイショウソラフネも馬場状況を見ながら好位へ。外枠でもオタルエバーも案外、楽につけられる可能性はあります。
テイエムスパーダが自ら飛ばさない限りは「Mペース想定」。例年のシルクロードSだと「内&前」で決まるパターンですが、今年は「4~8番手の外」が優勝ゾーンになる可能性は高いのでは? 内枠のルガルはそのまま内を進むか? それとも早めに、外めに出すのか? 直線は中~外が伸びるので、例年だと厳しい外枠のアグリ、バースクライも差し浮上の余地は十分ありそうです。
【有力馬・気になる馬の評価】
◎⑰オタルエバー
3歳春はマイル路線を歩んでいましたが、1200mに切り替えてから抜群の安定感。「坂路巧者=スプリント資質が高い」の典型。今週の坂路は体重の軽い騎乗とはいえ、坂路4F49秒7と抜群に動きました。前走・ラピスラズリSの1分7秒8は上々。着差以上に強い内容。外枠でもすぐ好位を奪える先行力があり、外枠の分、オッズ妙味あり!?○⑤エターナルタイム
前走・富士S(⑥着)は好位で脚がたまらなかったというより、夏の関屋記念を追い切り後に回避した後の、立て直す過程の出走で体調面が絶好とはいえなかった印象。立て直して先週、今週の動きは良く、昨年多摩川S(東京1400m)の好時計Vで短距離向きの機動力も兼備しています。初の関西遠征、右回り、傷み気味の馬場をこなせば。▲⑬アグリ
重賞戦線で安定した成績。阪神C(③着)も馬群を回って伸びる好内容でした。問題は京都内回り1200mの外枠という点。差し馬がアバウトに外を回されると決して楽ではありませんが、内悪化の状況で競馬はしやすくなるかも。典型的な差し展開になった時は「優勝候補1番手」でしょう。すぐ横のテイエムスパーダが飛ばして乱ペースなら、展開は絶好。☆④ルガル
正攻法から伸びた京阪杯(②着)は勝ち馬トウシンマカオが傑出していましたが、そのトウシンが不在とあれば価値ある内容。鍵はスタートに一抹の不安を抱えている点。そして、1.5キロ増のハンデ57.5キロは自身が背負う最も重い重量で結構大変かもしれません。Bコース2週目で通常、内枠は例年だと絶好なのですが、今年は試練に。△⑦ジューンオレンジ
昨春フィリーズレビュー③着の実績馬。中間の調教が抜群。そう太らない体質だけに、休み明けから力を出せるタイプ。そして、以前より先行力がついてきたので、内回り1200mは合う条件でしょう。勝ち切るイメージまでは正直ないのですが、ハンデ54キロに加え、器用に立ち回れる自在型で、横山和騎手の連続騎乗に魅力を感じます。外せない1頭。△⑨サンライズロナウド
近親にソングライン、ジューヌエコール(2017年函館スプリントSをレコード勝ち)がいるスプリント血統。徐々に距離を縮めて、脚をためる競馬が板についてきました。今回の展開が読み切れない面はあって、単調な先行馬ペースになると厳しいでしょうが、前崩れの差し展開になれば、ハンデ55キロも活きてくる図式。△⑫メイショウソラフネ
淀短距離S(②着)は勝ったビッグシーザーの力量を考えれば、別定57キロだったこともあり、地力強化を印象付けました。今回の1キロ減の56キロはそこまで恵まれた印象はないですが、プラスにはなります。前走以上に先行争いが激化して、好位の位置が「乱ペース」になると厳しいですが、前半3F33秒台後半ぐらいなら好位粘りの余地あり。△⑮バースクライ
前走・南総Sの勝ちタイム「1分7秒2」はレース前半3F33秒0の乱ペースに乗じた点はありますが、同日のオープン・ラピスラズリS(1分7秒8=勝ち馬オタルエバー)を上回る好時計。引き続き54キロ。重賞の外枠でも、中団付近(理想はそれより少し前)を走れれば、前走で馬群を縫った根性も活きる見立てです。②リバーラ
重賞勝ちの実績馬ですが。前走・カーバンクルS(⑯着)は着差こそそう開いていませんが、負けすぎの印象。いきなり一変は?⑪サンライズオネスト
オープン特別、リステッドなら、着順以上に頑張っていますが、重賞でハンデ57キロで好走イメージは正直ありません。⑭テイエムスパーダ
起伏の少ない京都内回り1200mは理想条件。ただ、内荒れの芝状態は、条件的には「最悪」と思います。傷んだ内寄りで粘り込むのは相当厳しいでしょう。⑯トゥラヴェスーラ
前走・京阪杯(④着)が最高の立ち回り。今回は1キロ増のハンデ58キロ。1200mで勝った時は3戦ともに「1分8秒台」なので、時計勝負に課題を残します。【決断馬券】
例年より、中~外枠の不利が軽減している芝状態。本命に推したオタルエバーは稍重で好走例も多く、ボコついた馬場もOK。序盤のダッシュ力を活かして、好位の比較的馬場の良い外を選んで走れば、勝負になると思います。オッズ妙味もあるので「馬連」で買います。相手本線は立て直したエターナルタイム、アグリを。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬連 |
各2,000円(計4,000円)
|
馬連 |
各1,000円(計5,000円)
|
馬連 (押さえ) |
1,000円
|
合計 | 10,000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。