東京新聞杯(G3)
東京11R 芝1600m 15時45分発走
東京の芝はDコース使用の開催2週目。ダート戦も多く組まれている厳寒期で、芝の内寄りの傷みの進みは例年通りに少ないです。土曜9R・春菜賞(芝1400m)はレース前半3F35秒2~同後半3F33秒7のSペース。内の悪化が進んでいない分、経済コースを通るのが有利なだけに、これだけペースが落ち着くと、完全に「内&前主導」のレースになります。逃げた1番人気クランフォードが②着に粘り、2番手追走の2番人気オメガウインクが差す典型的な先行馬決着となりました。
ちなみに、過去10年の東京新聞杯優勝馬の馬番は7番、6番、6番、2番、8番、2番、1番、10番、11番、昨年優勝したウインカーネリアンが2番。この間、優勝馬の平均馬番は「5.5番」で、行くにしても差すにしても内枠有利の傾向。
この間、逃げ切り勝ちは昨年ウインカーネリアンを含めて3頭。ペースが落ち着くとみれば、内優位の馬場も手伝って、先行勢が活躍します。ただし、今年は昨年のような緩い流れに果たしてなるのでしょうか?
過去10年の優勝馬のステップは、意外なほど偏っています。
3勝クラスを勝ったばかりの馬が4頭と大活躍していますが、今年はこのパターンの馬がいません。エリザベス女王杯からの直行組も不在。京都金杯は1勝、②着2頭、③着3頭、④着以下28頭と馬券圏内好走もいる半面、着外も多いです。2勝のマイルCS組は、今年はジャスティンカフェが該当。ターコイズS、オープン特別組はまったくの不振。
問題は土曜時点では1番人気のマスクトディーヴァ。2022年②着ファインルージュが、秋華賞②着から好走した例はあるのですが、ファインルージュは東京芝1400mで白星実績があり、芝1600mでフェアリーS優勝の重賞勝ち実績もありました。マスクトディーヴァはマイル初挑戦のうえに関東遠征自体が初めて。乗り越えるべきハードルは高く映ります。
昨年の東京新聞杯は58キロを背負ったウインカーネリアンの逃げ切り勝ち。レース前半3F34秒4~同後半3F34秒7の絶妙な平均ペースで押し切りました。さて、今年の展開は?
京都金杯で久々に先手を主張したドルチェモア。ターコイズSは中山マイルの外枠で行けなかったコナコースト。7枠のサウンドビバーチェ、トゥードジボンも控えて差すタイプではなく、できれば前が欲しいでしょう。前走で前付けしたホウオウビスケッツの出方も微妙で、昨年の東京新聞杯よりは速めのラップで推移するかもしれません。
また、一部予報機関では東京では日曜午前に「雨予報」も出ています。極端な馬場悪化はないかもしれませんが、当日の天気には注意したいところです。
先週のシルクロードSは過去の傾向的には「内枠有利」なのに、今年のイン荒れの京都の芝状況を意識しすぎたことで、外枠17番のオタルエバーを推して、ご迷惑をかけました。今週は日曜午前の雨予報は多少気になりますが、過去の傾向通りに「内枠優位」とみて、推理は組み立てました。
本命に推したジャスティンカフェは馬群を縫う競馬を近走でマスターしていて、極端なスローが考えにくい今回のメンバー構成では着実に上位にくる見立てです。相手妙味は猛暑だった京成杯AH(⑨着)以外は堅実に走っているアスクコンナモンダ。叩き2~3戦目のダノンタッチダウン、フリームファクシはローテ的に上積みが見込めるだけに「穴」で組み入れます。②着も多い成績を考慮して「馬連」で。
東京11R 芝1600m 15時45分発走
馬番 | 印 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 |
1 | サクラトゥジュール | 牡7 | 57 | キング | |
2 | ○ | アスクコンナモンダ | 牡5 | 57 | 横山武 |
3 | ドルチェモア | 牡4 | 57 | 石橋 | |
4 | ルージュリナージュ | 牝5 | 55 | 横山和 | |
5 | △ | ウインカーネリアン | 牡7 | 58 | 三浦 |
6 | ☆ | マスクトディーヴァ | 牝4 | 56 | 岩田望 |
7 | ◎ | ジャスティンカフェ | 牡6 | 58 | 坂井 |
8 | ホウオウビスケッツ | 牡4 | 57 | 岩田康 | |
9 | ▲ | ウンブライル | 牝4 | 55 | ルメール |
10 | △ | ダノンタッチダウン | 牡4 | 57 | 北村友 |
11 | △ | マテンロウスカイ | セ5 | 57 | 横山典 |
12 | コナコースト | 牝4 | 55 | 戸崎 | |
13 | トゥードジボン | 牡5 | 57 | 藤岡佑 | |
14 | サウンドビバーチェ | 牝5 | 56 | 浜中 | |
15 | フリームファクシ | 牡4 | 58 | 菅原明 | |
16 | △ | アヴェラーレ | 牝6 | 56 | キングスコート |
【馬場状態】
東京の芝はDコース使用の開催2週目。ダート戦も多く組まれている厳寒期で、芝の内寄りの傷みの進みは例年通りに少ないです。土曜9R・春菜賞(芝1400m)はレース前半3F35秒2~同後半3F33秒7のSペース。内の悪化が進んでいない分、経済コースを通るのが有利なだけに、これだけペースが落ち着くと、完全に「内&前主導」のレースになります。逃げた1番人気クランフォードが②着に粘り、2番手追走の2番人気オメガウインクが差す典型的な先行馬決着となりました。
ちなみに、過去10年の東京新聞杯優勝馬の馬番は7番、6番、6番、2番、8番、2番、1番、10番、11番、昨年優勝したウインカーネリアンが2番。この間、優勝馬の平均馬番は「5.5番」で、行くにしても差すにしても内枠有利の傾向。
この間、逃げ切り勝ちは昨年ウインカーネリアンを含めて3頭。ペースが落ち着くとみれば、内優位の馬場も手伝って、先行勢が活躍します。ただし、今年は昨年のような緩い流れに果たしてなるのでしょうか?
【ステップの傾向】
過去10年の優勝馬のステップは、意外なほど偏っています。
前走 | 頭数 | 該当馬 |
エリザベス女王杯 | 3頭 | 2014年ホエールキャプチャ 2016年スマートレイアー 2018年リスグラシュー |
マイルCS | 2頭 | 2020年プリモシーン 2023年ウインカーネリアン |
3勝クラス①着馬 | 4頭 | 2015年ヴァンセンヌ 2019年インディチャンプ 2021年カラテ 2022年イルーシヴパンサー |
京都金杯 | 1頭 | 2017年ブラックスピネル |
3勝クラスを勝ったばかりの馬が4頭と大活躍していますが、今年はこのパターンの馬がいません。エリザベス女王杯からの直行組も不在。京都金杯は1勝、②着2頭、③着3頭、④着以下28頭と馬券圏内好走もいる半面、着外も多いです。2勝のマイルCS組は、今年はジャスティンカフェが該当。ターコイズS、オープン特別組はまったくの不振。
問題は土曜時点では1番人気のマスクトディーヴァ。2022年②着ファインルージュが、秋華賞②着から好走した例はあるのですが、ファインルージュは東京芝1400mで白星実績があり、芝1600mでフェアリーS優勝の重賞勝ち実績もありました。マスクトディーヴァはマイル初挑戦のうえに関東遠征自体が初めて。乗り越えるべきハードルは高く映ります。
【展開】
昨年の東京新聞杯は58キロを背負ったウインカーネリアンの逃げ切り勝ち。レース前半3F34秒4~同後半3F34秒7の絶妙な平均ペースで押し切りました。さて、今年の展開は?
京都金杯で久々に先手を主張したドルチェモア。ターコイズSは中山マイルの外枠で行けなかったコナコースト。7枠のサウンドビバーチェ、トゥードジボンも控えて差すタイプではなく、できれば前が欲しいでしょう。前走で前付けしたホウオウビスケッツの出方も微妙で、昨年の東京新聞杯よりは速めのラップで推移するかもしれません。
また、一部予報機関では東京では日曜午前に「雨予報」も出ています。極端な馬場悪化はないかもしれませんが、当日の天気には注意したいところです。
【有力馬・気になる馬の評価】
◎⑦ジャスティンカフェ
昨年の東京新聞杯(④着)はメンバー最速の上がり3Fで伸びましたが、勝ち馬ウインカーネリアンとは0秒1差の惜敗。前走・マイルCS(③着)は位置を取って伸びていました。6歳にはなりましたが、昨年より地力アップは明白。仮に雨が降っても問題ありません。現状、東京マイルはベスト条件。流れてくれれば、昨年以上に走れそうです。○②アスクコンナモンダ
前走・キャピタルS(③着)は前2頭で決まる緩ペースで上がり3Fはメンバー3位。オープン特別からの参戦は直結しませんが、昨年2月の東京2勝クラス(②着)では勝ち馬エターナルタイム(今年のシルクロードS③着)に続き、結構強い相手とやってきています。2走前の京成杯AH(⑨着)は猛暑も影響したものでしょう。調教の動きも抜群で、前走以上が見込める今回は一発の資格十分。▲⑨ウンブライル
2歳時は制御に難しい面はあったようですが、昨春は脚を温存して、それを終いに活かす形ができました。かなり乗り込んでいて、性格的にはむしろ休み明けの今回の方が使い込むより良い可能性。ルメール騎手を再び配して、展開的にも差し展開がありそうなメンバー構成。押さえておきたい1頭。☆⑥マスクトディーヴァ
ローズS(阪神芝外1800m)が1分43秒0の好時計勝ち。マイルをこなせる下地はあるのですが、今回に限っては初の関東遠征、初めて背負う56キロ、さらに初の東京コースは鍵になります。脚質的にはここも差す競馬でしょう。前が速そうなレース展開で、内寄りの枠から、どの位置で折り合うのか。馬群をさばけるかもポイントに。△⑤ウインカーネリアン
58キロを背負って逃げ切った昨年は見事でした。ただし、ラストの決め手に欠ける面があり、Sペースに落としすぎても微妙で、逆に飛ばしすぎても微妙な脚質。同型馬が昨年よりも多いのも鍵。「枠」はいいのですが、あくまでも②、③着候補の1頭とします。△⑩ダノンタッチダウン
昨秋の富士S(⑪着)は自らハイペースの逃げ。前走・京都金杯は今開催の京都の緩い芝で道中ノメって力を発揮できませんでした。日曜午前に予想されている雨が降ってしまうと厳しいですが、今の東京のパンパンの良馬場が維持できれば、一変も十分。△⑪マテンロウスカイ
ここ3戦はOP特別を走ってきましたが、昨年6月のエプソムCは③着で見せ場。前走・リゲルSは2番手で折り合って、着差以上に中味の濃い内容でした。好位で折り合うレースが板についてきているので、今回のオッズなら買う価値はあります。△⑮フリームファクシ
京都金杯(⑤着)は内伸び馬場。外寄り17番枠は有利とは言えませんでしたが、位置を取って粘り強く走れました。力む面がある分、現状マイル向きでしょう。58キロは楽ではありませんが、前走以上に流れて、折り合いがスムーズになりそうなここは穴で警戒。①サクラトゥジュール
1分31秒7の持ち時計は3歳春(東京芝1600m)に計時したもの。オープン特別では善戦できますが、重賞の壁は現状厚いでしょう。⑫コナコースト
桜花賞②着は光りますが、オークス、秋華賞の挑戦は結果的に厳しかった印象。動きは間に合った形ですが、昨春ほどはうなっていない印象。同型馬が多い点も含めて試練とみます。⑬トゥードジボン
個人的には京都金杯(③着)で無印で痛い目に遭いました。好位で粘れる競馬ができるとは想定していませんでした。ただ、今回は前走以上に先行馬が強力。東京未経験は鍵に。⑯アヴェラーレ
京都金杯は内伸び状況下の不運な大外枠。今回はまだ芝の内が悪化していない状況で別の意味で不運な大外枠になりました。関屋記念(①着)は2番枠を活かしての好立ち回り。今回は枠的に好走するイメージが浮かびません。別定56キロも厳しいでしょう。【決断馬券】
先週のシルクロードSは過去の傾向的には「内枠有利」なのに、今年のイン荒れの京都の芝状況を意識しすぎたことで、外枠17番のオタルエバーを推して、ご迷惑をかけました。今週は日曜午前の雨予報は多少気になりますが、過去の傾向通りに「内枠優位」とみて、推理は組み立てました。
本命に推したジャスティンカフェは馬群を縫う競馬を近走でマスターしていて、極端なスローが考えにくい今回のメンバー構成では着実に上位にくる見立てです。相手妙味は猛暑だった京成杯AH(⑨着)以外は堅実に走っているアスクコンナモンダ。叩き2~3戦目のダノンタッチダウン、フリームファクシはローテ的に上積みが見込めるだけに「穴」で組み入れます。②着も多い成績を考慮して「馬連」で。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬連 |
各2,000円(計4,000円)
|
馬連 |
各1,000円(計5,000円)
|
馬連 (押さえ) |
各500円(計1,000円)
|
合計 | 10,000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。