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3/31  大阪杯(G1)
阪神11R 芝2000m 15時40分発走予定

目次
  1. 大阪杯の傾向
  2. 主要ステップ
  3. 世代別&東西別成績
  4. 土曜の馬場傾向
  5. 予想印入り出走表
  6. 有力馬・気になる馬の評価(無印含め12頭を解説)
  7. 万哲の決断馬券(買い目)

【大阪杯の傾向】


G1に昇格した2017年以降は「前&内優位」の傾向が加速。2021年のレイパパレ(重馬場でしたが)、昨年のジャックドールが純粋な逃げ切り勝ち。2017年のキタサンブラックは逃げたマルターズアポジー、2番手追走ロードヴァンドールを好位追走から視界に入れて悠々と追走し、最終4コーナー2番手からあっさり抜け出しました。2020年の優勝馬ラッキーライラックは好位3番手追走、最終4コーナー5番手からのイン差し。とにかく、器用さが問われるレースです。

その一方で、阪神芝内回りの2000mだからこそ、従来の戦法とは変えて勝負する馬がいるのもまた大阪杯の特徴。2018年に1番人気に推されたスワーヴリチャードは、最初の2コーナーでは15番手にいたのに、向正面で「大マクリ」に出て、最終3コーナー先頭からそのまま押し切りました。2022年に8番人気で①着と激走したポタジェは、直前の金鯱賞(④着)は最終4コーナー12番手からの追い込み競馬。それが、大阪杯では好位5番手を追走して、最後はレイパパレとの叩き合いを制し、アリーヴォの追い込みを封じました。

G1昇格後の過去7回では、2019年アルアインが9番人気、2022年ポタジェが8番人気の人気薄で優勝。この2頭は、いずれも好位に付けて運びました。普段から器用に立ち回っている馬で、比較的気楽に動ける立場の馬には注意が必要です。

【主要ステップ】


金鯱賞が[3.2.1.21]、有馬記念が[2.2.0.6]、中山記念が[2.1.2.16]。※データは2014年以降。

香港C(昨年ジャックドール)や、G1昇格前には凱旋門賞(2014年キズナ)からのイレギュラーな優勝例もありますが、例えば京都記念(②着3回が最高)は善戦止まりとなっており、意外なほどステップは偏っているのが特徴。

今年もトップホースのドバイ遠征により、メンバーレベルが低下している感はあります。とはいえ、牝馬限定の愛知杯(今年はミッキーゴージャスが該当)や、小倉大賞典や中山金杯などは格の問題もあって、直結ローテとは言えません。むしろ、前述3重賞(金鯱賞、有馬記念、中山記念)の「負け組」の方が良いぐらいです。

【世代別&東西別成績】


今年の明け4歳の世代レベルはさておき、大阪杯はG1昇格前も含め、過去10年では4歳と5歳しか優勝できていません。古馬G1では極めて珍しいです。

【大阪杯の馬齢別成績】
4歳 [4.4.6.27]
5歳 [6.4.3.31]
6歳 [0.1.1.25]
7歳以上 [0.1.0.21]
※データは2014年以降。

今年のメンバーは4歳、5歳が主力で、6歳以上は3頭しかいませんが、例えば6歳のステラヴェローチェにとっては厳しいデータとなります。

ちなみに東西別成績は、関東馬[0.1.1.31]、関西馬[10.9.9.73]となっており、関西馬が圧倒的なのも特徴。ただし、今年は関西の有力馬が多数ドバイに遠征しているので、個人的に「今年も関東馬はアウト」とは決めつけていません。

1番人気は現在5連敗中というのも、大阪杯の意識したいポイント。

【土曜の馬場傾向】


今週の阪神はBコース替わり1週目。内柵で先週までに傷んだ部分がカバーされ、例年だと「内有利」になる週です。さて、土曜の傾向はどうだったでしょうか?

3R・3歳未勝利戦(芝1800m)は馬番18番のエマロアが果敢に逃げて押し切ったので、完全に「内&前有利」の傾向が続くと思っていました。

ところが、6R・4歳上1勝クラス(芝1800m)は馬群を割ったグランデサラスが競り勝ちましたが、このレースは内と外の差し比べの攻防。10R・仲春特別(芝1200m)は4コーナー13番手の5番人気タツダイヤモンドが大外一気。②着も同10番手から伸びたガリレイで「差し、差し決着」。

ということで、土曜日の実際の結果から見ると、例年ほど「内有利」ではありませんでした。

【予想印入り出走表 】


大阪杯(G1)
阪神11R 芝2000m 15時40分発走予定
馬番 馬名 性齢 斤量 騎手
1 ミッキーゴージャス 牝4 56 M.デムーロ
2 ローシャムパーク 牡5 58 戸崎
3 タスティエーラ 牡4 58 松山
4 ハヤヤッコ 牡8 58
5 スタニングローズ 牝5 56 西村淳
6 ジオグリフ 牡5 58 北村宏
7 ハーパー 牝4 56 岩田望
8 プラダリア 牡5 58 池添
9 ステラヴェローチェ 牡6 58 酒井
10 ソールオリエンス 牡4 58 横山武
11 ベラジオオペラ 牡4 58 横山和
12 キラーアビリティ 牡5 58 北村友
13 ルージュエヴァイユ 牝5 56 菅原明
14 エピファニー 牡5 58 杉原
15 リカンカブール 牡5 58 津村
16 カテドラル 牡8 58 藤岡康

【有力馬・気になる馬の評価】


◎⑩ソールオリエンス

阪神芝内回り2000mへ対応すべく、あえて不向きに見える中山の内回り1800mの中山記念(④着)で使ったと思われることを、逆に評価したいです。しかも、今年の中山記念は雨が降りしきる中でも、開催1週目のAコースで「内寄り」の馬場が絶好すぎました。外差しがパターンのソールオリエンスにはかなり厳しい設定だったでしょう。それでも、最後は上がり3F最速で伸びて底力を証明しました。

中間の調教でも着用したブリンカー効果は正直なところ測りかねる面はありますが、少しでも前進気勢が増して、中団辺りが取れるようなら、中山よりは長い阪神内回りの直線も味方となるはず。距離的にも2000mは皐月賞Vもありベストであることは言うまでもないはず。重馬場の皐月賞を勝っていますが、本質はパンパンの良馬場でこその切れ者でしょう。決め手勝負なら、人気のタスティエーラローシャムパークよりも上と見ます。中山記念が直結ローテなのも好感。

○⑪ベラジオオペラ

ロードカナロア産駒らしく操縦性に富んでいて、京都記念(②着)は良馬場発表でも、当日のボコボコしていた京都の芝が響いたと見ています。2走前のチャレンジC(①着)で阪神芝内回り2000mの適性は証明しました。問題は多少、外寄りの枠になってしまった点。最初の1コーナーまでにある程度の位置が取れれば好勝負でしょう。

▲②ローシャムパーク

小回りの函館記念、そして中山のオールカマーで見せた機敏な立ち回りは光りました。一方で多少パワー色が濃くもあるので、さらに馬場が回復して「1分58秒台前半」の超高速決着になった時に果たしてどうか?という不安もあります。香港Cは出遅れが響きましたが、⑧着まで立て直したのはいいと思います。発馬を決めて、後手に回らない展開に持ち込めれば内枠も活きてくるはず。まずはスタートでしょう。

☆③タスティエーラ

増えて実が入ってきた馬体面の成長は目を見張ります。有馬記念からの直行ローテ自体は良いと思いますが、問題は距離短縮の対応でしょう。発馬を決めれば、ダービーのような好位付けは可能でしょうが、父サトノクラウン、母父マンハッタンカフェと多少パワー色が濃く、スタミナ型の血統なので、速さ負け、切れ負けの不安もありそう。それでも、ドバイにG1馬が多数遠征した今回のメンバー構成なら、評価は落とせません。

△⑤スタニングローズ

人気的にも自在に立ち回れる立場でしょう。阪神芝内回り2000mの秋華賞を勝っている事実は評価できます。性格的にも使い込むよりはフレッシュな時が走ると見ます。問題は腱周囲炎で順調さを欠いて、久々になる点。舞台設定の強みを買って良いのか? 当日のパドック気配には注意したいと思います。

△⑥ジオグリフ

ソールオリエンス同様、皐月賞馬が頑張っている大阪杯の傾向から目が離せません。中山記念(③着)は時計の掛かる馬場も良かったかもしれませんが、復調の兆しを見せました。馬体的にも大きく見せて、頑張っていました。栗東入りしての挑戦。2000mまでは守備範囲でしょう。オッズ的にも「単勝25倍前後」つくようなら、馬連、3連系で押さえたいです。

△⑦ハーパー

個人的には昨年の秋華賞(③着)で本命に推しました。いかにも、阪神芝内回りの機動型脚質。ただ、3歳時点では決め手には限界があり、馬券的には「②、③着タイプ」でした。今年の大阪杯は逃げ、先行馬が少ない半面、ハーパーが取りたいであろう位置(3~6番手)は、結構ごちゃつく可能性があります。好位がすんなり取れる確率は50%とみて馬券は押さえますが、意外に「取り合い」になる恐れも。

△⑧プラダリア

G1だと善戦止まりとなっていますが、今回の大阪杯はドバイ遠征組の不在により与し易いメンバー構成。雨が残れば単まで考えました。ただ、日曜はもっと高速馬場になると思います。よって、定位置の②、③着で。

 ①ミッキーゴージャス

額面上の時計は昨年の夕月特別の1分58秒8で十分ですが、当時は53キロの利がありました。定量戦のG1で56キロ。牡馬相手の一線級が揃ったここでは、目に見えない「格」で劣ると考えます。

 ④ハヤヤッコ

週中の雨が残って欲しかったのが本音ではないでしょうか。金鯱賞(④着)は最大限の力を出し切った結果と見ます。日曜は土曜以上に馬場が回復して、時計も求められるでしょう。「1分58秒台前半」の決着が濃厚なだけに、ここでは「見送り」とします。

 ⑨ステラヴェローチェ

展開的には「逃げ想定」で、オッズ上もそこそこ人気になっています。ただ、前走・大阪城Sは枠順の利や相手関係で今回よりははるかに条件が揃っていたと思います。オープン特別やG3をステップにした馬が案外好走できていないのが大阪杯の特徴。元値を考えれば通じる力はあると思いますが、「内&前有利」を意識する各馬の早仕掛けもありそうなので無印としました。

 ⑬ルージュエヴァイユ

昨年のエリザベス女王杯(②着)は内枠も活かした最高の立ち回り。京都記念はボコボコした馬場など敗因もあったと思いますが、それでも牡馬一線級相手では差を感じました。

【万哲の決断馬券】


ソールオリエンスは決して「穴馬」ではありません。ただ、土曜オッズでは単勝7倍前後。5、6番人気想定は実績を考えれば妙味があります。

個人的には「単勝勝負」。ただ、このオッズで買えるなら、差し届かずの②着で保険をかけて、勝負します。

券種・買い方 組み合わせ・点数
馬連
⑩-②③⑪
各2,000円(計6,000円)
馬連
⑩-⑤⑥⑦⑧
各1,000円(計4,000円)
合計 10,000円
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。

記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。

【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。


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