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日本ダービー(G1)
東京11R 芝2400m 15時40分発走予定
日本ダービーは2019年に12番人気のロジャーバローズが激走して勝ちましたが、基本的には人気上位馬が強いレース。ロジャーバローズを除けば、過去10年の優勝馬は1~5番人気から出ています。
1番人気から5番人気までで、①着9頭、②着10頭、③着4頭。ただし、1番人気は決して強くなく、1~5番人気あたりまで①、②着馬に関してはそう差はありません。③着で、ようやく6番人気以下の穴馬が入ってくるのが近年のパターン。3連系で買う時は1~5番人気の見極めや序列は大きな鍵になってきます。
臨戦ステップ的にはご存じの通り、王道の「皐月賞組」が断然強いです。過去10年は以下の通り。
優勝馬が出ている臨戦は、皐月賞、京都新聞杯、毎日杯の3重賞からに限られていて、京都新聞杯からは同レース②着だった2019年ロジャーバローズがダービー優勝。毎日杯からは「1分43秒9」の好時計で勝ち上がってダービーも制した2021年シャフリヤールがいます。
残り8頭は皐月賞組です。その優勝馬8頭の皐月賞での成績は、皐月賞①着2頭、同②着2頭、同③着1頭、同④着1頭、同⑤着1頭、同⑦着1頭(2018年ワグネリアン)。
別路線からの好走は最高でも③着まで。皐月賞上位馬が強く…といって、必ずしも皐月賞①着馬が強いわけではない点は注意。「皐月賞①~⑤着」あたりまでは、優勝の可能性があるのが近年の傾向。ダービー当日人気も、皐月賞着順も「1~5」の上げ下げ、序列が大事にはなってきます。
レコード決着になった皐月賞のレベルが高いと見ています。ただ、皐月賞当日の中山の芝は好時計が続出して、古馬2勝クラスの8R・野島崎特別(芝2000m、牝馬限定)で1分58秒2(勝ち馬エンパイアウエスト)が出ているので、皐月賞の「1分57秒台突入」は当日の馬場を考えれば、想定内でした。
優勝したジャスティンミラノは、勝ちに行ったジャンタルマンタルを最後ねじ伏せて1分57秒1。時計が出やすい馬場とはいっても、春の連続開催8週目の中山では、なかなか出ない数字です。③着ジャンタルマンタルが、NHKマイルCで優勝した点でも価値はあります。
注意したいのは「高速馬場」になった時の中山芝は、物理的に後方差しが決まりにくい点です。中山の最後の直線は310mしかありません。例えば、2002年にノーリーズンが最終4コーナー6番手から抜け出して1分58秒5の好時計。②着タイガーカフェは4コーナー3番手からの粘り込みでした。4コーナー14番手のタニノギムレットは追い込んだものの③着が精一杯。ただし、ダービーでは見事に勝ちました。
2004年ダイワメジャーが1分58秒5で勝った時は、4コーナー2番手からの抜け出し。②着コスモバルクは4コーナー5番手。後にダービーで②着に入るハーツクライは、皐月賞では4コーナー11番手からまったく伸び切れませんでした(⑭着)。
そう考えると、皐月賞で4コーナー8番手の外から伸びて②着のコスモキュランダはもちろん、4コーナー10番手④着のアーバンシック、4コーナー13番手⑥着のレガレイラは、前が止まりにくい当時の馬場による敗戦ともいえます。
皐月賞自体の過去4年は「重めの馬場」で底力勝負になった分、東京コースに直結しやすい中団~後方差し馬が上位にきましたが、今年の皐月賞は「軽めの馬場」だった分、差し馬に辛い設定だったのは考慮したいです。
本番に直結しにくい他馬のステップも回顧します。
シュガークンが勝った青葉賞は全体的に緩い流れで、2分24秒2は地味。ダービーでは間違いなく「2分23秒台前半」は要求されるでしょう。②着ショウナンラプンタ(東スポ杯④着、ホープフルS⑦着)を物差しにしても、ダービーで勝ち負けできるレベルとはいえないと思います。
問題は他の2ステップ。ダノンエアズロックが勝ったプリンシパルSは、相手は実質1勝クラスでメンバーレベルは低調。勝ち時計1分59秒6も特に目立たないのですが、弥生賞⑦着から立て直す過程の中、楽に勝ち切れた点は評価できます。ただ、皐月賞上位組との「横比較」は難しいです。
同じことはシックスペンスが楽勝したスプリングSにもいえます。②着アレグロブリランテ(皐月賞⑮着)相手に3馬身半差で、上手に折り合って楽に抜け出した点は文句なしなのですが、果たして皐月賞上位組に入ってどうか? という疑念は残ります。王道組との「経験値」の差が、やはり本番では出てくることでしょう。
展開は鍵になります。逃げ候補のメイショウタバルが出走取消。皐月賞では同馬が緩みないラップを刻んだことで底力勝負になりましたが、今回は先行候補が1頭減って、最近のダービーに多い「Sペース」の上がり勝負も十分ありえます。昨年のようなレース前半5Fが60秒4~後半5Fが59秒6の緩ペース。4番手で折り合って先に抜けたタスティエーラの「位置取り勝ち」になったパターンです。
コントレイルが優勝した2020年も、Sペースからの上がり勝負。道中の折り合いをつけて4コーナー4番手にいた時点で、コントレイルの優勝は約束されていました。道中の制御面や操作性が問われる流れは十分あります。その一方で、先週オークスのように飛ばす馬が突然出現する可能性もまったくないとはいえませんが…。
大方の予測では、武豊騎手のシュガークンが逃げ、前付けの操縦性に問題がないシックスペンス、ジャスティンミラノあたりの先導。そうなれば「前有利の瞬発力勝負」で後方組は辛くなりますが…。前有利とみれば、新馬戦では逃げたサンライズアース、超スローのプリンシパルSで、好位で折り合ったダノンエアズロック、さらにはミスタージーティーも直近2走のイメージならある程度の位置を取ってくるかもしれません。
弥生賞ではマクって動いたコスモキュランダ、マイルが主戦場だったゴンバデカーブースも2400mだと「自然先行」になる可能性も。読みにくい展開は、じっくり考えていただければと思います。
例年通り、ダービーはCコース替わり1週目。内&前優位になるのが通常ですが、土曜の芝のレースは差しも結構決まっていました。
特に3R・3歳未勝利戦(芝1400m)は、序盤の最後方に近い位置から大外一気を決めた、8番人気ララマセラシオンには驚きました。
10R・葉山特別(芝1600m)は、レース前半3F34秒5~後半3F35秒5の締まった流れ。展開の助けもありましたが、2番人気バトルハーデンが4コーナー8番手から届きました。勝ち時計1分32秒4は、2勝クラスとしては水準以上。それなりに流れれば、皐月賞同様に「時計対応力」が問われる馬場になります。馬場傾向からも、実際に皐月賞で速い時計に対応した皐月賞上位組に利はあるでしょう。
日本ダービー(G1)
東京11R 芝2400m 15時40分発走予定
母サザンスピードは2400mの豪G1勝ち馬で、スタミナ面の不安はないはず。課題はSペースからの瞬発力勝負になった時とゲートでしょう。課題のゲートを出て、初手から「好位」が取れるようなら理想的。道中で動く弥生賞のような「早めマクり」は乱暴なので直結しにくいですが、早仕掛けレースで結果を出している点も裏芸としては魅力があります。
コスモキュランダは土曜夕方段階では5番人気(単勝12倍前後)。皐月賞②着馬がこのオッズで買えるのなら妙味もあります。粘り強く、相手なりに走れる根性も評価して、馬連で勝負します。
東京11R 芝2400m 15時40分発走予定
目次
- 人気馬の見極めは大事
- やっぱり皐月賞組
- 今年の皐月賞で注意すべき点は?
- 他のステップのレベルは?
- 展開想定
- 土曜の芝傾向
- 予想印入り出走表
- 有力馬・気になる馬の評価(無印含め17頭全馬を解説)
- 万哲の決断馬券(買い目)
【人気馬の見極めは大事】
日本ダービーは2019年に12番人気のロジャーバローズが激走して勝ちましたが、基本的には人気上位馬が強いレース。ロジャーバローズを除けば、過去10年の優勝馬は1~5番人気から出ています。
人気 | 着別度数 |
1番人気 | [2.3.2.3] |
2番人気 | [1.3.1.5] |
3番人気 | [3.2.1.4] |
4番人気 | [2.1.0.7] |
5番人気 | [1.1.0.8] |
6番人気以下 | [1.0.6.121] |
1番人気から5番人気までで、①着9頭、②着10頭、③着4頭。ただし、1番人気は決して強くなく、1~5番人気あたりまで①、②着馬に関してはそう差はありません。③着で、ようやく6番人気以下の穴馬が入ってくるのが近年のパターン。3連系で買う時は1~5番人気の見極めや序列は大きな鍵になってきます。
【やっぱり皐月賞組】
臨戦ステップ的にはご存じの通り、王道の「皐月賞組」が断然強いです。過去10年は以下の通り。
前走 | 着別度数 |
皐月賞 | [8.9.6.70] |
京都新聞杯 | [1.1.0.18] |
毎日杯 | [1.0.0.7] |
青葉賞 | [0.0.3.19] |
プリシンパルS | [0.0.1.8] |
優勝馬が出ている臨戦は、皐月賞、京都新聞杯、毎日杯の3重賞からに限られていて、京都新聞杯からは同レース②着だった2019年ロジャーバローズがダービー優勝。毎日杯からは「1分43秒9」の好時計で勝ち上がってダービーも制した2021年シャフリヤールがいます。
残り8頭は皐月賞組です。その優勝馬8頭の皐月賞での成績は、皐月賞①着2頭、同②着2頭、同③着1頭、同④着1頭、同⑤着1頭、同⑦着1頭(2018年ワグネリアン)。
別路線からの好走は最高でも③着まで。皐月賞上位馬が強く…といって、必ずしも皐月賞①着馬が強いわけではない点は注意。「皐月賞①~⑤着」あたりまでは、優勝の可能性があるのが近年の傾向。ダービー当日人気も、皐月賞着順も「1~5」の上げ下げ、序列が大事にはなってきます。
【今年の皐月賞で注意すべき点は?】
レコード決着になった皐月賞のレベルが高いと見ています。ただ、皐月賞当日の中山の芝は好時計が続出して、古馬2勝クラスの8R・野島崎特別(芝2000m、牝馬限定)で1分58秒2(勝ち馬エンパイアウエスト)が出ているので、皐月賞の「1分57秒台突入」は当日の馬場を考えれば、想定内でした。
優勝したジャスティンミラノは、勝ちに行ったジャンタルマンタルを最後ねじ伏せて1分57秒1。時計が出やすい馬場とはいっても、春の連続開催8週目の中山では、なかなか出ない数字です。③着ジャンタルマンタルが、NHKマイルCで優勝した点でも価値はあります。
注意したいのは「高速馬場」になった時の中山芝は、物理的に後方差しが決まりにくい点です。中山の最後の直線は310mしかありません。例えば、2002年にノーリーズンが最終4コーナー6番手から抜け出して1分58秒5の好時計。②着タイガーカフェは4コーナー3番手からの粘り込みでした。4コーナー14番手のタニノギムレットは追い込んだものの③着が精一杯。ただし、ダービーでは見事に勝ちました。
2004年ダイワメジャーが1分58秒5で勝った時は、4コーナー2番手からの抜け出し。②着コスモバルクは4コーナー5番手。後にダービーで②着に入るハーツクライは、皐月賞では4コーナー11番手からまったく伸び切れませんでした(⑭着)。
そう考えると、皐月賞で4コーナー8番手の外から伸びて②着のコスモキュランダはもちろん、4コーナー10番手④着のアーバンシック、4コーナー13番手⑥着のレガレイラは、前が止まりにくい当時の馬場による敗戦ともいえます。
皐月賞自体の過去4年は「重めの馬場」で底力勝負になった分、東京コースに直結しやすい中団~後方差し馬が上位にきましたが、今年の皐月賞は「軽めの馬場」だった分、差し馬に辛い設定だったのは考慮したいです。
【他のステップのレベルは?】
本番に直結しにくい他馬のステップも回顧します。
シュガークンが勝った青葉賞は全体的に緩い流れで、2分24秒2は地味。ダービーでは間違いなく「2分23秒台前半」は要求されるでしょう。②着ショウナンラプンタ(東スポ杯④着、ホープフルS⑦着)を物差しにしても、ダービーで勝ち負けできるレベルとはいえないと思います。
問題は他の2ステップ。ダノンエアズロックが勝ったプリンシパルSは、相手は実質1勝クラスでメンバーレベルは低調。勝ち時計1分59秒6も特に目立たないのですが、弥生賞⑦着から立て直す過程の中、楽に勝ち切れた点は評価できます。ただ、皐月賞上位組との「横比較」は難しいです。
同じことはシックスペンスが楽勝したスプリングSにもいえます。②着アレグロブリランテ(皐月賞⑮着)相手に3馬身半差で、上手に折り合って楽に抜け出した点は文句なしなのですが、果たして皐月賞上位組に入ってどうか? という疑念は残ります。王道組との「経験値」の差が、やはり本番では出てくることでしょう。
【展開想定】
展開は鍵になります。逃げ候補のメイショウタバルが出走取消。皐月賞では同馬が緩みないラップを刻んだことで底力勝負になりましたが、今回は先行候補が1頭減って、最近のダービーに多い「Sペース」の上がり勝負も十分ありえます。昨年のようなレース前半5Fが60秒4~後半5Fが59秒6の緩ペース。4番手で折り合って先に抜けたタスティエーラの「位置取り勝ち」になったパターンです。
コントレイルが優勝した2020年も、Sペースからの上がり勝負。道中の折り合いをつけて4コーナー4番手にいた時点で、コントレイルの優勝は約束されていました。道中の制御面や操作性が問われる流れは十分あります。その一方で、先週オークスのように飛ばす馬が突然出現する可能性もまったくないとはいえませんが…。
大方の予測では、武豊騎手のシュガークンが逃げ、前付けの操縦性に問題がないシックスペンス、ジャスティンミラノあたりの先導。そうなれば「前有利の瞬発力勝負」で後方組は辛くなりますが…。前有利とみれば、新馬戦では逃げたサンライズアース、超スローのプリンシパルSで、好位で折り合ったダノンエアズロック、さらにはミスタージーティーも直近2走のイメージならある程度の位置を取ってくるかもしれません。
弥生賞ではマクって動いたコスモキュランダ、マイルが主戦場だったゴンバデカーブースも2400mだと「自然先行」になる可能性も。読みにくい展開は、じっくり考えていただければと思います。
【土曜の芝傾向】
例年通り、ダービーはCコース替わり1週目。内&前優位になるのが通常ですが、土曜の芝のレースは差しも結構決まっていました。
特に3R・3歳未勝利戦(芝1400m)は、序盤の最後方に近い位置から大外一気を決めた、8番人気ララマセラシオンには驚きました。
10R・葉山特別(芝1600m)は、レース前半3F34秒5~後半3F35秒5の締まった流れ。展開の助けもありましたが、2番人気バトルハーデンが4コーナー8番手から届きました。勝ち時計1分32秒4は、2勝クラスとしては水準以上。それなりに流れれば、皐月賞同様に「時計対応力」が問われる馬場になります。馬場傾向からも、実際に皐月賞で速い時計に対応した皐月賞上位組に利はあるでしょう。
【予想印入り出走表 】
日本ダービー(G1)
東京11R 芝2400m 15時40分発走予定
馬番 | 印 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 |
1 | サンライズアース | 牡3 | 57 | 池添 | |
2 | ☆ | レガレイラ | 牝3 | 55 | ルメール |
3 | ジューンテイク | 牡3 | 57 | 岩田望 | |
4 | ビザンチンドリーム | 牡3 | 57 | 西村淳 | |
5 | △ | ダノンデサイル | 牡3 | 57 | 横山典 |
6 | ◎ | コスモキュランダ | 牡3 | 57 | M.デムーロ |
7 | ミスタージーティー | 牡3 | 57 | 藤岡佑 | |
8 | △ | アーバンシック | 牡3 | 57 | 横山武 |
9 | △ | ダノンエアズロック | 牡3 | 57 | モレイラ |
10 | サンライズジパング | 牡3 | 57 | 菅原明 | |
11 | シュガークン | 牡3 | 57 | 武豊 | |
12 | △ | シックスペンス | 牡3 | 57 | 川田 |
13 | ▲ | シンエンペラー | 牡3 | 57 | 坂井 |
14 | ゴンバデカーブース | 牡3 | 57 | 松山 | |
15 | ○ | ジャスティンミラノ | 牡3 | 57 | 戸崎 |
16 | メイショウタバル | 牡3 | 57 | 浜中 | |
17 | ショウナンラプンタ | 牡3 | 57 | 鮫島駿 | |
18 | エコロヴァルツ | 牡3 | 57 | 岩田康 |
※16番メイショウタバルは出走取消。
【有力馬・気になる馬の評価】
◎⑥コスモキュランダ
皐月賞(②着)も本命でした。課題はゲート内の駐立で、怪しい面も一瞬ありましたが、モレイラ騎手がうまく出して、4コーナー8番手の外から伸びた内容は評価していいと思います。優勝したジャスティンミラノとのクビ差は、2000mでの道中の追走力や4コーナーの位置取りの差でしょう。東京では新馬戦(⑫着)で負けていますが、長く脚を使うので、当時よりかなりパワーアップした今なら、広大なコースは合うとみます。母サザンスピードは2400mの豪G1勝ち馬で、スタミナ面の不安はないはず。課題はSペースからの瞬発力勝負になった時とゲートでしょう。課題のゲートを出て、初手から「好位」が取れるようなら理想的。道中で動く弥生賞のような「早めマクり」は乱暴なので直結しにくいですが、早仕掛けレースで結果を出している点も裏芸としては魅力があります。
○⑮ジャスティンミラノ
あえて不安な点を挙げれば、母が芝1000mのG1勝ち馬で、そこまで距離が延びていいのかというのが1点。メイショウタバルの出走取消で、自ら押し出されて2~3番手に行かされた時に、他馬の目標になってしまうのでは? という恐れもあります。やや外めの枠から、最初の1コーナーでどう入っていくか。逃げまで辞さない自然体先行で押し切ってしまうようなら脱帽です。▲⑮シンエンペラー
皐月賞(⑤着)は正攻法で動いて、上位3頭には離されましたが、地力は示しました。ただ頭が高い走法もあり、中山のゴール前の急坂で頭が上がってしまい、もうひと伸びを欠いた印象があります。また、皐月賞はもう一段状態面が上がり切っていなかったようにも思います。その点、先週までの調教過程にはかなり意欲を感じました。距離延長で、皐月賞よりも楽に1~2列前が取れるようなら、残り300mは平坦基調の東京コースですし、馬具効果によって頭が高くなってしまう欠点の軽減も、伸びに転化できる可能性は十分。最後にヨレてしまった昨年のホープフルS(②着)では、レガレイラと小差だった実績もあります。新馬Vの東京に戻って、パフォーマンスが上がる可能性は十分。☆②レガレイラ
皐月賞は位置取り負けでしょう。それでも、ホープフルS時からは「2秒以上」は時計を短縮した訳で、成長を感じました。それに、底力勝負になる中山のタフなコースは、ホープフルSで勝ってはいてもベストとはいえないはず。調教の緩いペースでも折り合える操作性の良さに加え、調教気配は一段上がっています。決め手の活きる東京コースで威力倍化はイメージできます。差しも利く今週の東京芝の傾向も良く、この内枠からどうやって外に出すかだけでしょう。前売り2番人気でオッズ妙味はないかもしれませんが、評価は下げられません。△⑤ダノンデサイル
京成杯は中団の外目で折り合って、着差以上に強い内容。馬体の素晴らしさも含めて、本格化は先かもしませんが、相当な能力を秘めていることは確かです。皐月賞の競走除外でオッズ妙味もあります。先週のCWコースではラスト1F11秒0。京都2歳Sではシンエンペラーと小差、京成杯ではアーバンシックに実際に先着。少なくともこの2重賞は青葉賞やスプリングSあたりと比べるとレースレベルは上々で、ここで買う価値はあります。△⑧アーバンシック
皐月賞上位組が直結するダービーの傾向からは外せません。しかも、大跳びな馬なのでコーナー部分の比重が大きい中山ではそれなりに頑張ってはいても、持ち味は活かし切れていないようでした。ご存じの通り、最終追い切りは破格の動き。唯一、Sペースになってしまった時に「後方追走」で位置負けする恐れはありますが、直線勝負でも東京ならフィットするとみて、買いたい馬です。△⑨ダノンエアズロック
プリンシパルSのレースレベル自体は高くないと思います。ただ、余力残しで楽に勝った点を評価。弥生賞(⑦着)をどう評価するかは微妙なのですが、その後に骨折が判明した点や、中山が合わないとみれば、ノーカウントともみます。何より、緩ペースで全体時計が問われない流れになった時に、操作性の良さや切れで台頭があっても不思議ではありません。△⑫シックスペンス
現状、速い全体時計を持っていないのはウイークポイントだと思います。半面、距離延長にも機敏に対応できる折り合い面の良さや、Sペースの上がり勝負になった時に「好位」にいるようなら、位置的な強みもあるでしょう。対して、激流になってしまうと、厳しい競馬を経験していない弱みが出てしまう恐れはありますが、ピッチが上がらないとみれば、買う価値はあります。①サンライズアース
皐月賞は出負け、4コーナーでは外に膨れて基準外。ただ、発馬の不安や「逃げ」と「マクり」の極端な競馬でしか勝っていないのは気になります。新馬戦のように「逃げ」に出るなら、一発あるかもしれませんが、皐月賞大敗からの巻き返しはなかなか大変。③ジューンテイク
京都新聞杯は最内1番枠をフルに活かしたイン突き競馬。ただ、メンバーレベルは低調だったと評価しています。枠的に、再び「イン突き」をできる可能性はありますが、今回は相手のレベルが違います。④ビザンチンドリーム
きさらぎ賞当時の京都の芝は内が掘れて、各馬が中~外を通る特殊な馬場設定。スロー濃厚の展開で、きさらぎ賞のような大外一気は決まらないでしょう。早めに動ける器用さも現状感じません。厳しいのでは?⑦ミスタージーティー
カイバ食いが旺盛ではないのか、中間の調教後の馬体重が減っているのは気になります。体に実が入ってこない現状では、それなりのところまで来ることはあっても、馬券圏内となると厳しいでしょう。⑩サンライズジパング
昨年のホープフルS(③着)など価値あるレースもありますが、現状はワンペース型で切れる脚に乏しい印象です。逃げか、2~3番手に行くようなら、ちょっと怖い面はありますが、東京の速い上がり勝負にマッチするイメージはありません。⑪シュガークン
今年の青葉賞は近年と比べても低調だったと思います。また、青葉賞では道中は「内」から機敏に「外」に出す好騎乗の助けもあったと思います。大幅相手強化で、G1の壁まで突破する大物感までは現状は感じていません。⑭ゴンバデカーブース
マイルからの転戦で、体形も詰まり気味に見えます。2400mだと前付けできるスピードはありそうですが、前に行くと「ガス欠」しそうです。⑰ショウナンラプンタ
シュガークンの評価を下げた以上、青葉賞②着の本馬には飛びつけません。これまでの内容から高速決着は不向きでは。⑱エコロヴァルツ
折り合い面に課題が見える現状。道中で力んだとはいえ、共同通信杯では切れ不足を感じました。見送ります。【万哲の決断馬券】
コスモキュランダは土曜夕方段階では5番人気(単勝12倍前後)。皐月賞②着馬がこのオッズで買えるのなら妙味もあります。粘り強く、相手なりに走れる根性も評価して、馬連で勝負します。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬連 |
各2,000円(計4,000円)
|
馬連 |
各1,000円(計5,000円)
|
馬連 |
1000円
|
合計 | 10,000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。