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西塚助手

【対談・川又騎手②】デビュー当初から仲良くしている人は、今後も大事にしたい


川又賢治騎手…以下[川]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]ところで、川又くんは3年目だったよね。同期の騎手といえば?

[川](横山)武史、(武藤)雅、(木幡)育也と、関西では富田ですね。

[西]けっこう、タレント揃いの世代ですね。

[川]個性は強いですね。

[西]富田くんは夏からオーストラリアに遠征中ですが、早くも勝ち星を挙げていましたね。川又くんも師匠が森先生ということで、これは勝手なイメージだけど、いずれは海外に行きそうな印象があります。でも、日本でこれだけ活躍していますからね。

[川]行きたいんですよ。ただ、なかなか手段がなくて。"よし、行こう"と決断するくらいの伝手が、まだ見つかっていないんです。

[西]海外なら、どこに行きたいと思いますか?

[川]アメリカに行ってみたいです。マスターフェンサーベルモントSに出走する時に騎乗停止になってしまっていて、3日間だけ行ってきたんです。レースも観戦しましたし、調教にも騎乗させてもらいました。



[西]どうでした?

[川]これまで感じたことがないような雰囲気を、肌で感じることができました。ベルモントSが行われた日は他にもG1レースがあったんですけど、どれも面白かったです。また、日本と違う部分もいろいろあって、刺激を受けましたよ。

[西]調教に乗ったということですが、攻め馬では引っかかるんですか?

[川]僕が乗せてもらった馬たちはみんな大人しかったですし、乗りやすかったですね。

[西]日本の話に戻りますけど、美浦遠征もそういう意味では違った部分や雰囲気があったと思います。印象はどうでしたか?

[川]あっという間でしたね。最初は北馬場と南馬場さえよく知らなくて。さらに坂路のスタンドもあって、わけが分かりませんでした(笑)。それでも徐々に慣れてきましたし、顔なじみになった方も声をかけてくださるようになりました。本当に良くしていただいて、居心地もいいです。

[西]そこまで慣れてきたんですね。

[川]今、栗東と美浦のどちらかを選べ、と言われたら、正直なところ迷うと思います。

[西]秋の福島開催のときに、また滞在したらどうですか?

[川]そうしたいんですけど、栗東でお世話になっている厩舎もありますし、"そろそろ栗東に戻ってきた方がいいんじゃないか?"と言ってくださる方々もいます。ですから、また栗東に戻って頑張ろう、と思います。

[西]それは確かに、そう思います。

[川]僕は、そのように言ってくださる方が好きなんですよ。皆さんはどうなのかわかりませんが、これまでの僕自身の経験のなかで、そうやって必要とされたり、大切にしてくださる人に出会った機会がそれほど多くないんですよね。

[西]若いときは、そう感じるのかもしれないかなぁ。でも、そうやって、自分自身で物事を判断していくのはすごく大事なことですよね。極端な言い方をすると、たとえ勝ち星がそれほど多くなくても、川又くんを必要として、大事に考えてくれている調教師さんは大事にするべきだと思います。

[川]僕としても、まだ勝ち星が挙がっていない頃から、そうやって声をかけてくれる方々がいたことに感謝していますし、そのような方々を大事にしたいと思うんです。

[西]そういう感覚を若いときから持つというのは、なかなかできないと思います。勝ち星を挙げているから大事、挙げていないからどうでもいい、という価値観で付き合っていくと、最終的に何も残らないケースが多いと思うんですよね。こういう話をするとオヤジ丸出しになっちゃうんだけど(笑)、若いときというのは、往々にして打算的に物事を考えてしまいがち。特にこの世界は、大人でもそうだったりしますから。



[川]僕の性格的にも、人見知りと言いますか、最初から心を開いていけないところがあるんです。程よい距離感で付き合う、みたいなことが難しいのかもしれません。

[西]それくらいで、ちょうどいいのかもしれませんよ?

[川]もちろん依頼をいただければ、どの厩舎でも、どの馬でも、レースはもちろんですけど、調教も一生懸命頑張ります。

[西]今年、福島リーディングを獲ったことで、ますます勢いに乗っていくと思うんですよ。それでも程度の差はあれ、思うような結果を残せない、上手くいかない時って、誰でもあるはずです。そんな時にしっかりとした人付き合いをしていると、助けてもらえるときがあるでしょうから。その時に、良かったと思えるんじゃないですかね。確かに、長いものに巻かれる方が楽でしょうけど、川又くんはそういうタイプでもないように思います。

[川]どうでしょうか? ただ、自分自身としても"違うなぁ"と感じるとは思います。依頼をされるということは騎手として光栄なことですし、全力を尽くします。でも、やはり最初から声をかけてくださっていた方々には、特別な思いがあると思います。そういった面でのプラスアルファはあるかもしれません。

[西]高田さんからベースの指導依頼を受けて、今回は美浦にも滞在して、川又くんを見てきました。失礼な言い方になってしまいますけど、意外としっかり考えているんだなぁ、ということが伝わってきました。自分が21歳だった頃を思い起こすと、目先のことばかり考えていたように思うんですよ。

[川]そんなことはないと思います。目先の1勝も気になりますし、騎乗馬も気になりますよ。

[西]それはもちろん、騎手ならばそういう面はあると思います。でも、物事の本質的な部分もしっかりと見ていると思いますよ。そうやって頑張っていれば、みんなが川又くんを好きになって、頼りにされていくと思います。

[川]そうなんですかね? 自分ではあまりよく分かっていないんですけど。

[西]確かに誰にでも愛想がいい、という感じではないよね。それが生意気だと思う人もいるかもしれない。でも僕は、誰にでも良い顔をする人より、そういう人の方が信頼できます。

[川]僕自身、見習いの頃から森先生をはじめ、厩舎のスタッフの方々にも本当にお世話になりました。フリーになってからでも、プライベートでご家族と一緒に食事をすることがあるんですよ。ですから、いつも何かできることがあれば、と思っていて、ケガなどで人が足りないときには調教をお手伝いしたりしています。全然足りないのかもしれませんし、たいした意味はないのかもしれませんけど。

[西]確かに、数字には直接繋がらないかもしれないけど、どこかで意味が出てくると思いますよ。正直、今の時代にこういう若い人がいるんだなぁ、と思ってしまいました(笑)。

[川]僕自身、子供の頃からずっとこんな感じで、変わっていないんですよね。1年目は勝つことができなくて、それが2年目になって勝ちはじめると、みんなの態度が少しずつ変わってきて。生意気なアンちゃんだ、みたいなことも言われたりして、正直なところ戸惑いました。でも、僕自身全く変わっていなくて、それまで仲良くしてきている方たちとは変わらずにお付き合いができているんです。

[西]それは、周囲の見る目だけが変わったということでしょうね。

(※次回に続く)

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