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西塚助手

スルーセブンシーズは、秋に向けてさらなる成長を期待します


前回話をさせていただいた通り、先週は僕が所属する尾関厩舎のスルーセブンシーズオークスに挑みました。

中間の動きも良く、追い切りの動きも抜群で、本当に良い状態で送り出すことができたと思います。結果は勝ったユーバーレーベンから0秒7差の9着でしたが、よく頑張ってくれたと思います。

前回、スルーセブンシーズについて話した記事は、これまでにないくらい多くの方に読んでいただいたそうです。本当にありがとうございます。

クラブ法人の所有馬、しかもG1直前で反響が大きいであろうことは予想しましたが、敢えてレース前に触れさせていただいたのはいくつか理由があって、ひとつは前回話した通り、あの馬の瞬発力やギアの上がり方を、これまで経験したことがなかったからです。

中間に乗ったときにも、少し仕掛けたらロケットのように加速していきそうな感触を受けました。追い切りに乗っていた矢原さん(矢原洋一元騎手)も、レース後に帰る途中で「こんな馬に乗ったことがない」と僕が言うと、「追い切りでの反応、手応え、そして雰囲気から、正直この馬ならば、少ないキャリアでも一発やってくれるんじゃないかと期待していた」と仰っていたほどなんですよね。

それともうひとつ、期待していた理由があるんです。以前に話をさせていただいたと思いますが、(横山)ノリさんから“馬の成長曲線は、兄姉と似てくることがある"という話を伺ったことがあります。

実際、僕はこの馬の兄姉2頭(マイティーハニーマイティーゴールド)に携わらせていただいたことがあって、完成度が高く、早いうちから力を発揮することができる馬でした。ですから、その妹であるスルーセブンシーズもそうじゃないか、という理由です。

ですから、スルーセブンシーズは僕だけではなく、乗っている人たちみんなが“この馬ならば"と期待していたんですよね。

ただ、やはりまだ4戦目で、初めての重賞挑戦がいきなりのG1、しかも3歳牝馬にとっては過酷といわれるオークスの舞台。今になってみると、現段階では少し期待しすぎてしまったかもしれない、という思いもあります。そこは馬に対して、本当に申し訳ないと思っていますが、馬は本当によく頑張ってくれました。頭が下がります。

今回は残念でしたが、持ち前の瞬発力は凄いものがあって、それがこれまでに味わったことがない感覚なのは間違いありません。

先ほど、“成長曲線は兄姉と似ることがある"という話をしました。僕が直接携わった馬ではありませんが、半姉のパッシングスルーは3歳秋の紫苑Sを勝っています。そう考えると、スルーセブンシーズも秋に向けてさらなる成長が期待できるはず。再びG1の舞台を目指せるように、力を尽くしていきます。

さて、今週はダービーです。今年がそうだったように、オークスは後ろから行った馬が勝つケースが多いレースですが、同じ舞台で翌週に行われるダービーは、ある程度前に行った馬が有利なレースなんですよね。関係者の間でも話題になることがあって、僕も不思議に思っていますが……理由は分からない、というのが正直なところです。

お客さんに入場していただいて行われるダービーは2年ぶり。今年はどんな結果になるのか、楽しみにしたいと思っています。

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