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穴ぐさ傾向と対策

マイルCSもポジション取りが重要に!?


先週(11月13日~14日)の穴ぐさは[4.7.10.90](複勝率18.9%)でした。エリザベス女王杯では【B】評価だったステラリアが②着、【C】評価だったクラヴェルが③着に入る【穴ぐさダブル】になり、福島記念では【A】評価だったパンサラッサが①着、【B】評価だったヒュミドールが②着に入る【穴ぐさワンツー】となりましたね。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました! また、「報告掲示板」に多数の書き込みをしていただき、ありがとうございました。

エリザベス女王杯を制したのは10番人気だったアカイイトで、外枠(8枠16番)で外を回りながら2馬身差を付ける快勝劇でした。本当はこの馬も穴ぐさに指名できていれば良かったんですが……。

先週のこのコーナーでは、エリザベス女王杯は時計が速ければ父ディープインパクト系の馬たち、時計がかかれば父ステイゴールド系やロベルト系を持つ馬たちが台頭しやすいのでは?と記しました。結果的に、6頭いたディープインパクト産駒が④~⑪着に敗れ、①着アカイイトが母父シンボリクリスエス、③着クラヴェルエピファネイア産駒だったので、2分12秒1という決着時計になって、ロベルト系を持つ馬に向いた側面があったのでしょう。

ただ、①着アカイイトと②着ステラリアキズナ産駒で、ご存知の通り、キズナディープインパクト産駒です。ディープインパクト産駒とキズナ産駒は、今後もタイプを分けて考えていった方が良いのでしょうね。

さて、今週はマイルCSがあり、グランアレグリアシュネルマイスターインディチャンプサリオスグレナディアガーズなどが登録しています。

今年、古馬混合の芝1600m重賞は10レースが行われていて、関屋記念(新潟芝外1600m)以外の9レースは直線に坂のあるコースで開催されました。その9レースの勝ち馬は4角での位置取りが似ていたので、ご覧ください。

【直線に坂のある芝1600mでの古馬混合重賞(2021年)】
月日
レース
優勝馬 4角位置 上がり順位
10月23日
富士S
ソングライン 4角7番手 2位(33秒9)
9月12日
京成杯AH
カテドラル 4角9番手 3位(33秒9)
6月6日
安田記念
ダノンキングリー 4角8番手 2位(33秒1)
5月16日
ヴィクトリアマイル
グランアレグリア 4角10番手 1位(32秒6)
4月25日
マイラーズC
ケイデンスコール 4角8番手 2位(33秒8)
4月10日
阪神牝馬S
デゼル 4角8番手 2位(32秒5)
4月3日
ダービー卿CT
テルツェット 4角8番手 3位(34秒7)
2月7日
東京新聞杯
カラテ 4角4番手 6位(34秒0)
1月5日
京都金杯
ケイデンスコール 4角3番手 4位(34秒0)

優勝馬9頭について、4角での位置取りと上がり3Fの順位を記しました。4角3~10番手の馬が勝っていて、ヴィクトリアマイルグランアレグリア以外の9頭は4角3~9番手からメンバー中2~6位の上がりで制しています。意外なことに、メンバー中最速の上がりを使った馬はあまり勝てていないんですよ。

実は、この傾向は、近年のマイルCS天皇賞・秋にも共通して見られることです。2015年以降の両レースの勝ち馬をご覧ください。

【2015年以降のマイルCSの勝ち馬】
優勝馬 4角位置 上がり順位
2020年 グランアレグリア 4角5番手 2位(33秒2)
2019年 インディチャンプ 4角5番手 4位(33秒9)
2018年 ステルヴィオ 4角5番手 8位(34秒1)
2017年 ペルシアンナイト 4角13番手 2位(33秒9)
2016年 ミッキーアイル 4角1番手 11位(35秒6)
2015年 モーリス 4角8番手 2位(33秒1)

【2015年以降の天皇賞・秋の勝ち馬】
優勝馬 4角位置 上がり順位
2021年 エフフォーリア 4角6番手 3位(33秒2)
2020年 アーモンドアイ 4角4番手 3位(33秒1)
2019年 アーモンドアイ 4角5番手 2位(33秒8)
2018年 レイデオロ 4角5番手 2位(33秒6)
2017年 キタサンブラック 4角2番手 1位(38秒5)
2016年 モーリス 4角4番手 4位(33秒8)
2015年 ラブリーデイ 4角4番手 6位(33秒7)

メンバー中最速の上がりを使った馬は、2015年以降のマイルCSでは勝てておらず、天皇賞・秋で勝利したのは不良馬場だった2017年のキタサンブラックだけ。2014年以前はメンバー中最速の上がりで優勝した馬がそれなりにいたんですが、近年は4角6番手以内に付けて速めの上がりで抜け出して押し切るケースが多いんですよね。そのような形でも最後まで止まらない力のある馬が増えたとも言えるのでしょう。

今年のマイルCSは連続開催7週目の馬場で行われ、阪神芝は昨年よりも時計がかかる傾向にあるようですから、その辺りがポイントになってきそうですが、やはり道中で良い位置を取れるかどうかも重要なのではないでしょうか?

ちなみに、今年の古馬混合の芝1600m重賞については、枠順に関してこんなデータもあります。

【芝1600mでの古馬混合重賞(2021年)】
枠順 着別度数
1枠 [3.0.4.11]
2枠 [0.2.1.14]
3枠 [3.1.0.15]
4枠 [0.3.1.15]
5枠 [2.1.0.17]
6枠 [0.1.2.17]
7枠 [2.1.1.18]
8枠 [0.1.1.19]

優勝馬の10頭は、1・3・5・7枠という奇数の枠番から出ています。まあ、これはオカルトではありますが、優勝馬10頭は馬番1~11番だったので、良い位置を確保しやすい真ん中から内枠の馬に有利に働くのではないでしょうか。

阪神芝は今週末もAコースですが、東京芝と福島芝はコース替わりとなるので、ご注意ください。11月20日~21日に行われる東京、阪神、福島の芝の使用コース特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。

11月20日~21日
場所
東京 Cコース・1週目
阪神 Aコース・7週目
福島 Bコース・1週目

11月20日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
東京9R 晩秋S [1.0.1.28]
東京10R 秋色S [0.0.1.2]
東京11R 東スポ杯2歳S [0.2.4.27]
阪神9R 出石特別 [0.2.1.30]
阪神10R 尼崎S [1.0.1.5]
阪神11R アンドロメダS [0.0.2.33]
福島10R 三春駒特別 [2.0.4.25]
福島11R みちのくS [2.1.5.35]
福島12R 西郷特別 [0.1.1.35]

11月21日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
東京9R 赤松賞 [2.1.1.14]
東京10R 南武特別 [1.0.1.14]
東京11R 霜月S [2.3.2.36]
阪神9R 秋明菊賞 [0.0.0.7]
阪神10R 武田尾特別 出走ナシ
阪神11R マイルCS [1.1.2.41]
阪神12R 姫路S [0.2.0.15]
福島10R 二本松特別 [2.2.2.24]
福島11R 福島民友C [1.4.3.30]
福島12R 五色沼特別 [0.0.3.21]
※条件が過去とは異なるレースもあります。レース番号が変更になる場合もあります。

注目レース
東スポ杯2歳S(G2、東京芝1800m)

東スポ杯2歳Sでの穴ぐさは[0.2.4.27](複勝率18.2%)で、複勝回収率は136%です。昨年は10頭立てで堅い決着だったので、今年は頭数が揃ってほしいところですね。

過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が6頭いて、いずれも父か母父がサンデー系です。6頭はキャリア2~4戦の関東馬で、前走が①~②着でした。6頭のうち4頭は前走でメンバー中最速の上がりを使って初勝利を挙げていたので、そのようなタイプはマークしておくと良さそうです。6頭のうち5頭は東京芝で勝ち鞍がありました。

注目レース
霜月S(OP特別、東京ダート1400m)

霜月Sでの穴ぐさは[2.3.2.36](複勝率16.3%)で、複勝回収率は103%です。

③着以内に入った7頭の穴ぐさは5歳以上の牡馬で、そのうち6頭は関西馬で、同じく7頭のうち6頭は馬番5番以内でした。馬番5番以内で馬券に絡んだ6頭の穴ぐさは父か母父がミスプロ系かサンデー系でもあります。7頭はいずれも前走が馬券圏外でしたが、前走の上がりはメンバー中3位以内か34秒8~35秒7でした。前走で速い上がりを使っていた馬が侮れないでしょう。

注目レース
福島民友C(OP特別、福島ダート1700m)

福島民友Cでの穴ぐさは[1.4.3.30](複勝率21.1%)で、ダート1700mの時に限ると[0.3.1.14](複勝率22.2%)です。

ダート1700mで馬券に絡んだ4頭の穴ぐさは父か母父がノーザンダンサー系で、そのうち3頭は3代血統表内にデピュティミニスター系を持っていました。同じく4頭のうち3頭は前走が馬券圏外でしたが、4頭はいずれも近3走以内に③着以内の好走歴があったので、ある程度の好調さが感じられるタイプをマークしておきましょう。

注目レース
みちのくS(3勝クラス、福島芝1200m)

みちのくSでの穴ぐさは[2.1.5.35](複勝率18.6%)で、複勝回収率は112%です。昨年はキルロードが9番人気で優勝しました。

福島施行時に馬券圏内に入った穴ぐさは7頭で、馬番10番以内でした。2010年以降の6頭は中8週以内での臨戦で、父か母父がサンデー系かミスプロ系でした。7頭はいずれも騎手が前走時から乗り替わっていたので、そんなタイプの変わり身に注意しましょう。

注目レース
三春駒特別(1勝クラス、福島芝1800m)

三春駒特別での穴ぐさは[2.0.4.25](複勝率19.4%)で、複勝回収率は129%です。

③着以内に入った6頭の穴ぐさは父か母父がサンデー系で、2013年以降の4頭は父か母父がノーザンダンサー系です。6頭はいずれも前走が掲示板外でしたが、左回りや直線に急坂があるコースでした。6頭は右回りで勝ち鞍があり、そのうち4頭は右回りで直線平坦なコースで勝利実績があったので、福島替わりがプラスに働きそうなタイプに妙味がありそうです。

注目レース
赤松賞(1勝クラス、東京芝1600m)

赤松賞での穴ぐさは[2.1.1.14](複勝率22.2%)で、複勝回収率は161%です。昨年はアオイゴールドが③着に入りました。

馬券圏内に激走した4頭の穴ぐさは中6週以内での臨戦で、前走が4角先頭か、前走でメンバー中3位以内の上がり(33秒9~34秒8)を使っていました。4頭はメンバー中3位以内の上がり(33秒2~34秒9)で③着以内に入ったので、決め手のあるタイプを狙うと良さそうです。4頭のうち3頭は左回りの芝で連対歴がありました。

ちなみに…
マイルCSでの穴ぐさは[1.1.2.41]で、過去10年(昨年以外の9年は京都で施行)では7番人気以下で③着以内に入った馬が5頭います。

激走した5頭のうち、2014年以降の4頭は父サンデー系で、同じく5頭のうち4頭は近2走以内に芝重賞で連対歴がありました。近2走に連対歴がなかった1頭も前走がG2で0秒3差(⑤着)だったので、好調さが重要でしょう。5頭のうち3頭はG2での勝ち鞍があり、その他の2頭はG3で2勝をマークしていました。5頭は芝1800m以上で勝ち鞍があったので、マイルを超える距離でも実績があるタイプをチェックして臨みましょう。


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