独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

西塚助手

大井移籍が決まったレディボロニヤ…ポイントは3走目にあった


これまで何度か話題に出てきたレディボロニヤですが、7月31日に大井の交流レースに出走し、④着となりました。そして、このレースを最後にJRAの登録を抹消され、大井に移籍することになりました。

その前は7月21日、福島ダート1700mで⑩着となっていて、ほぼ連闘という形になりました。こういうローテになったのは、今の時期は出走できるレースが週単位で目まぐるしく変化する、という理由があります。

僕たちとしては何とか勝てるように、今回の場合は名古屋などの交流レースも視野に入っていました。

ただ、9月に入ると、中央ではスーパー未勝利の時期になっていきます。そうすると、今度はより強い馬が大井をはじめとする地方競馬に移籍していく状況になります。ですから、敢えてこの時期、早めに移籍するのはありだと思います。

今回は松本俊廣オーナーが移籍の判断をされたということですから、レディボロニヤが大井で頑張ってくれることを切に願っています。

しかし、このコーナーでも以前から話をしていたように、デビュー前から期待していただけに、何とかしたかったのが本音です……。

何か足りないものがあったのか、間違った選択をしていないかなど、いろいろ考えることが経験として活かされていくはずです。そうやってひとつひとつ反省してこそ、成長するものだと思っています。

ただ、ひとつ僕自身が引っ掛かっているというか、ポイントとして挙げるならば……という部分があります。

それは3走目、東京芝1400mを使った時(⑪着)でした。

デビュー前から跨っていた蛯名さんからは2走目(6月2日東京芝1400m、④着)のレース後、「新潟まで待って芝で勝負をかけた方がいい」というコメントをいただきました。

ダート適性が高いサウスヴィグラス産駒ですが、蛯名さんは「とにかく手先が軽く、しなやかなフットワークで切れ味を感じる」という話をされていて、軽い新潟ならばチャンスがあると思われたんでしょう。

その一方、2走目の後に新潟となると1ヵ月以上間隔が空き、④着に入ったことで得た優先出走権が失われてしまいます。そうなると、せっかく優先出走権があるならば一回東京で使って新潟へ、という意識も出てきます。

3走目の後に感じたことについては、以前も話題に出しましたね。

蛯名さんが北海道に行かれていましたから、3走目は(横山)ノリさんに乗っていただいたんですけど、ノリさんの感触は「ダートの方が良いかも」というものだったんです。

その言葉について、3走目の後、一旦放牧に出て帰厩してから跨ったときに納得しました。

結論から言うと、蛯名さんとノリさん、ともに正しかったんです。

蛯名さんが乗っていた頃は僕自身も芝でこそ、と思っていました。しかしノリさんが乗った頃には、バネを感じさせるフットワークではなく、どちらかというと伸びた感じで、ダートの方が良いと思わせるような走り方になっていたんですよ。

そういう変化を遂げるのがサウスヴィグラス産駒、ということなのかもしれませんね。

しかし、もし2走目の後、新潟まで待っていたらどうなっていたのか。勝てたかどうかはもちろん分かりません。新潟まで待っても、芝向きのフットワークのままだったとも言い切れません。

でも、蛯名さんは乗った感覚で新潟に向かった方がいいと感じたわけです。ですから、そういう選択肢があったということを僕たち人間が覚えておくことは大切だと思うんです。

ブッチャけさせていただきますけど、そういう選択って、本当に難しいんですよ。

優先出走権を得れば、やはりそれがあるうちに使いたくなります。しかも、体調的に問題がないのならばなおさらです。実際、出走して良い結果になったことも、これまでたくさんありました。

でも、1回のレースで大きなダメージを受けてしまうこともあるんですよね。だから、そうなってしまわないように、現場で携っている人間は、馬に触り、様子を観察しながら、対応を選択しているんです。

今回のレディボロニヤについても、3走目に向かうにあたって状態は問題ないと思っていましたし、出走しても大丈夫だという判断がありました。ですから、先生が行くと決めたことは決して間違いではなかったと思っています。

ただ、フットワークが変化していったのが3走目の前だとしたら、その変化について、僕自身がもう少し繊細になるべきだったのかもしれない、ということなんです。

それともうひとつ、同じ騎手に乗り続けてもらうことの意味を考えさせられます。

誰が良いとか悪いとか、上手いとかいうことでありません。蛯名さん、ノリさん、そして大井の御神本騎手と、それぞれ上手な人に乗っていただいたわけですけど、実際に蛯名さんが乗っていた時とノリさんが乗っていた時では馬が変化しているわけです。

もっと言えば、ノリさんが乗った時と御神本騎手が乗った時でも違っているはずなんです。

蛯名さんは脚が溜まって弾けるような感覚を知っていますけど、ノリさんと御神本騎手はそういう感覚を味わっていません。その時点で、馬を線で見ることができなくなってしまっているんですよね。

いまの時代、なかなか難しいことなのかもしれません。でも、そういう感覚って大事だと改めて思います。

これはレディボロニヤに限りませんが、何とか勝てるように、できる限りのことをやっているつもりです。しかし、もっと何かできることがあったんじゃないか、別の選択肢があったんじゃないかという思いは忘れないように、今後に活かせるようにしたいと思っています。

※西塚助手への質問、「指令」も募集中。競馬に関する質問、素朴な疑問をお送り下さい! 「こんな人と対談してほしい」などのリクエストも歓迎です!

TOPページに戻る