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西塚助手

ベテランジョッキーが一線で活躍し続けられる理由とは


8月12日、大井競馬場所属の的場文男騎手が7152勝目を挙げ、佐々木竹見元騎手が持っていた地方競馬通算最多勝記録を更新されました。

その的場さんは、西塚厩舎時代にも乗っていただいた経験があって、個人的にはとにかく腰の低い方という印象が強いんです。僕みたいな若造にも、レースや馬について丁寧に話をしてくださるんですよ。

この記録は、40年以上現役を続けられてきた積み重ねで成し遂げられました。これはとにかく尊敬すべきことです。と同時に、僕としてはこの数字の裏にある"凄さ"を感じたんですよね。

というのも、中央は土日だけ開催が行われるのに対し、地方はほぼ毎日どこかで開催が行われています。中央では武豊さんの3989勝(※8月19日現在)が最多ですから、現役年数の違いはあるにせよ、的場さんとは3000勝以上の差があるわけです。

どちらが大変とか、そういう話ではないんです。実際、地方から移籍してくる騎手の方の中には戸惑って、移籍当初は苦労される方もいるそうです。

感覚的に、毎日競馬に乗っている方が大変なんじゃないかと思われるかもしれません。でも、地方のスケジュールに慣れた方が中央に来ると、しばらくはリズムを掴み、モチベーションをコントロールするのに苦労されたりするみたいです。

騎手の方々と話をしていると、競馬に向けてのモチベーションというか、気持ちをコントロールすることは大事で、そして決して簡単ではないと聞きます。また実際、地方から来られた騎手の方が苦労した話を聞くと、それだけ気持ちやモチベーションは大事なんでしょう。

近年の的場さんは南関を中心に騎乗していますが、そういった気持ちのコントロールをほぼ毎日、長年続けてこられたはずです。僕としては、この数字の裏にある凄さは、ここにあるんじゃないかと思うんですよ。

もうひとつ、現在61歳という的場さんのニュースを聞いて思ったことがあります。他の競技だと"ベテラン"といわれる年齢の方は一線を退くことが多いのに対し、騎手の方は40代、50代でもトップクラスで活躍する方がいらっしゃいますよね。

それはなぜか。実際に現場で一緒に仕事をさせていただいている僕たちの立場で、その魅力を聞かれると、"本音を話してくれる"ということがパッと思い浮かびます。

どういうことかというと、調教師の顔色を気にせず、馬に対してありのままの感触を教えてもらえるんです。

これは簡単そうですが、実際はなかなか言えないところもあるはずなんです。でもそれではダメなんですよね。ありのままを言ってもらうことが僕たちにとっても勉強になりますし、時にはダメ出しをしてもらわないと、馬の本質を見失ってしまいかねません。

ベテランの方の言葉の重み、これはやはり違います。

あと、長年活躍されている方々は、当たり前ですけど、技術的な面で上手な人たちが多いです。でなければ、長い間活躍し続けることはできないわけですから。またそのような高い技術は、年齢を重ねても簡単に落ちたりしないんですよね。

ベテランは体力面で……と言われたりしますけど、僕自身はそれが大きなハンデになるとは思っていません。実際、それをカバーしてしまう高度な技術を持っていたりするんですよ。

体力的な限界はあったとしても、ベテラン騎手の方が一線級で活躍し続けることができる理由は、こういった部分にあると思うんです。皆さんにとっては、もし技術の面では難しくても、"本音"の面はレース後のコメントでも感じていただけると思うので、そういう目で見てみると、参考になるかもしれませんね。

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