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西塚助手

新聞の調教タイムは、鵜呑みにしすぎないくらいでいいのでは


皆さんも"追い切り"が毎週トレセンで行われていることはご存じでしょう。その追い切りでどの馬がどんなタイムを出したか、競馬新聞にも載っていますから、馬券購入の際に判断材料のひとつとされている方もいらっしゃるかもしれません。

この時計について思うことがあるので、今回はその話をさせていただきます。

今の美浦では時計通りに乗ることができるように、騎乗者がメトロノームを装着して乗る厩舎が多くなっています。

例えば、メトロノームを1秒ごとにリズムを刻むように設定して、"70の40"を乗るとします。これは1000mを70秒、600mを40秒で乗るわけですから、前半400mを30回、上がりの600mを40回数えれば、時計通りになるわけですね。

このメトロノーム、実際に僕も使用しているんですけど、坂路の時計はほぼこれで合います。違いがあったとしても800mで1秒以内という感じで、誤差の範囲なんです。

なぜかというと、坂路は時計がバーコードで計測されているからです。機械で計測しているわけですから、その時計とメトロノームは当然合うわけですね。これは、競馬新聞に載っているタイムも同様です。

一方、これがウッドチップコースだと、かなりの誤差を感じるんです。乗っている方としては、メトロノームで計測してほぼ言われた通りの1000m70秒で走っているのに、競馬新聞を見ると73秒とかになっていたりすることが実は多いんですよ。

今はホースコールという機械もできていて、これを使うと坂路以外のコースでも時計を計測することができます。これもバーコードのように正確で、計測されるタイムを見ると、メトロノームとほぼ同じ。機械ですから、間違っているということは考えづらいです。

なぜこんなズレが生じるのかというと、ウッドチップなどのコースの調教タイムは記者の方々によって手動で計測されているからです。さらに、極端なズレが生じないように、各社で調整されていると聞きます。これが新聞に掲載されるわけです。

ブッチャけさせていただきますけど、我々としては1秒の差を重く考えて仕事をしているわけです。ですから、この差は誤差というレベルではないんですよね。

もちろん手動ですから、機械と同じように正確に計測することはできないでしょう。しかし、それを見て"速い"とか"遅い"と言うのはどうか。さらに言えば、その時計が正式なものだと思って、それを基準に馬券を購入されている方々もいらっしゃるわけですよ。

皆さんにお伝えしたいのは、時計というのはそういうものなんだという感覚で捉えないとダメなのではないか、ということです。

この点については、メトロノームを使用している厩舎の助手の方々と話しても、皆同じような意見を持っています。同時に、同じコースでも外と内ではかなりの距離の差があるから、どこを通ったかもかなり重要だと言う方も多いです。

つまり、それだけ差があるということです。皆さんも、調教タイムは鵜呑みにしすぎず、そういうものだという感覚で見ていただければいいのでは、と思います。

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