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西塚助手

“距離誤認事件”について、思うことがあります


先週の木曜日、調教師一次試験の合格発表がありました。私、西塚信人は今年も"サクラ散る"結果となり、不徳の致すところと反省しています。

毎年のことで、いい加減にしろと言われるかもしれませんが、ひとえに勉強不足です。試験前にも話しましたが、一次試験に合格経験がある方々と勉強をしていると、己の実力不足を痛感するんです。

とにかく近道はありませんから、日々コツコツ勉強をしていくことでしか合格はないでしょう。それを信じて、また来年に向けて1日1日を無駄にしないように、頑張っていきます。

読者の皆さんからも励ましや応援のお言葉をいただいており、とても心苦しいのですが、まだ頑張っていく心意気だけはあります。よろしくお願いいたします。

さて、話題が変わりますが、先週土曜日の新潟6レース(ダート2500m)において、山田敬士騎手が距離を錯誤して、1周目でゴールと勘違いしてしまった事件がありました(馬は12頭立て⑫着)。

同じ関東ですが、山田騎手とは挨拶をしたことがある程度で、親しい付き合いはありません。ただ、今回のことについて聞いた話だと、どうやらレース前には2500m戦だということは認識していたのですが、いざゲートが開いたところで冷静さを失ったのか、1200mと勘違いしてしまったということのようです。

理由はどうであれ、この馬の馬券を買っていただいた方もいらっしゃるわけで、あってはならないことです。厳しい意見が出るのも当然でしょう。現在は裁定委員会の議定があるまで無期限騎乗停止ということですが、そこで厳罰が科せられても仕方がないと思います。

SNSなどでは引退すべき、という声や、もっと厳しい批判もあります。ただ、甘いと批判されるかもしれませんが、僕はこの件でそこまでさせていいのか、と思うんですよ。

確かにプロである以上、1年目も20年目も同じ。1年目だからといって、あってはならないミスです。

でも、話を聞いた限り、故意ではないはずです。ブッチャけさせていただきますけど、先輩騎手でも同じような間違いをされた方もいらっしゃいますし、ミルコ(デムーロ騎手)も日本移籍前、海外で同じような間違いをしているそうです(※)。

(※)2012年6月7日、英・ウォルバーハンプトン競馬場で芝14F戦に騎乗し、1周目をゴールと誤認して馬を追い、11頭立ての⑪着に敗れた。その時は12日の騎乗停止処分を受けている。

僕も皆さんも、人間だから間違いや失敗はあるもので、若い頃は特に失敗が多いものだと思います。ミルコの場合も、そこで騎手を引退していたら、いまのミルコはないわけですよ。

起こしてしまったミスについては、騎手として責任を果たさなければなりません。それが騎乗停止処分であり、何かしらの制裁ということです。でも、そこで騎手免許を剥奪すべき、というのは行き過ぎだと思うんです。

少し話が逸れますが、少し前に話題になった大学のアメフト部のタックル問題にしても、一度はアメフトを辞めると言った加害者が再びプレーすることを選んだというニュースを聞いた時、本当に良かったと思ったんですよ。

確かにあってはならないことですし、たとえ監督の指示であったとしても、断る勇気が欲しかったとは思います。

でも、彼はこの先の人生において、悪いことはたとえ誰からの指示であっても勇気をもって断ると思うんです。

最初から許してしまうのは確かに甘いかもしれませんし、責任は果たすべきでしょう。でも、その人間性さえも許さない、あるいは叩くというのは良くないことだと思っています。

もし山田君がこれから騎手として頑張り続けるとしたら、彼は二度と同じ間違いをしないはず。僕はそう思うんです。

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