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西塚助手

有馬記念当日のエピソードと、レッドファルクス引退に寄せて


先週の日曜は一年の総決算といえる有馬記念、また昨日の金曜にはホープフルSが行われました。ホープフルSに出走された陣営や関係者の方々は別だと思いますが、有馬記念が終わると、僕のようにホープフルSに関係のない厩舎関係者は1年が終わった感覚で、ホープフルS当日は延長戦という感じなんですよね。

そんな有馬記念デーの中山7レースに我が尾関厩舎のサクラベルカントが出走していて、僕も競馬場に行っていました。

中山競馬場の出張馬房は、どこにするか厩舎が指定できることになっています。ウチの場合は僕が毎回申請するんですけど、いつも大竹厩舎、藤沢厩舎、堀厩舎あたりと同じ場所になるんです。

今回も同じで、大竹厩舎と藤沢和厩舎と一緒になりました。もうお分かりかと思いますが、大竹厩舎がブラストワンピース、藤沢和厩舎がレイデオロと、有馬記念でワンツーした2頭と一緒になったんですよ。

ブラストワンピースはデビュー2戦目でゆりかもめ賞を勝ちましたが、その時は同じレースにウチの厩舎からも出走していたので、印象に残っているんです。

有馬記念当日は僕自身の仕事が終わったので、ブラストワンピースに『頑張って』と声をかけながら撫でさせていただきました。そして帰ろうとすると、藤沢厩舎の助手さんに『ウチのは撫でてくれないんですか?』と言われたので、『藤沢厩舎はそんな雰囲気ではないでしょ(笑)』と冗談を言って帰った、ということがあったんですよ。レイデオロは抜けた1番人気でしたからね。

同じ関東に所属する馬は、毎朝、ときには日の出前から一緒に乗っているわけです。そんな馬たちがG1を勝ってくれると、やはり嬉しいですよね。

また、有馬記念の前日には阪神Cが行われましたが、このレースを最後に、スプリンターズS連覇をはじめ、7歳まで頑張ってくれたレッドファルクスが引退することになりました。すでに発表されていますが、これから種牡馬として、第二の人生に向かっていくことになります。

今回の阪神Cは勝ってくれれば最高と思いながらも、とにかく無事に戻って来てほしい。その思いがこれほど強かったことはないかもしれません。引退レースで、あるいはレースを目前にして怪我をしてしまうケースもありますから。

でも、レースを終えて(8着)、無事に帰ってきてくれました。月曜に様子を見に行ったんですけど、元気だったので、本当に良かったと胸をなで下ろしています。

レッドファルクスとは、これまで5年という長い時間を一緒に過ごしてきたわけです。改めて思うのは、とにかく手がかからない馬という印象が強いですね。

最初の頃に乗せてもらったことがありますが、その時から"1000万クラスは超えていくだろうな"という印象を受けました。

1000万か、と思われるかもしれませんけど、厩舎スタッフがそういう言い回しをするということは、オープンにも行ける可能性がある、ということなんです。

レッドファルクスには、馬が人間の想像を超えて成長する場合がある、ということを教えてもらったと思っています。そういう意味でも、これまで一番印象に残っているレースは、2016年のCBC賞なんですよ。

あの時は前走でダート1400mのオープン特別(欅S)を勝ったばかりでしたが、CBC賞の翌週には同じ距離のプロキオンSがあって、そちらに向かう選択肢もありました。それにもかかわらず、ウチの先生が芝1200mのCBC賞を選んで、そこで結果を出してくれたんです。

先生がそう判断した理由としては、馬の適性もそうですが、ダートの短距離戦と芝の短距離戦の層の厚さを比べた場合、後者の方によりチャンスがあると考えたからだと思います。

そして、レッドファルクスも見事に期待に応えてくれて、その次走でスプリンターズSを勝つことができました。今振り返ってみると、馬が人間の想像を超えた部分が間違いなくありましたよね。そして、そういう馬がG1を勝つんだ、ということを教えられました。恐らく、そういう馬に出会った人は同じような感覚を持つと思うんですよ。

改めて、レッドファルクスに出会えたことを感謝していますし、彼の産駒に携われることを楽しみにしながら、また頑張っていきたいと思います。

最後になりますが、今年も応援ありがとうございました。僕自身の1年を振り返ってみると、満足できなかったことが真っ先に思い浮かびます。

一緒に調教師を目指して、勉強してきた人たちが合格していくなかで、自分自身に対して厳しい感情がわいています。来年に向けて、調教師を目指すという自分自身の気持ちともう一度真正面から向き合い、頑張っていきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

どうぞ良いお年をお迎えください。

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