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西塚助手

【対談・田辺騎手④(終)】騎手会役員として、競馬が盛り上がるように尽力したい


田辺裕信騎手…以下[田]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]ではそろそろ、今年の目標をお聞きしましょうか。

[田]この世界は様々な面で進化が早いために、1年通しての目標を掲げることは難しくなってきていますよね。自分も2月で35歳になりますので、いまから新しいことを取り入れて、というのも簡単ではありません。でも、ここまで蓄積してきたことの中にも、良いものはありますから。

[西]そうだよね。誕生日は10日だっけ?

[田]いや、12日です(笑)。もちろん新しいことには興味がありますし、良い部分は吸収していかなければダメだと思います。外国人騎手が増えて、騎手の立場は確かに大変になっていきますけど、まずは競馬が盛り上がって、馬券が売れることです。そのためには、良い競馬を提供できるように、自分たちがやるべきことをやるのが一番だと思います。

[西]でも田辺さん、本当に変わったよね。

[田]それは間違いないよ。時代も変わりましたから。僕が新人だった頃、馬主さんがユタカさん(武騎手)を乗せてほしいと言ったらしいんです。そうしたら担当の厩務員さんが"ウチのアンチャンが毎日攻め馬しているのに、なんでユタカなんだ!"って、馬主さんに直接電話していましたからね。

[西]いいか悪いかは別にして、"おい、裕信、乗せるぞバカヤロー"的なノリがありましたよ。西塚厩舎もそうだったもんなぁ。個人的な意見を言わせてもらえば、それも大事なんじゃないかと思うんですよね。

[田]もうそういう人、いないですよ。

[西]指示も"おい、裕信。道中はジッとして、外に出して、シュッ"みたいなね(笑)。聞いていて、そんな上手くいくわけがない、と思っていましたよ。

[田]でも、それが上手くいったりするんですよ。すると"ほら、みろ"となるわけです。

[二人](笑)

[西]話が少し戻るけど、だから何がなんでも前の位置を取って、という風潮は違うように思うんですよ。それほど、競馬は簡単じゃない。

[田]確率の問題でもあるんですよね。外国人が乗っている馬のほとんどは力があるから、いい位置で流れに乗って押し切ってしまうケースが多い。極端な言い方をすれば5頭そういう馬がいて、3つ勝てればいいと思えば、そういうレースをすることになるわけですよ。



[西]レッドファルクス阪神Cにしても、ボウマンの騎乗そのものは満点ですからね。でも、そうじゃない。試行錯誤しながら、グレーターロンドンは最後まで自分の競馬にこだわって、重賞を勝つことができた。それはこだわったからだとも思うんですよ。馬のリズムは大事ですしね。

[田]もちろん。あれが絶対正しいとは言えないですけど、馬にも個性があるのは間違いないですから。皆さんに一番わかってほしいのは、後ろから行っているから最後に伸びるんじゃなくて、前がバテてきているからだと思うんです。だから、その時に一緒に前に行けば、一緒にバテてしまうということなんです。

[西]それは、前から言ってるよね。でも、こうやっていろいろ話しながら、田辺さんと調教していた時代が懐かしいですよ。あ、そういえば騎手会の役員もやっていますよね。

[田]やはり、そういう年齢になったということですよ。騎手会として、JRAや調教師会、あるいは(労働)組合と話をします。それぞれの立場があるなかで、みんなで協力して競馬が盛り上がるように、そして売り上げが伸びるようにやっていくべきだと思っています。

[西]売り上げがないと、競馬を生業としているすべての人が暮らせないわけで、そこは共通認識であるべきですよね。いかに競馬を盛り上げて、売り上げを伸ばしていくかというのは大事ですよ。

[田]売り上げが上がって、賞金が上がれば、馬主さんにとっても魅力が増えていくわけですからね。

[西]それぞれがそれぞれの立場で要求をするのではなくて、そういう視点でみんなが考えれば、自然とそれぞれが抱えている問題も解決していくはずです。

[田]おっしゃる通りですよ。信ちゃん、調教師みたい(笑)。

[西]だから、12月28日の競馬開催というのも、売り上げが伸びるのであれば、ありだと思うわけです。

[田]個人的な考えですけど、僕自身は、そこはちょっと違うんじゃないかと思うんです。他の公営ギャンブルを含めても、JRAの売り上げが一番多いですよね。そういう状況で、有馬記念が終わって、年末は最後の最後に地方競馬が売り上げを確保する形でした。そこはJRAが取らないであげてほしかったんですよ。

[西]なるほどね。昨年は競馬が12月28日にホープフルS、29日に東京大賞典でしたけど、競輪とかボートレースは、数日間グランプリが続いたりするらしいんですよ。僕はギャンブルをやらないので、知らなかったんですけど。



[田]そうならば、28日にG1をぶつけますか?

[西]確かに、28日に開催することで、最後の最後まで稼がせていただきます感が強いですよね。実際、中央競馬の売り上げという観点だけで言えば、28日は開催した方がいいでしょうけど。

[田]しかも金杯も凄いじゃないですか。お客さん、入ってましたよ。

[西]中山は5万人近く入ったらしいですよ。

[田]だとしたら逆に、有馬記念から金杯まで約2週間、待ちに待って、楽しみにしながら金杯を迎えることでさらに盛り上がる、という見方もできますよね。そこに28日が入ることで、メリハリがなくなってしまう感じにはなりますよ。我々、JRAの関係者も地方競馬の馬券を購入できますけど、やはり東京大賞典だけは勝負するという人がいますから。でも、そこで東京大賞典の前日に中央で違うレースがありますよ、となると、調子が狂ってしまうんじゃないですかね?

[西]実際、地方は大晦日までレースがありますけど、これは難しい問題だと思います。

[田]28日については、馬主さんたちの要望もあると聞いていますけどね。

[西]なるほどね。除外が多いとか、いろいろな理由がありますからね。あ、こんな時間になってしまいました。今年もありがとうございました。またぜひ、よろしくお願いします。

[田]ありがとうございました。悠太郎(野中騎手)との対談のとき、呼んでよ。来るから。

[西]本当に? スケジュールが空いてたら、よろしくお願いしますよ。

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