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西塚助手

チバタリアンの激走に、引退される柴田先生とスタッフの思いを感じました


今週末で、2月の競馬も最後です。この時期は毎年話題になりますが、70歳を迎えた調教師の先生が、今週の競馬を最後に引退されます。美浦では伊藤正徳先生、栗田博憲先生、柴田政人先生、谷原義明先生、栗東では沖芳夫先生、坂口正則先生、中村均先生、松元茂樹先生です。

現在70歳ということは、ウチの親父(西塚安夫元調教師)の3歳下になります。父と同世代ですから、特に美浦所属の方々は、僕自身も幼い頃からよく知っている存在です。

その中でも谷原先生は、親父が元気だった頃から一緒に競馬に行ったり、それぞれの厩舎のレースが近い時は装鞍を手伝ったりしていましたので、身内に近い感覚を持っています。

また、柴田先生も子供の頃から知っていますし、現在僕が所属する尾関厩舎の隣にあるので、毎日一緒に運動しています。ですから、やはり親近感がありますね。

柴田先生といえば、競馬の時の装鞍で、よく「鞍、置きましょうか?」と声をかけさせていただいたことを思い出します。

意外かもしれませんが、年配の先生だとご自身で「悪いけど、鞍を置いてくれないか」と声をかけにくいみたいで、ご自身で置かれることが多いんです。僕も臨場に行く時に、誰かが装鞍で困っていたらお手伝いをするようにしていますが、特に年配の先生には率先して声をかけるようにしています。柴田先生もそのひとりというわけです。

そんな柴田先生が管理するチバタリアンが、先週土曜の東京4レースで16頭立て16番人気ながら新馬勝ちを決めました。

その時は尾関厩舎も同じレースに馬を出走させていたこともあって、柴田先生から「頼むな」と言われましたので、他の厩舎の助手と一緒に鞍を置かせていただいたんです。

レースでは、逃げたウチの厩舎の馬が残り200mを過ぎたところで2着馬に交わされました。その時点でウチの馬は厳しいと思いましたが、そこで外から何かが伸びてきたんです。それがチバタリアンと分かって、最後は「(宮崎)北斗、差せ!」と絶叫してしまいました。

勝ってほしいと思いましたけど、正直なところ、まさか本当に勝つとは思いませんでした。枠場では柴田先生と、担当の厩務員さんに「おめでとうございます」と声をかけさせていただきました。

尾関厩舎の馬は残念ながら負けてしまいました。しかし、引退される先生にとっては最後の勝利のチャンスかもしれないわけで、その勝利を素直に祝福する気持ちがあってもいいと思うんですよ。

柴田厩舎のスタッフも直線は祈るような気持ちになっていたはずで、それは見ていても感じます。この気持ちは大きなレースの前に感じる"勝ちたい"とはちょっと違った"勝ちたい"のように思うんです。

そんな気持ちは、僕自身も感じたことがあるんですよね。親父が亡くなった直後、西塚厩舎が管理していたエフテーストライク(※レースは河野厩舎所属で出走)が田辺で勝ってくれたんです。そのときのことを思い出すと、今でも熱いものがこみ上げてきます。

谷原先生のサンデームーティエダイヤモンドSで2着に激走しましたし、伊藤先生も先週勝ちましたし、栗田先生も今年すでに2勝を挙げています。この成績には、スタッフみんなの思いが詰まっている感じがあるんですよね。また、それに応える馬たちも凄いと思います。

西塚厩舎の時にも思いましたけど、懸命に頑張っていれば、馬が返してくれることがあります。そう信じるからこそ頑張れるんです。先生たちの最後の2日、皆さんも応援していただければ、と思います。

次回からは青木調教師との対談をお送りしますので、そちらもお楽しみに。

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