独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

西塚助手

今の3歳未勝利馬にとっては、“もう5ヵ月しかない”んです


春G1シーズンが始まり、3月ももうすぐ終わります。今年から9月のスーパー未勝利がなくなったことで、3歳未勝利戦が行われるのはあと5ヵ月ほどとなります。

我が尾関厩舎にも、3歳未出走馬が数頭在厩していて、これからレースに向けて調教が進められていこうとしています。

今の時期に未出走ということは、それぞれの馬にここまでデビューを待つことになった事情があります。いずれにしても、あまり丈夫でないタイプが多いのは間違いのないところで、そのような馬が押せ押せのスケジュールでやっていかざるを得ないわけです。

そのような状況ですから、まずはデビューすることを主眼におくことになります。となると、調教の選択肢も減ってきますし、残りの時間とローテーションを考えると1週でも早く競馬に出走しておいた方が良いということになります。ですから、多少無理をしてでも……ということになってしまうんです。

また、3戦連続9着以下の3歳未勝利馬が2ヵ月出走停止になる、いわゆる"スリーアウト"ルールができました。ということは、今現在2アウトの馬に関しても、あと1走をどうするべきか、という問題が出てきます。

例えば、今現在2アウトの馬がいて、今週のレースは条件が合わなかったり相手が強そう。それでも使ったとして、そこで3アウトになって、2ヵ月出走停止になったとしても、それが明けるのが6月くらいですから、そこから8月末まである程度の時間の余裕ができるわけです。

一方、距離や相手関係など条件を厳選し、1ヵ月後のレースに出走すると、どうなるか。そこで8着以内に入ればいいのですが、もし3アウトになってしまうと、さらに2ヵ月出走できません。そうなると復帰は7月くらいになってしまい、残りは2ヵ月ほど。そうなると、もう挽回が厳しい状況になってしまうんですよ。

確かに、あと約5ヵ月ありますけど、実際に3歳未勝利馬に接していると、もう5ヵ月しかないという感覚になってしまうんですよね。

以前も話をしましたが、こういったJRAの政策は理由があってのもので、理解もできます。ただ、素質はあるけど、体質的に弱くてなかなか調教が進められない、成長のスピードが遅いなど、様々な理由があって、今焦らせることはないのになあ……と感じさせる馬が目の前にいると、別の思いも感じるんですよね。

時間をかければ勝てたはずの馬が、タイムリミットで勝てないままだったケースもたくさんあります。それも実力と言われれば、確かにそうでしょう。人間が求めることに応えてしっかりと結果を残せる馬を育てて、勝ち星を重ねていくことも大事です。

人間の力だけで勝たせられるなどとは思っていませんが、それでも携わった馬たちに対しては、割り切れない部分がどうしてもあるんですよね。僕自身、そういった思いを大事にしたいんです。

例えば野球だと、メジャーリーグやプロ野球だけでなく、社会人、大学、高校、草野球までいろいろなカテゴリーがあります。そういう下のカテゴリーの選手がいなかったら、野球そのもののレベルは上がりません。競馬もそうで、重賞で活躍する馬も大事ですが、下のクラスで走る馬も大事なんですよ。

間に合わない馬に対して、一度地方に出して戻らせるというシステムはあります。ただ、実際に馬に接していると、もう少し余裕を与えてあげられないものか、もしくは救済措置があってもいいのになあ、とも思うんです。

※西塚助手への質問、「指令」も募集中。競馬に関する質問、素朴な疑問をお送り下さい! 「こんな人と対談してほしい」などのリクエストも歓迎です!

TOPページに戻る