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西塚助手

松岡さんがやってきたことのすべてが、香港での勝利に繋がった


前回まで4週にわたって野中騎手との対談をお送りしてきましたが、その間、4月28日に香港で行われたクイーンエリザベス2世Cを、松岡騎手ウインブライトとのコンビで勝ちました。

この勝利は、僕にとっても自分のことのように嬉しかったので、今回はこの件について話をさせていただきたいと思います。

我が尾関厩舎も、サクラゴスペルで香港に遠征した経験があります。その経験を踏まえても、やはり海外遠征は難しい部分があります。まず普段の環境から違うわけですし、競馬が行われるコースも違いますから、適性の差もあるわけです。

ですから、皆さんもご存じの通り、強い馬が海外に行っても日本と同じ結果を残せるわけではないんですよね。

また、僕も改めて調べてみて気づいたのですが、日本調教馬で海外G1を勝った日本人騎手は、実はそれほど多くないんです。

現役では武豊さんと蛯名さん、あとは(田中)勝春さん、福永さん、岩田さん、四位さん。その中に、松岡さんが加わったことになります。

そういったことを踏まえて、レース後に松岡さんと話をしましたが、彼自身も「今回の勝利は格別だった」と仰っていました。

クイーンエリザベス2世Cのレース前、追い切りに騎乗した松岡さんは、かなりしっかりと追い切ったらしいんです。それで馬に気合いが乗って、レースまでいい意味での煩さが出てきたということでした。

僕の考えですが、今回はそこが大きなポイントだったと思っています。それまで17戦中16戦でウインブライトに乗ってきた松岡さんが、必要だと感じてしっかりとやったわけです。こういうことはテン乗りではできない。

レース前に香港のメディアから、「なぜユタカ・タケやルメールじゃないのか」という質問があったそうです。そこで畠山先生が仰った通り、「この馬を一番知っているのが彼」だということ。乗り続けてきた騎手だからこそ、それが最大限に活かされたと思うんです。

確かに、騎手はレースにおける重要な要素ですから、香港メディアの質問も分かります。勝利の可能性を高めるために、成績の良い、上手な騎手に依頼することは有効な選択肢のひとつです。

しかし、状況によっては、その馬をよく知る騎手に乗り続けてもらうことも選択肢のひとつ。むしろ、そうすることの方が良い結果を残す可能性もある。

その点、少し意地悪な質問に対し、畠山先生は立派にお答えになっていらっしゃいました。それを聞いていて、僕自身も競馬を簡単に考えてしまっているのではないかと思いました。もっと丁寧に仕事をして、しっかり考察をしなければならないと、反省する部分があったんですよね。

そしてもうひとつ、日本人騎手で勝ったことによって、ファンの皆さんが想像以上に盛り上がっていたこと。これも印象的でした。

レース後、しっかりとした英語で受け答えしたインタビューが話題になりました。それは、若いときから海外で勝つことを目標にして、その準備もしっかりとしてきたからこそだと思います。

松岡さんがアイルランドに行って、もう10年以上経ちました。その間には幾度となく怪我もありましたから、松岡さん自身も思うところがあったはずです。大袈裟に言えば、松岡さんが騎手として頑張ってきたことのすべてが、今回の勝利に繋がったと思うんです。

そのことをファンの方々も喜んで、盛り上がったところにも、競馬の魅力があるように感じたんです。

最後になりますが、この連載に対して松岡さんから何かいただけるそうです。実は、何なのかまだ分かっていませんが(笑)。改めてお知らせさせていただきますので、どうぞお楽しみに。

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