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西塚助手

【対談・宮里調教助手①】今回のゲストは青木厩舎の宮里調教助手です!


青木厩舎・宮里智彦調教助手…以下[宮]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]今回対談させていただくのは、前々回の対談ゲストである青木孝文調教師から「ぜひ、話を聞いてみてほしい」というリクエストを受けて、お越しいただきました。青木厩舎の宮里調教助手です。よろしくお願いします。

[宮]こちらこそ、よろしくお願いします。



[西]テレホンショッキングのように、ゲストからゲストをご紹介いただく形は初めてなんです。実は、宮里さんより前に、中尾調教助手に出演依頼したのですが、『恥ずかしい』ということで見合わせとなってしまったんです。顔出しがなければ、と言われて(笑)。

[宮]それは厳しいですよね(笑)。シャイなやつなんですよ。

[西]本人は『今度はぜひ』と言っていたので、またの機会ということにさせていただこうと思っています。でも、宮里さんとは調教でよくお会いしますが、こうして面と向かって話をしたことは、これまでなかったですね。そういえば、ある厩舎スタッフの結婚式の余興で"ギターを弾いてほしい"という依頼をいただいたときに、一緒にやったことがあります。

[宮]そうですね。あの時、初めて話をさせていただいたんです。最近では、西塚さんが危険な馬に乗っていた時に、馬上で会話をしただけですよね。

[西]そうでした。どう危険なのか、読者の皆さんに説明しましょう。1ヵ月くらい前に、木曜日で最も混雑していた角馬場で、ある馬に持っていかれてしまったんです。その場にいた他の厩舎の方々は、そんな僕を見て、大盛り上がり状態でしたが(苦笑)。でも、混雑している角馬場で持っていかれるだけでもある意味事故ですし、さらに悪くすると衝突などを起こして、文字通りの大事故に繋がりかねません。あまりないですけどね(笑)。

[宮]ないですね(笑)。

[西]そういう馬は他の馬のいない時間に乗るとか、様々な工夫をするものなんです。でもその馬は転厩馬で、入ってくる時に"まあまあ掛かる"という感じのことを聞いていたので、そこまでではないかな、と思っていたんですよ。それで実際角馬場に行ってみると、確かに少しヤバい感じでした。でも、宮里さんならば分かってもらえると思いますが、少し行かせてあげれば止まってくれると思ったんですよ。

[宮]発散させてあげれば大丈夫、ということですよね。

[西]そうです。ところがどんどん引っかかってしまって、止まらなくなってしまったんです。「ごめん~!」と大声で叫びながら、必死に掴まっていました。吉田豊さんが、抜いていく横で大爆笑していましたよ(笑)。

[宮]周囲を蹴散らすように、周回を重ねていましたよね(笑)。でも驚いたのは、その後Aコースに出ていきましたよね。角馬場で暴走しているのに、それよりも広いAコースに行くんですから。凄いですよ。

[西]でも、逆に広い方が、いざとなれば手綱を放せるので、まだいいでしょ?

[宮]確かに、狭いところだと逆にヤバいです。

[西]だから、後から考えると最初からAコースに行っておけばよかったと思いました。その後2週間くらい、会う人会う人に"おっ、あの馬なんだ?"と聞かれましたよ。前にいた厩舎のスタッフからは「あの馬、一番に乗っちゃダメなんだよ」って言われたんですけど。「先に言ってよ!」という感じです(笑)。

[宮]教えておいてもらいたいですよね。

[西]そしたら、同じ時期に青木厩舎にもその厩舎から転厩した馬がいたらしく、「青木厩舎の人はちゃんと聞いてきたよ」と言われました。

[宮]同期の奴がいて、初日に自分が乗ることになったので、電話してよく聞いたんですよ。

[西]ヤバい感じだったんですか?

[宮]その馬は急に減速して、ラチに寄っていくようなところがあるということでした。実際、落とされたりもしたので、北馬場の、しかも馬が少ない時間にしか乗っていなかったそうです。で、実際に乗ったら馬場入りから勢い良く飛び込んでいくような感じだったので、もう必死に、天神乗りみたいな形で乗っていました。

[西]それは基本ですよね。中舘先生からは"ヤバイ馬は人が遅れてくるくらいでちょうどいい"と教えられました。止まってしまったり、尻っ跳ねするような馬は、付いていこうとはせず、ちょっと遅れていくくらいで。本当にそう感じます。

[宮]あ、そうですよね。もう立ってしまった方がいいくらいの感じです。馬乗りのプロが言うんですから、本当にそうなんですよね。

[西]上手く乗ろうとするからダメなんだ、と中舘先生は仰っていましたよ。

[宮]本当にそうだと思います。

[西]僕が持って行かれてしまった話ですみません。話は変わりますが、青木厩舎、走りますね。

[宮]2年目の昨年は16勝することができました。ただ、今年はまだ勝ち星があまりないんです。

[西]でも、クラシックに出走していますよね。

[宮]確かに、その点で注目はしていただいたような感じはありますが、やはり勝ち星もほしいですよね。

[西]勝ち星について、宮里さん自身はどう見ているんですか?

[宮]昨年は、勝つべき馬がしっかりと勝つことができていたと思います。でも、その後が続かなくて、それが今年に影響してしまっている感じです。

[西]こういう言い方をしたら失礼ですけど、勝つべき馬たちが勝って、そこで絞り切ってしまった。でも、まだ開業して間もなく、力のある馬がそこまで揃っていないために、ガス欠みたいな状況になってしまったんでしょうね。

[宮]そういう一面があるようには思います。

[西]でも、そういう状況の中で皐月賞(ダディーズマインド)とオークス(ウインゼノビア)に出走したのは凄いと思います。開業3年目で牡馬と牝馬両方のクラシックに出走するのは、なかなかできないことですよ。

[宮]青木厩舎という名前を知ってもらうことはできたのかなぁ、とは思います。

[西]我が尾関厩舎には開業から所属して、たくさん勝たせていただいていますが、それでもクラシックへの出走はモンストールを皮切りに、そこまで多くありません。青木厩舎にとってみると、この世代は前の厩舎からの引き継ぎではなくて、デビューから自分たちが手をかけた世代ですから、厩舎の士気という部分でも大きいように思うんですけど、どうですか?

[宮]昨年、ウインゼノビア阪神JFに出走した時は、だいぶ盛り上がりました。厩舎として初めてのG1ということで、行けるスタッフは全員阪神に行きましょうと、先生が交通費を出してくれたんです。

[西]えっ、そうだったんだ。何人で行ったんですか?

[宮]5、6人行ったと思います。日曜日でしたので、早乗りで調教をして、状況が許す人たちで電車に飛び乗って、レースにも間に合いました。

[西]いや、それは凄い。なかなかできることではないですよ。確かに、在厩馬がいて、仕事がありますし、しかも関西ということになれば経費的にも大きな負担となりますからね。何時に美浦を出たんですか?

[宮]乗るだけ乗って、手入れとかは、当番の人や行けない人たちにお願いをする形だったんですけど、それでも8時過ぎくらいに終わったので、出たのは9時くらいですかね。

[西]レースの時間に間に合うだけなら余裕だけど、装鞍所の時間となると、ギリギリだったりするんですよね。

[宮]やはり装鞍に間に合うように、ということを目指しました。

[西]そうなると2時半に阪神、となると仁川駅に2時ですね(笑)。

[宮]まさにそうです。だから東京駅には10時半までに着いていないといけません。そうなると、土浦発9時20分の特急、ということになるわけです(笑)。

[西]じゃあ、美浦は遅くても9時前に出発しなければダメ、ということになりますね。

[宮]飛び乗り状態で行きました。

[西]いやぁ、いい話ですよ。

[宮]厩務員さんも何人か一緒に行きましたが、"なかなかこういう機会はあるもんじゃない"と言っていました。大きいレースに仲間同士で行く、そういう雰囲気を味わえたことは、本当に感謝しています。

[西]仕事がありますし、状況的にも難しいところがありますから、それこそ中山や東京であっても、厩舎スタッフが揃って行くことはなかなかできないものですよ。でも、そういうことは厩舎にとって大事だと思います。

[宮]スタッフ同士の士気も上がりました。青木厩舎は担当馬制ではあるんですけど、みんながそれぞれお互いさまという感じで、協力しながら仕事をしていますので、みんなで頑張ろうという意識が強くなると思います。

[西]先生との対談でも、そこが目指すところだという話をされていましたよ。

[宮]そうなんですよ。

(※次回へ続く)

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