独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

西塚助手

【対談・川又騎手③】格好良さに憧れてなった騎手は、結果的に天職だった


川又賢治騎手…以下[川]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]話は変わるけど、川又くんは東京出身なんですか?

[川]そうです。親族が競馬に関係しているとか、そういう環境ではありませんでした。

[西]そういう環境で、なぜ騎手を目指そうと思ったんですか?

[川]ご存じの方もいらっしゃるとは思うんですけど、坂井瑠星(騎手)と同級生なんですよ。僕と坂井ともうひとり、3人でよく遊んでいて、競馬ゲームを一緒にやったり、競馬を見に行ったりしていました。もうひとりも進学校に進んだんですけど、卒業後に"馬をやりたい"ということで、牧場で働いているんです。そういう環境の中で、気がついたら騎手になりたいと思うようになっていた、というところですね。



[西]ただ、騎手は運動神経が良くなければいけないし、加えて身体が小さくないとダメじゃないですか。騎手になりたいと思ったのは、小学生の頃からなんですか?

[川]中学3年の時ですね。競馬学校の願書締め切りギリギリになって、やっぱり騎手になりたいと思って、慌てて応募したんです。そんな感じでしたから、1年目はダメだったんですけど、先に合格した坂井が騎手を目指して頑張っている姿を見ていましたので、坂井と同じ、いやその上を目指して頑張っていこう、とイメージしていたんですよ。

[西]中学3年から騎手を目指すのは、かなり大変だったんじゃないですか?

[川]中学で野球をやっていて、本当に厳しかったので、スポーツはそういうものだと思っていました。ですから、1年頑張ればやれるんじゃないか、という感じでした。

[西]でも、身体の大小はやる気の部分とは違うよね?

[川]身長とか、体重が重いとか軽いとか、そういうことは考えていなくて、とにかく騎手になりたいとしか思っていなかったんです。それこそ、その当時は豊さんの存在さえよく知らなくて、何となく競馬を見て、"騎手ってかっこいいなぁ"という感じでした。最後の追い比べが実況とマッチしていて、それがまた格好良く思えたんですよ。

[西]結果的に、体重調整とかの苦労はまったくなかったんですよね?

[川]まったくありません。気にせず、木曜日にカツカレーを食べています。

[2人](笑)



[西]体重を気にせずに活躍できるんだから、凄いと思います。天職だったということですね。最初に受験した時は合格できなかったということだけど、次の試験までの1年間は高校へ進学したんですか?

[川]馬の学校に行きました。いくつか候補があったので、見学させてもらった上で、環境がとても良くて、騎手を目指すのに良いと思ったところに決めました。まだ創設されたばかりでしたが、そこでいろいろ勉強できたことは大きかったと思います。

[西]凄いね。自分も馬に乗っていて思うのは、それなりに運動神経が良くないといけないわけですよ。例えば部活ならレギュラークラスとか、そういう感じじゃないと、馬の仕事ってなかなか難しいんじゃないかと。

[川]競馬学校の試験については、スポーツを本気でやっていれば対応できる、ということだろうと思います。僕の場合は小学校から9年間野球をやってきて、その積み重ねとして体力などが備わっていたから、ということじゃないかと思うんです。

[西]学校や乗馬クラブで馬に乗ることも大事かもしれないけど、基礎体力があることは大前提だということだよね。でも、その当時から冷静だったんだねえ。

[川]こんな感じでした(笑)。

[西]こうやって活躍して、それでも変わらないんだから、やはり凄い。お金も入ってくるし、普通なら多少なりとも浮かれたりするように思うけどね。

[川]お金が入ってくるのは確かに大きいと思います。でも、僕の場合は立て続けに2度落馬してケガをしてしまった(※17年8月、18年1月)ので、その時は貯金を全部使うしかありませんでした。

[西]あれ、保険から出たりしないんですか?

[川]あるにはありますけど、全部はカバーできません。手術せずに入院だったので、1日の入院でいくら、という感じでした。ですから、お金が足りなくなってしまって、大変でした。

[西]それは、本当に大変だよね。

[川]去年の1月に落馬、3月に復帰して、少しずつ収入があって何とかここまで、という感じです。

[西]ここからですよ。ところで、今回美浦に来てみて、関西にあって関東にないもの、逆に関東にあって関西にないものって、何かありましたか?

[川]えーっと、なんでしょう? そうですね……、レースはもちろん、調教に乗った後の会話でしょうか。会話自体は関西にもありますけど、関東の方がいろいろ内容も濃くて、多くの質問をされますよね。

[西]ああ、そうかもしれませんね。

[川]関西では『どうだ?』、『いい感じです』というくらいですけど、関東はさらに深く、その馬から受けた印象や特徴など、細かいところまで話をするので、しっかりとコミュニケーションをとることができなければダメだと思います。それはそれで、馬だけではなく、自分の力量も伝えることができると思いますから、信頼関係を築くという部分ではいいことだと思います。

[西]そういう違いがあるんだね。でも、言いたいことはわかります。逆はどうですか?

[川]なんだろう。難しいですね。

[西]競馬の流れが違うとか、よく言われますけど、どうですか?

[川]言われてみれば、関西はレースの中でも動きがありますけど、関東は道中で動かずに直線勝負になりがち、という傾向はあるかもしれません。

[西]関西はテンからペースが速くなっていくのに対して、関東はゲートを出て少し経つとペースが落ち着きがち、と言われるよね。

[川]関西の方が、ポジション争いが激しくなる傾向が強いので、ペースも速くなるように思います。そういう意味では、先行争いに負けたときはリカバリーが難しいですし、だからといって激しく先行争いしていると後ろの馬にやられてしまうので、そこは気をつけなければいけません。

[西]あとは、関東の方は馬のレベルがハッキリ分かれていると言われるけど、どうですか?

[川]どうなんですかね? 確かに関西の未勝利戦などでは、1つのレースに勝っても不思議じゃない馬が何頭もいる感じで、極端な言い方をすればどの馬にもチャンスがあるようなレースも少なくありません。それに対して関東は、チャンスがある馬とノーチャンスの馬が分かれているレースが比較的多いかなぁ、とは思います。

[西]わかります。それはペースの違いにも繋がる話で、1レースに6、7頭チャンスがある馬がいれば、それだけ先行争いも激しくなるのは当然ですよね。それに対して、チャンスがある馬が2、3頭程度なら、それだけ絞られた競馬になる。だから2着とか3着に人気薄が来ることが多いんだろう、と思います。やはり有力馬が多くいれば、それだけ紛れる可能性も少なくなると思うんですよね。

[川]有力馬はやはり強いわけで、そういう馬が人気通りの競馬をする可能性は高くなりますよね。

(※次回に続く)

※西塚助手への質問、「指令」も募集中。競馬に関する質問、素朴な疑問をお送り下さい! 「こんな人と対談してほしい」などのリクエストも歓迎です!

TOPページに戻る