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西塚助手

今後はホースマンにとって、分析力&判断力が重要になるはず


近年、日本調教馬による海外挑戦が増加して、皆さんも馬券などを通じて海外競馬に接する機会が増えていると思います。そんな中、昨日(11月5日)はメルボルンCが行われ、日本から挑戦したメールドグラースコーフィールドCに続くG1連勝を狙いましたが、残念ながら6着に敗れました。しかし、本当にいいチャレンジだったと思います。

メルボルンCはオーストラリアを代表するレースですから、当然ながらヨーロッパをはじめとして世界中から強豪が参戦していますし、現在の日本では経験することがない24頭立ての競馬です。僕自身も経験したことがありますが、制度上の違い、慣れない環境など、やはり海外挑戦というのは厳しい戦いなんだと再認識させられました。

そういう状況で、どうやって結果を残していくか。それには僕も含め、現場で携わっている人間が、冷静に日本競馬の立ち位置、各国の強みや弱みなど、いろいろな要素を冷静に分析する必要があると思っています。

どういうことか。もう10年以上、ジャパンCに海外の超一流馬が参戦してくるケースはほとんどありません。特に今年は、海外馬の参戦ゼロもあり得る状況と聞いています。

来ない理由として、日本の硬い馬場や検疫などを挙げる方もいます。そういう理由も含めて、結局のところ"勝てないから来ない"ということだろう、と思います。

なぜ勝てないか。それは、世界における日本馬の戦いを振り返ってもらえば分かると思います。アーモンドアイのようなトップホースだけでなく、日本でG1を勝っていないウインブライトが香港で、メールドグラースがオーストラリアで初G1勝ちを収めた。要するに、1800mや2000m、2400mといった距離のレースでは、海外でも十分に戦える、勝てるレベルにある馬がたくさんいるということでしょう。

一方で、凱旋門賞はまだ日本馬が勝てていませんし、スプリント路線では香港やオーストラリアの馬が強く、アメリカのダート路線も、日本馬にとってまだまだ高い壁です。

つまり、アイルランド、イギリス、フランス、ドイツといったヨーロッパ勢、アメリカ、オーストラリア、香港、そして日本といった国の馬は、それぞれのカテゴリーに強みがあるわけです。

ですから、日本馬が海外に出て行く時でも、相手に恐怖心を覚える必要もなければ、ナメてかかる必要もない。冷静に分析して、勝てる可能性があるところで勝負する、そういった感覚を持たなければならないんじゃないかと。

先ほど言ったように、ジャパンCが行われる2400mという距離は日本も得意とするカテゴリーです。さらに日本馬にとっては地元の利があるわけですから、ジャパンCに海外馬が来ないというのは、海外の関係者が冷静に分析して、判断した結果だと思うんですよね。

また、今回のメールドグラースには地元オーストラリアのレーン騎手が騎乗しましたが、ジョッキーという要素も重要です。

今秋、数多くの外国人ジョッキーが来日する予定となっていますが、彼らはそもそも各国のトップジョッキーばかり。もちろん、上手であるのは間違いないです。

ただ、彼らがパーフェクトであるかというと、そうでもないはずです。日本のジョッキーの中にも、彼らに負けない強みを持っている人もいますし、技術がある人もいます。もっと言えば、勝ち星をあまり挙げていなくても、上手な騎手もいると思います。

外国人だから何でもいい、ということではないはずですし、馬に合う、合わないもある。馬の状況や特徴、レースに合わせて考えなければならないはずです。

その感覚を養うためにも、結果が出たレースだけでなく、出なかったレースも冷静に分析して、今後の判断材料にする。そういった姿勢は海外競馬に限らないと思いますが、我々馬に携わる者にとって、今後ますます必要になっていくと思うんです。

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