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西塚助手

近年、高齢馬の活躍が目立つ理由とは


先週行われた愛知杯で、7歳牝馬のデンコウアンジュが勝利、レイホーロマンスが3着に入りました。それ以外でも、例えば今年の中山金杯では6~7歳馬が掲示板を独占しています。

皆さんの中でも、近年は特に高齢馬が活躍するケースが目につくようで、いただいたメッセージの中にも、そのことについての質問がありました。そこで、今回は“高齢馬の活躍"について、僕自身の考えをお話ししたいと思います。

人間の世界でも、平均寿命が長くなり、高齢になっても現役で活躍する方が多くなっています。これは医療技術の進歩をはじめ、食生活、生活環境の向上など、いろいろな要因があると言われます。

馬の世界も、同様に日々進化しています。ですから、そういった要因によって高齢馬が活躍できるようになった、という見方もできるかもしれません。

ただ、僕自身の考えはちょっと違って、高齢馬は以前から活躍していたと思うんです。高齢になっても活躍する馬がたくさんいたから、目立たなかっただけなんじゃないかと。

しかも、語弊があるかもしれませんが、今の時代は少し結果が出ないレースが続くだけで、簡単に見切られてしまうような印象を受けます。その理由は、早めの見切りを促すような制度になっているのもありますし、関係者の中にも負けをよしとしない風潮があったりするからだと思うんです。

ただ、この連載でもしばしば話をしていますが、馬の仕上げは人間がやる一方で、馬の調子は人間がコントロールできない部分があると思います。

体調に大きな変化がなく、同じような時計で動いていても、結果が違ってしまうことはよくあります。人間でもそうですが、目に見えない“調子の波"みたいなものがあるんですよね。

実際、尾関厩舎にいたサクラゴスペルも7歳で重賞2勝を挙げ、高齢になって結果を出してくれました。そのサクラゴスペルも大敗続きの時期がありましたが、そんな時、あるレース後に(横山)ノリさんに言われた言葉が、今でも忘れられないんです。

それは「馬というのは、無理させないでレースを重ねていけば、必ず調子の波、仕上がり、レースの条件や展開のすべてが噛み合うときが来るもの。今回は結果が出なかったけど、特に悲観することはない」というものでした。

まさにそうだと思います。短期間で見切るだけではなく、ある程度長いスパンで考えることも、大事なことではないかと思うんです。

先日引退したグァンチャーレは2歳デビューから3歳で重賞を勝って、そこから長く走り、7歳になってOPを勝ち、安田記念で4着に健闘しました。その頃は本当に生涯最高のデキだったそうで、松岡さんも「安田記念は勝てる可能性があった」と言っていました。結果が出ない時期もありましたが、すべてが一致したのがその頃だった、ということなんだと思います。

馬は機械ではありませんから、得意なコースがあり、得意な時期があることも珍しくありません。1回の負けで評価が極端に落ち、場合によっては“年齢的なものもあって…"みたいな理由付けで見切られてしまうケースもありますが、決してそうではないと思うんです。

高齢馬の活躍が目立つ、という印象を受けるのは、そうやって早めに見切られることで高齢馬がどんどん少なくなる中で、生き残った高齢馬が活躍するから目立つんじゃないか、と思うんですが、どうでしょうか。

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