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西塚助手

天皇賞・春のダンビュライトに見えた、去勢の効果とは


今週は、先週日曜日に行われた天皇賞・春について、話をさせていただきたいと思います。というのも、個人的に注目していた馬が出走していたからなんです。

その馬というのは、このレースが去勢明け緒戦となったダンビュライトです。この馬については、2018年の天皇賞・秋で放馬してしまった時に話をしたことがありますから、覚えている方もいらっしゃるかもしれません(※記事はこちら)。

今回ダンビュライトに施された"去勢"ですが、一般的にはいわゆる"うるさい馬"に対して行われる、という認識をされている方が多いのではないでしょうか。

ダンビュライトについても、去勢する前に何度かレースを見ていて、"危ないな"と思うような行動をすることもありました。ですから、外野からの勝手な見方ですが、去勢という選択肢もあるかもしれないなあ、と思っていたんですよね。

そして、"うるさい馬"にもいろいろありますが、もっとも去勢の効果が高いとされているのが、馬っ気(※うまっけ。牡馬の発情)が強いタイプです。実際、僕の経験から考えてもそう思います。

そういう馬が悪さを始める時は、最初に馬っ気を出してから、その後に悪さをすることが多いんですよね。例えば、馬場入りでたくさんの馬に反応して馬っ気を出して、それから立ち上がる、という感じです。

馬っ気というのは、要するに発情ですから、特に牝馬が近くにいる時に気をつけることになりますが、時には牡馬に対して反応することもあります。ただ、反応するのが牝馬でも牡馬でも、馬っ気を出せば見た目ですぐ分かりますから、それを見たら我々も気をつけることができます。要するに、人間がコントロールできる面もあるわけです。

一方、レースを途中でやめてしまう馬に対して去勢をするケースもあります。こちらは馬っ気と違って、何が理由なのか、はっきりと分からないことも多いです。単純に、気が向かないことが続いただけなのかもしれないし、あるいは肉体的、精神的にどこか気になるところがあったのかもしれません。

馬がレースをやめてしまう理由は、人間の目で見たり、感じたりするのが難しいことが多いんですよね。ひとつ言えることは、走ることに集中できていない、ということは間違いないところでしょう。ですから、レースに集中するように去勢する、というわけです。

実際、去勢をきっかけに見違えるように走ることができるようになる馬もいます。かつて、尾関厩舎にチャーリーブレイヴという馬がいましたが、あの馬がまさにそれでした。

チャーリーブレイヴは3歳でヒヤシンスSを勝つなど、元々能力が高かったのは間違いなんですけど、それ以降は大きな着順が続いたんです。それが去勢されて、1年ぶりの実戦でいきなり勝ったんですよ。

正直に申し上げると、去勢されたことが良かったのか、休養が良かったのか、どちらとは言い切れません。ただ、戻ってきた時に雰囲気が変わったことは覚えています。

当然ですけど、去勢はすべての馬に有効ということではありません。去勢されたことで、それまで立ち上がって周りを威嚇していたのが、近くに馬が来ただけで気にするようになってしまった馬もいました。

そこで、冒頭で触れたダンビュライトですが、今回は現地でレースを見ていたわけではありませんし、無観客ということもあって、見た人から話を聞いたわけではありません。そういう状況ではありますが、僕自身がレースの映像を見た限りでは、スムーズに走れていたように思えたんですよね。ですから、僕自身は効果があったように感じます。

ひと口に去勢と言っても、その効果の有無や、どれくらいの期間で効果が出てくるのかは馬それぞれですから、ダンビュライトがこれからどう変化するのか、僕自身も注目しています。皆さんも去勢された馬がいたら、その前と後でどのような変化があるのか、注目してもいいかもしれませんね。

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