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西塚助手

NHKマイルCでも起こった、レース直前の乗り替わりの舞台裏


先週はNHKマイルCが行われましたが、このレースに出走したラインベックが、レース直前に津村騎手から武士沢騎手に乗り替わる一件がありました。

今回は僕自身に関係することではなかったのですが、レース当日の乗り替わりは実に慌ただしく、いろいろなことが起こるものなんです。今回は、そのことについてお話ししたいと思います。

ラインベックに元々騎乗予定だった津村騎手は、9レースの緑風Sでスタート直後に落馬してしまい、10~12レースですべて乗り替わりとなりました。なお、津村騎手は2週間騎乗を見合わせるそうですが、骨折などの大事には至らなかったということです。

僕自身が乗り替わりを知った時は、最初に“関係者の方々はみんな、忙しく対応しているだろうなあ"と思いました。

乗り替わりが決まったら最初にしなければならないのは、どの騎手に替えるのか、またどうやって決めるか、ということです。

9レースで落馬して、11レースで乗り替わる場合は、パドックに出る前までに誰が乗るか決めなければいけません。僕の経験だと、このくらいの間隔しかない場合、選んでいる時間はないでしょう。それこそ、その場にたまたまいた騎手に依頼することさえあります。

ちなみにこういう場合、JRAの職員の方から『誰と、誰と、誰が空いています』というような話はもらえます。いずれにしても、今回くらい短時間だと、オーナーには事後承諾となってしまう可能性もあるでしょうし、臨場しているのが厩舎スタッフだけだと、調教師の先生でさえそうなってしまうこともあります。

また、当然ながら乗り替わってもらう騎手にも了解を得なければなりませんし、その騎手が検量する時間も必要になります。

今回のケースだと、替わってもらいたい騎手がいたとしても、その騎手が10レースに乗っていて、馬場に入場してしまった後では、乗ってもらえるかどうか確認することができませんし、当然ですが検量もできません。

つまり、乗り替わりを決める段階で、NHKマイルCに乗っていないことはもちろんですが、その時点でその場にいて、確認が取れる騎手に限られる、ということになります。

そして、誰に乗ってもらうか決まったら、次は鞍の問題が出てきます。

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NHKマイルCのケースになりますが、14時25分発走の緑風Sで落馬して、その後に乗り替わりが決まったわけですから、15時40分発走のNHKマイルCまでには、ギリギリで鞍を置き直せる時間があるくらいのタイミングになります。

ちなみに、装鞍をする時は、何もない通路のような場所でするよりも、枠場(※馬を入れる枠組み)などがあった方が置きやすいんです。これは推測ですが、津村騎手の乗り替わりが決まったのは鞍を装鞍するかしないか、というタイミングだったはずですから、もしすぐに騎手が決まっていれば、武士沢さんの鞍を最初から付けることができたか、あるいはパドック入場に間に合うタイミングで鞍を付け替えることができたはずです。

また、鞍の付け替えにはリスクもあります。最近の例をひとつ挙げると、昨年12月に蛯名さんが馬場入場後に落馬してケガをしてしまい、乗り替わることになった一件がありました。

現在のルールだと、そのように馬場入場後の乗り替わりとなる場合、乗り替わる騎手が元々の騎手と同じような体重なら、鞍を付け直さずに乗っていい、ということになっています。

ただ、この時は3kgの減量特典がある菅原明騎手に乗り替わることになったため、鞍を付け直すことになりました。そこですんなり付け直せれば良かったのですが、馬場入場後は馬も気合いが乗っていますし、その際に馬が暴れたことで、発走除外になってしまったんです。

騎手の皆さんの体重は51~53kgくらいが多く、そのあたりの乗り替わりだと選択肢が多いのですが、吉田豊さんや江田照男さんのように50kgない方は鞍そのものが重いんです。ですから、そういった方が乗り替わる場合、ほぼ100%鞍を付け換える必要が出てくるんですよね。

僕自身も直前の乗り替わりの経験がありますが、もうほとんど成り行きみたいなものです。

そんな中で印象深いのは、ハンデ戦で50kgとか、51kgという軽ハンデの馬に騎乗予定だった騎手が落馬してしまい、乗り替わりになったケースです。

そもそも50kgとか、51kgに乗れる人はそう多くありません。当たり前ですが、減量している時間もありません。その時には、レースを終えて調整ルームに戻っていた雄太(中谷騎手)を呼び戻して乗ってもらった、ということもあったんですよ。

まず、落馬は絶対にない方がいいのですが、レースではその危険性が常にあります。騎手の安否が最優先という一方で、こういったケースの当事者は、すぐに次の行動を取らなければならないのも事実です。自分のことに置き換えてみると、大変だっただろうな、と思うんですよね。

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