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西塚助手

安田記念を勝ったグランアレグリアの伏線は、前走にあった(西塚助手のレース回顧)


G1・7勝馬アーモンドアイをはじめとするG1馬が10頭出走したことで、例年以上の注目を集めた今年の安田記念。結果はアーモンドアイが2着に敗れ、グランアレグリア桜花賞以来のG1・2勝目を挙げる結果になりました。

レースを見た個人的な感想ですが、アーモンドアイは敗れこそしましたが、十分強い競馬をしたと思います。しかし、それ以上のパフォーマンスを見せたのがグランアレグリアだった、という印象を受けました。

もし僕がアーモンドアイ陣営の立場だったとして、どんな意識でレースに臨むか想像してみると、アーモンドアイなら100%の状態にするリスクをとらず、90~95%くらいの状態でも十分勝負になる、という考えで臨むんじゃないかと思うんです。

それに対して、勝ったグランアレグリアは予定していたヴィクトリアマイルを回避して、高松宮記念からここに向かったことが、逆に良かったのかもしれません。状態面でも、前走以上だったように思えました。

今回のグランアレグリアは好スタートから中団で流れに乗り、直線で後続を待って追い出されると、鋭く反応して2馬身半差を付ける完勝でした。これほどのレースを見せた理由として、僕自身が考えるのは、グランアレグリアに前走の高松宮記念と同じ池添騎手が乗っていたことが大きいだろう、いうことです。

高松宮記念でのグランアレグリアは、前残りの展開の中、後方から猛然と追い込んでハナ差2着(※3位入線)に入りました。このレースを見て僕が感じたのは、次のレース、つまりはその時点ではヴィクトリアマイルだと思われていたわけですが、そこを見据えた競馬をしているな、ということでした。

マイルで実績を残している馬が1200m戦に出る時は、できることなら先行したい、むしろハナを取る競馬でもいい、という意識になります。しかし、グランアレグリアはスタートから無理に出して行かなかった印象を受けたんですよ。

もし、高松宮記念で無理に位置を取りに行っていたら、マイルに戻ってから折り合いを欠いてしまうかもしれません。そうなると、今回の結果が違うものになった可能性が大きかったと思います。

つまり、前走から次を見据えたレース運びができたのは、どちらも池添騎手が乗っていたことが大きい、ということなんです。それぞれのレースを点ではなく、線として考えると、今回の結果も十分納得いくものだと思うんですよね。

話は変わりますが、先週は来年のクラシックに向けて、早くも2歳戦がスタートしました。我が尾関厩舎にもまだデビューこそしていないものの、楽しみな2歳馬が入厩しています。

そんな2歳馬の中で、僕自身の感覚ではありますが、興奮を覚える馬との出会いがありました。この感じは、サクラゴスペル以来かもしれません。

まだ入厩してきて間もなく、ここからどう成長していくか分からないので、具体的な名前はまたの機会とさせて下さい。それでも、背中の感触や身のこなしなど、随所に素質の高さを感じるんですよ。

また、その馬は気持ちも素直すぎるくらい素直。その分、夢中になりすぎるようなところもあるんですけど、それはこの時期だからでしょう。いずれにしても、ここからどんな馬に成長してくれるのか、本当に楽しみなんです。

それにしても、今の2歳馬はよく教育されていることを、この時期は改めて実感します。昔は厩舎で馴致を行っていたと聞きますが、現在はほぼ100%育成牧場で行われて、ゲートまで練習してから入厩してくるのが普通になっています。

多くの馬は入厩から1ヶ月程度でレースに向かいますが、それでも何の問題もなくデビューしていく馬は少なくありません。この時期に走れること、それ自体も才能だと思います。

一方、育成牧場とトレセンの環境の違いに戸惑う馬もいます。入厩から1ヶ月ほどで競馬に向かうのが一般的になっている現在だと、それを矯正するにもなかなか難しかったりしますが、もし矯正できる可能性があるとすれば、ゲート試験に向かう時期だったりするんです。

だからこそ、携わらせていただく馬それぞれについて、ゲート試験に向かい、そしてデビューに至るまでの時間を大事にしていきたいと、今の時期は改めて思うんですよね。

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