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西塚助手

今年の函館に、直前入厩の馬が多い理由とは


前回予告していた通り、今回は函館開催の現状について話をさせていただきたいと思います。

例年だと、ダービーが終わると夏競馬モードが始まり、函館、そして札幌開催と続いていきます。ところが今年はご存知の通り、競馬界も新型コロナウイルスの影響を大きく受けています。

今年の函館開催についても、JRAと行政、つまり函館市と北海道との間で協議が行われ、詳細が正式に発表されたのは開催まで1ヶ月を切った段階だったんです。

そこでさまざまなことが決まったのですが、まず我々関係者に対しては、基本的に外出禁止ということになりました。ただ、これは函館に限った話ではなく、僕自身も先週は臨場のために東京へ泊まりの出張をしたんですけど、東京でも基本的には外出禁止になっているんです。

食事や、必要な物を購入するための外出は認められていますが、それ以外の不要不急の外出は避けることになっていて、現在の函館は門限に設定されている21時以降は通用門が施錠されてしまうんです。

僕自身は函館に行っていないので、現地に滞在している人に聞いてみたのですが、時間内であれば買い物にも行くことができるし、食事にも行くことができるから、そこまでの不便さは感じないそうです。今回のコロナ禍も長くなっていますから、我々も自然に対応できるようになっているのかもしれません。

またそれ以外にも、感染者が出た場合には寮を隔離施設にするため、女性の関係者や調教師は外部の宿泊施設を使っているようです。

このような感じで、JRAでは可能な限りの対応策をとっていますが、現地に住んでいる方々からすれば、来るのを控えられる人は控えてほしいと思うのは自然なことです。行く方としても、行かずに済むなら行かない、滞在しても短い期間にしたい、と思う人もいるはずです。

ここで皆さん、お気づきでしょうか。今年の函館はいわゆる“滞在"ではなく、“直前入厩"の馬が比較的多くなっているんですよ。これは前述したような状況を踏まえ、木曜日の投票後にトレセンから函館に輸送して競馬をするケースが増えているからなんです。

タイムスケジュールとしては、出走が決まったら木曜日の17時に美浦を出発、金曜日に到着して、週末に競馬をして、最短では火曜日の早朝に函館を出て、火曜日の夕方から夜に美浦に戻ってきます。

確かに長距離輸送で、馬への影響を懸念する声もあるかもしれません。でも、近年は函館への直前輸送で結果を出すケースも増えていますから、僕自身も函館までなら何とか大丈夫、という感覚があります。

ですから、ある厩舎では函館の出走馬はすべて直前輸送で対応しているところもあるんですよ。

この仕事をしていると、出張が楽しみのひとつ、という人もいます。そんな夏競馬も、今年は明らかに様変わりしてしまったことを実感します。

しかし、それでも開催できていることには、改めて感謝しなければいけません。そして、それは各方面のご協力とご理解があるからこそ。その信頼を裏切らないように、我々も強く意識して臨まなければならないと思っています。

さて話は変わりますが、今週は宝塚記念。我が尾関厩舎のグローリーヴェイズも出走予定です。昨年暮れの香港以来となりますが、しっかりと調教もできて、食べることもできていて、良い状態でレースに送り出すことができそうです。

相手も強いメンバーが揃いそうですが、昨年の香港では今回有力馬の1頭に挙げられているラッキーライラックを下していますから、チャンスはあるはず。楽しみにしています。

あと、もうひとつ皆さんにお伝えしたいのが、土曜の東京ハイジャンプです。抽選に通ることが条件ですが、尾関厩舎のシャリオヴァルトが靖典(簑島騎手)とのコンビで挑む予定です。

靖典は尾関厩舎の馬の追い切りによく乗ってくれて、それこそグローリーヴェイズにも跨がっています。競馬に乗ることはなくても、一生懸命に馬のことを考え、しっかりと乗ってくれる姿には、本当に頭が下がります。だからこそ、尾関厩舎の所属馬が障害レースに出走するときには、靖典に任せたいと思っています。

甘いという方もいらっしゃるかもしれませんが、僕自身はそういうことも大事にしたいと思っていますし、この仕事の魅力でもあると思います。

出走できれば、ぜひグローリーヴェイズとともに、応援をよろしくお願いします。

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