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西塚助手

夏場も頑張る馬のため、我々もいつも以上に神経を使う時期です


先週の美浦は涼しい日が続いていましたが、今週以降は日差しが出てくるにつれて、徐々に蒸し暑くなるそうです。

夏本番になり、気温が上がるにつれて、早い馬だとこの時期から夏負けの兆候を示しはじめる馬がいます。そうなると、僕たちも人馬ともに熱中症に気をつけなければならないな、という意識になります。

よく、“牡馬の方が夏負けになりやすい"といわれます。ファンの皆さんも“夏は牝馬を狙え"と言われることもあって、そのように考える方がいらっしゃるようですが、実際のところは熱中症にかかった馬のデータを見ると牡、牝の数はあまり変わらない傾向があるんです。

あと、競馬場で熱中症にかかった馬の数は、平地競走の馬に比べて障害馬の方が多い、とのデータがあります。この理由としては、障害は3000m前後のレースが多く、単純に走る距離が平地より長いから、といわれています。

ここまで言ったところで、皆さんお気づきでしょうか。夏競馬に入ってから、障害レースは朝早い時間に行われるようになっているんです。今年の例で言うと、5月31日(日)の障害戦は京都4Rで11時25分発走だったのが、次週の6月6日(土)は東京1Rで10時05分の発走になっているんです。

夏場は午前中の早い時間と、正午前後では気温がかなり違ってきます。パドックのミストなどは皆さんもご存じだと思いますが、それ以外にもJRAではこういった形で熱中症対策をとっているんですね。

また、我々現場でもいろいろな熱中症対策をしています。電解質を含んだサプリメントを与えることも多いのですが、それ以上に効果があるのは、我々の言葉で“水冷する"ことです。

これはレースに行く前、あるいは装鞍所、レース直後の検量室前など、いろいろなタイミングで馬に水をかけること。これ以外にも、馬房はもちろん、診療所、あるいは馬道などにも水をかけるための場所と設備があるんです。

とにかく、熱中症対策には馬の身体を冷やすことの効果が大きいので、特にこのくらいの時期からよく見かける光景になっています。人間でも、水分を摂ること以上に頭から水をかぶって冷やすことの方が有効とされていますが、それと同じですね。

そこで冒頭の“夏負け"に戻るのですが、これは暑くなることでレースでの消耗が激しくなり、その結果としてそういった症状になるのだろう、と考える方が多いと思います。

もちろん、そういう馬もいます。ただその一方で、夏場になって調子を上げてくるタイプもいますし、暑い中でレースに出続けても、へこたれることなく頑張るタイプもいます。

また、夏のレースでも頑張って結果を残したのに、放牧先に行って一気にガクンとバテてしまった馬もいました。夏負けについてはいろいろなタイプがいて、一概には言えないというのが正直なところなんですよ。

個人的な感覚ですが、夏場の消耗が大きいタイプは、レースの回数ではなく、その前、つまりは調教の段階で、そのような素振りというか、兆しを見せているんじゃないか、と思うんです。

それでも、特に今の時期の3歳未勝利馬のように、暑くても走らなければいけないし、そして勝つという結果を残さなければいけない馬もいるわけです。

今のような季節の変わり目というのは、馬にもいろいろな影響が出てきます。そのあたりに対応して、レースでも結果を残せるように、僕たちがサポートしていかなければいけません。そういった意味で、この時期はいつも以上に神経を使うんですよね。

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