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西塚助手

外ラチ沿いを押し切った“衝撃”のレース…その印象は?


先週土曜の新潟5レース(2歳新馬、芝外1600m)を勝利したリフレイムのレースぶりが、ファンのみならず、関係者の間でも話題になっています。

レースを見た方もいらっしゃるかもしれませんが、改めて振り返っておきます。巧也(木幡巧騎手)が騎乗したリフレイムはスタートしてしばらくしてから先頭に立ったのですが、直線に入ってから一気に外ラチ沿いまで行ってしまい、それでも半馬身差で押し切ったんです。

確かに、見た目にインパクトのある内容で押し切ったのですから、僕たちも驚きました。しかし、このレースを見ていて、決して他人事ではないな、という思いも抱いたんですよね。

僕自身がレースを見た印象では、コーナーまでは右にモタれながらも何とか回っていたのですが、直線で追い出してから完全にコントロールが利かなくなってしまったようです。

今回の理由として考えられるのは、口、つまりハミが利いていない状態になっていたのだろう、と思います。

ちなみに、今回のレースぶりに、エイシンヒカリアイルランドTを思い出した、という声を聞きます。ただ、エイシンヒカリの場合は、乗っていた(横山)ノリさんが制御できなかったのではなく、敢えて外に行くままにしたようにも見えたんですよね。その点で、今回とは少し違うのではないかと。

話をリフレイムに戻すと、所属する黒岩厩舎と我が尾関厩舎は攻め馬をする時間が近いので、僕も何度か調教で見ていました。最初は別の騎手が乗る予定だったようですが、口向きに問題があるということで巧也に替わったそうです。

今回ほどではないにしても、攻め馬で騎手が乗って“これは危ないかもしれない"と言われることは、実はそこまで珍しいことではありません。結果的にレースでは問題がなくても、その危険性を感じることは少なくないんですよね。

僕の経験だと、使ったのが新潟の直線競馬だったから問題を起こさなかった、というケースもあります。“他人事ではない"というのは、そういう意味でもあるんです。

ただ、そういう馬の多くは、言葉は悪いかもしれませんが、ただ回ってきて終わり、ということがほとんどです。リフレイムはあのまま勝ってしまったんですから、それだけ能力が高いのでしょう。

また、リフレイムがゴールした後に鞍が回転して、騎乗していた巧也が落馬してしまいました。人馬ともにケガはなかったそうで、その点は良かったです。

本来、鞍はしっかり装鞍されています。とはいえ、騎手が跨がっている時は、鞍がズレないように極力動きを抑えながら、手綱を引っ張ったり、あるいは追ったりしているものなんです。

逆に言うと、重心を片方に強くかければ鞍はそちらに動きますし、足を突っ張って、立ち上がるようにして手綱を引けば、前に動いてしまいます。今回のようにモタれて、それに伴って進路を戻そうとすると、どうしてもズレてしまうものなんですよ。

騎手の皆さんは引っ掛かったり、モタれたりしても、ほとんどのケースで何事もなかったかのように乗ってきます。今回は、それだけ制御が難しかったんでしょう。

先週、馴致の技術が向上しているという話をしましたが、一方で人間が施す馴致に対応することができず、競走馬になることができない馬もいるのも現実です。

そういう馬が少しでも減り、持てる力を発揮できるように、我々も改めて気持ちを引き締めていかなければ、と思うんですよね。

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