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西塚助手

勇退された高橋義博先生の人柄を振り返って


8月20日(木)付けで、“ちょんまげ先生"こと高橋義博先生が、定年まであと半年を残して勇退されました。

高橋先生は以前から僕にいろいろ声をかけていただく間柄で、対談にも3回出演していただいたことがあります(※リンクは下部にあります)。ですから、お世話になったお礼を申し上げに、勇退される当日に厩舎を訪ねて行きました。先生はちょうど、厩舎の片付けをされていたようです。

先生の最終出走となったのが、8月16日新潟5レースの2歳新馬戦で、藤田菜七子騎手が騎乗したキボウノヒビキでした。その日は偶然ながら、僕も新潟競馬場に行っていたので、装鞍を手伝わせていただいたんですよね。

その時も、そして勇退当日に厩舎を訪れた時も、僕の調教師試験について「頑張りなさい」と繰り返し仰っていて、最後の最後まで気にかけていただきました。

先生は来年2月に70歳を迎えられるので、定年まで半年という時点での勇退ということになります。なぜ今の時期なのか、僕自身お話をさせていただいた印象としては、ご自身で納得した上というか、熟考されて決断されたことのように思えます。

もちろん、最後まで続ける選択肢もあったと思いますし、その気持ちもお持ちになっていたとは思います。ただ、これは僕の想像ですが、コロナ禍の影響も少なからずあったのではないか、と思えるんですよね。

今週は北海道で競走馬セールが行われていますが、そういったセールも完全に通常開催とはいかないようです。また、競馬開催もいろいろな規制が設けられている状況です。馬産地へ足を運び、馬を探すこともなかなか思うようにいかない。頑張りたくても頑張れない状況で、あと半年なら……という選択になったのではないかと。

それだけではないでしょうが、いろいろな状況が重なった結果としてご決断された、と僕自身は感じました。

そんなちょんまげ先生ですが、調教師としてバシケーン中山大障害を制し、弥生賞を勝ったコスモオオゾラ日本ダービーに出走するなどの実績を残されました。

JRAで通算132勝。ご自身が仰っていましたが、ファンの皆さんの記憶に残る馬は少なかったかもしれませんし、実績的にもいまひとつ、と思われているかもしれません。ただ、僕は決してそうだとは思いません。

調教師や騎手は、どうしても数字に目がいってしまいがちです。確かに、勝負の世界である以上、数字がすべてという考え方があるのは当然でしょう。

ただ、そもそも先生はG1を勝っているわけで、それだけでも凄いわけです。また、調教師はひとつの組織のトップですから、僕は数字以外の部分でも評価されるべきだと考えていて、ちょんまげ先生はそういった部分でも素晴らしい先生だったと思っています。

対談記事を読むとお分かりいただけると思いますが、先生は誰に対しても同じ態度で接する方です。騎手に対しても決して威張ることなく、トップジョッキーから若手まで、同じように接している姿が強く印象に残っています。

先生が勇退されると知って挨拶に来たある騎手には、「あなたの考え方は好きです。そのまま頑張ってください」と声をかけたそうです。そういったことを含め、僕が言うと失礼かもしれませんが、人としても立派な方だと思います。

僕自身、あるオーナーに“お金で買えないものがあって、それは人の思いだ"と言われたことがあります。その言葉を聞いてから十数年が過ぎますが、確かにそれは本当だ、と実感することは少なくありません。

数字だけでなく、人の思いや考え方を大事にする、ちょんまげ先生の素晴らしい人柄を、勇退に際して改めて思い出しました。

そういえば、もうひとつ感じたことは、69歳でもまだまだお若いということです。というのも、僕が子供の頃から見てきた定年間近の先生というと、いかにもお年寄り、というイメージが強かったんですよね。

でも最近の先生方は、定年間近でも皆さん若くて、まだ頑張れるんじゃないか、と思うほど。その中でも、ちょんまげ先生は本当に若いです。

先生自身、勇退後はキックボクシングや陸上など、それまでやりたかったことに挑戦していくそうで、トレーニングもされているようです。

すぐ実現するかどうかは分かりませんが、対談出演もお願いしていて、快諾をいただいています。ひょっとしたら、シニアキックボクサーとして有名になったちょんまげ先生との対談が実現するかもしれませんね。

改めて、お疲れ様でした。ありがとうございました。

【高橋義博師との対談集】
2010年①
2010年②
2010年③
2010年④

2011年①
2011年②

2012年①
2012年②
2012年③
2012年④

※西塚助手への質問、「指令」も募集中。競馬に関する質問、素朴な疑問をお送り下さい! 「こんな人と対談してほしい」などのリクエストも歓迎です!


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