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西塚助手

引退された山本騎手のコメントには、本当に重いものを感じます


先週27日(日)の中京1レースを最後に、山本康志(こうし)騎手が43歳で引退されました。

山本騎手は2011年の中山大障害マジェスティバイオとのコンビで勝つなど、障害重賞6勝、JRAでは132勝を挙げられました。同じ美浦所属ということもあって、もちろん僕も山本さんと一緒に仕事をしたことがあります。

以前も話をしたことがありますが、障害騎手の皆さんは、調教助手をはじめ、厩舎スタッフとの関わりが深いんですよ。なぜかというと、1頭の障害馬を育てていくためには、何度も何度も乗ってもらって、いろいろなやり取りをしなければいけないんです。ですから、自然と関係が深くなっていくんですよね。

特に、山本さんのように障害戦で長く乗ってこられたベテランになると、これまで数多くの厩舎と仕事をされています。ですから、最後のレースに臨む山本さんに声援を送る厩舎関係者は、僕も含めて本当に多かったんですよ。

僕自身、山本さんとの仕事で特に印象深いのが、西塚厩舎時代のビジネスサイクルです。

ビジネスサイクルは、別の馬の調教を手伝いに来ていた山本さんと話をしていて、いろいろな馬のことが話題になる中で、乗ってもらうことになったと記憶しています。山本さんは普段からこんな感じで、いろいろな馬の特徴をよく見ていますから、“こうしたらいいんじゃないか"とか“こういう方法もあると思う"というように、積極的に意見を言ってくれたんですよね。

また、山本さんといえば、オジュウチョウサンが障害で初勝利、2勝目を挙げた時にコンビを組んでいましたよね。オジュウチョウサンは現在も障害のチャンピオンとして君臨していますから、そのことを覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

障害騎手と障害馬との関係は、平地のそれとは違った結びつきがあって、障害では調教で乗った騎手がレースでも乗るケースが多いです。マジェスティバイオはコンビ2戦目で中山大障害を勝ったわけですが、そういったドラマ性があるのも、障害戦の魅力のひとつだと思うんですよね。

話が少し逸れますが、馬と騎手とのコンビといえば、今年2月の落馬負傷から休養中だった松岡さんが、来月12日から調教に復帰、順調なら24日の東京からレースに復帰する、ということが発表されました。

松岡さんは2度の手術を経て、厳しいリハビリを続けてこられました。そこまで頑張れたのは、次走に天皇賞・秋を予定しているウインブライトに騎乗したいという思いがあったから、と聞いています。今は乗り替わりが当たり前の時代ですが、そういったコンビもいるわけで、これも競馬の魅力というか、大事な部分ですよね。

そう思うと、山本さんが最後のインタビューで残した「怪我でやめていくジョッキーがいる中、自分で引退するレースを決めることができたことは幸せです。厩舎の方、馬主さんなど多くの人に助けられ、25年続けられたことも幸せなことだと思います」という言葉には、本当に重いものを感じます。

以前対談に出ていただいた横山義行さんは、怪我のために引退することになりました。平地、障害に限らず、たくさんのジョッキーが怪我をして、中には復帰できなかった方もいらっしゃいます。そんな中、25年以上乗り続けて、しかも引退を自分で決めることができたということは、本当に凄いことなんですよね。

今後、山本さんは僕と同じ調教助手として頑張っていかれるそうです。どんな馬を育てられるのか、僕も楽しみにしています。

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