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西塚助手

松岡さんとウインブライトの気迫に、涙が止まりませんでした


先週日曜は阪神JF香港国際競走という、国内外で注目を集めたG1が相次いで行われました。今回はその中で、僕が注目していたレースをいくつか振り返ってみたいと思います。

まずは、日本で行われた阪神JFです。勝ったソダシは史上初となる白毛馬によるG1制覇で、そのニュースは海外でも伝えられたようです。

ソダシはこれで4連勝。今回も着差こそハナ差でしたけど、鋭く追い込んできたサトノレイナスを最後まで抜かせず、勝負強さを発揮しました。強い内容のレースで、来春のクラシックでも間違いなく主役の1頭になるでしょう。

ソダシがこれだけ注目を集めるのは、デビューから4戦4勝ということもありますが、白毛ということが大きな理由のひとつです。僕は白毛の馬に携わったことはないのですが、芦毛の馬に携わった経験や、白毛の馬に接した人の話を聞くと、白毛や芦毛は気持ちの面で難しい馬が多いようなイメージが強いんですよ。

とはいえ、ソダシをはじめ、シラユキヒメの一族は活躍馬が多く出ています。ですから、これはあくまで僕が携わった馬に限る話なのかもしれませんし、ソダシに携わっている方がそういった面を上手くコントロールしたからこそ、今回の結果が出たということなのかもしれません。

また、阪神JFではソダシ以外に、メイケイエールも個人的に注目していました。

というのも、レース前にメイケイエールを管理する武英智先生が“外枠で良かった"という主旨のコメントをされていたからなんです。ここまでのレースで行きたがる面を見せていた馬が8枠18番の大外枠ということで、その理由について、ファンの皆さんの間でも話題になったようです。

レース後、その真意を僕なりに想像してみたのですが、大外枠ということで、スムーズに自分のリズムで競馬をすることができるから、ということだったんでしょう。実際、スタートから道中までは武豊騎手が上手に導いていたと思います。

今回ポイントになったのは、4コーナー過ぎです。メイケイエールはそこから進出して直線で一旦先頭に並びかけましたが、伸び負ける形で4着でした。レース後、武豊騎手は4コーナーから掛かって折り合いが付かなかった、とコメントされたそうです。

“もう少し抑えていれば"という声もあるようですが、これはあくまで結果論でしかないんですよね。武豊騎手は勝負所でも持ったままで、促していたわけではありませんし、直線での追い出しもギリギリまで待っていたと思います。

状況は違いますが、ジャパンCグローリーヴェイズは自ら踏んでいって、交わされる形になりました。それは川田騎手の意図で、直線でセーフティリードをとっておきたかったから、ということだったんです。レース後に言った通り、それによってグローリーヴェイズの力を出し切れた、見事な騎乗だったと思っています。

同じように見えても、状況によって騎手の判断や、そうした理由は全く違ってきます。実際、刻一刻変わる状況に対してコンマ数秒でジャッジをしているわけで、本人にしか分からないことの方が多いんですよね。見ている側としても、それを忘れてはいけないんじゃないかな、と思うんです。

もうひとつ振り返っておきたいレースは、もちろん香港カップです。ノームコアが優勝し、松岡さんが乗ったウインブライトは2着でしたけど、僕はレース後に涙が止まりませんでした。

ブッチャけさせていただきますと、僕個人としては、全くダメかもしれないな、と覚悟していたんですよ。中山記念以降、裂蹄で休養を余儀なくされてしまい、復帰戦となった天皇賞も10着。あの1走だけで、去年勝った時と同じくらいの状態に戻すのは、そうそう簡単ではないだろう、と思っていたんです。

乗っていた松岡さん自身も、完全に回復していたわけではないんですよね。実際、香港から戻ってきたら、再手術が決まっているんです。

そういう状態なのを知っていたので、直前に“応援している"というメールを送ると、“足が折れても追ってくるぜ"と返ってきたんです。そういう状態でも、今回の追いっぷりは本来の松岡さんのそれでしたし、ケガを抱えながら乗っていることは感じさせませんでした。

これこそが、松岡正海なんですよね。

その気迫、思いにラストランのウインブライトも応え、最後まで勝ち負けを争った。もう、レース後は感涙です。

無事に手術が終わって、コロナが落ち着いたときには、対談に出ていただく予定です。僕も、それを楽しみにしています。

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