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西塚助手

我々厩舎スタッフが、レースの走破タイムより重視していることとは


先週は朝日杯FSが行われ、7番人気のグレナディアガーズが2番人気ステラヴェローチェ(2着)、1番人気レッドベルオーブ(3着)を下して優勝しました。

大逃げを打った馬がいる中、好位で流れに乗って、直線で抜け出して人気馬を振り切る。未勝利戦を勝ったばかりの馬とは思えない、本当に強いレースぶりだったと思います。

勝ち時計は1分32秒3。このタイムは、今年のデイリー杯2歳Sレッドベルオーブが記録した1分32秒4を更新し、このコースの2歳レコードとなりました。

競馬は、そのレースで他の馬より速いタイムで走ることを目指すものです。ということは、レコードタイムを出すことイコール強さの証明、と思われるかもしれません。

確かに、レコードタイムで走ることができるということは、それだけ能力がある証ですし、評価されるべきことです。

ただ、これは僕の考えですが、自分が携わっている馬が勝ったとします。その時に、勝ち方やレースぶりを見て“この馬は強い"と自信を持つことはあるかもしれませんが、タイムの面については、そこまで意識しないと思うんですよ。

どういうことかというと、レースは他の馬がいて成立するものですから、速いタイムが出るような展開にならなかった時はどうなのか。力が要る馬場状態になることもありますし、あるいはペースが遅く、瞬発力勝負になることもあるわけです。

今回は大逃げを打つ馬がいましたが、レースは毎回相手が違います。違う形のレースとなった時にも対応することができるかどうかは、特に2歳馬のように経験が少ない中では、まだ分からないからです。

これまでにも、レコードタイムは幾度となく更新されてきました。ディープインパクトも、キタサンブラックも、アーモンドアイもレコード勝ちした経験があります。ただ、レコード勝ちした馬が必ずチャンピオンになるかというと、決してそうではないんですよね。

つまり、速いタイムを記録するのは能力の証明のひとつではありますが、速いタイムが求められない展開になった時など、いろいろな状況に対応する力も、大事な能力のひとつなんです。

実際、我々厩舎スタッフが馬を評価する時も、走破タイムはそれほど重きを置いていないと思うんですよね。それよりも、レースの中での動きや反応だったり、直線でどのような脚を使えているのか、ということを重視しているように思います。

グレナディアガーズは、今回のレースで高い能力を持っていることは証明しました。今後は、別の展開になった時にどんなレースを見せてくれるか、注目したいと思っています。

最後になりますが、今年の連載は今回が最後ということになります。今年は新型コロナウイルスの影響で、対談がなかなか行えませんでした。本当に申し訳なく思っています。

ここへ来て感染者が急増している状況で、いつ再開できるかは不透明ですが、再開する時は恒例となっている田辺さんをはじめ、楽しい面々に登場していただこうと思っています。皆さんも健康に留意しつつ、お待ちいただければと思います。

今年も本当にお世話になりました。どうぞ良いお年をお迎えください。

※西塚助手への質問、「指令」も募集中。競馬に関する質問、素朴な疑問をお送り下さい! 「こんな人と対談してほしい」などのリクエストも歓迎です!


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