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西塚助手

ハミは奥が深く、慎重に選ぶべきものだと思います


先週行われたきさらぎ賞ランドオブリバティが出走し、後方から脚を伸ばして3着に入りました。

ご存じの通り、ランドオブリバティは昨年のホープフルSで逸走してしまい、競走中止となりました。それから平地調教再審査を経て、中5週での出走でした。これだけの短い期間で出走して、しかも結果を残せるだけの状態まで持ってきたことに対して、率直に凄いと思いました。

僕が携わる馬も、調教、あるいはゲート再審査を受けることがあります。そういう場合、多くのケースでは合格した後で一旦放牧に出される、もしくは一旦放牧に出て帰厩後に試験を受けることが多い気がします。

その理由としては、それぞれの馬の事情があって一概には言えませんが、今回のランドオブリバティについては、再審査を受けた後にそのまま調整して出走したそうです。おそらく、大丈夫だという判断だったのでしょう。

調教再審査という言葉は聞いたことがあっても、実際何をしているのかご存じない方もいらっしゃるかもしれません。これは簡単に言うと、トレセンの馬場を使用して1頭で追い切りをして、しっかりと走れているかどうか、ということを判断するものなんですよ。

ただ、競馬場で行われるレースは他の馬がいて、今は無観客ですが、普通はたくさんのお客さんがいらっしゃいます。それなのに、トレセンで1頭だけで走っても、それだけで大丈夫かどうかを本当に判断できるのか、という指摘があるのも事実です。

ゲート再審査は“13レース"ともいわれ、お客さんがいる競馬場で行われることもあります。平地調教再審査の方法についても、今後は変化があるのかもしれませんね。

ランドオブリバティに話を戻すと、今回は“ジェーンビット"というハミに替えたことも効果的だったのではないか、という指摘があります。

これは、てこの原理を利用したもので、一般的なハミに比べて手綱の操作をより強く伝えるとされています。ヨレる癖がある馬に対して効果的だと言われていますが、僕も掛かる馬に対して使ったことがあります。

確かに効果は強いと感じましたが、その分どれだけ引っ張ればいいのか、より繊細な操作が求められ、本当に難しいとも思いました。

ジェーンビット以外にもハミにはいろいろな種類があって、それぞれ効果が違います。そして、馬の性格だけでなく、乗る人によっても使い分けるんです。同じ馬であっても、乗っている人が替われば違うハミを使うようになることは珍しくありません。

ですから、今回のランドオブリバティがハミを替えたことも、デビューからずっと乗っている三浦騎手の同意があったはずですよ。

ハミ選びというのは、本当に奥が深いものです。最適解を見つけるのが簡単ではないからこそ、慎重に考えて選ぶべきものだと思っています。

ハミを替えただけで馬が何とかなるかというと、そうではありません。今回のランドオブリバティも、ハミ以外にいろいろと工夫したことがあるはずです。確かにハミは大事なものですが、僕の考えでは、ハミはあくまで人間の意思を馬に伝える手段のひとつ。それを忘れてはいけないと思います。

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