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西塚助手

勝負服はオーナーの象徴で、大事なものなんです


ユーザーの方から『先日、JRAの成績欄に【●●号の調教師▲▲は、登録服色を使用できなかったことについて過怠金10000円】とありました。これはどういうことなのでしょうか』というメッセージをいただきました。今回は、この質問にお答えしたいと思います。

JRAでは基本的に、オーナーの方々はそれぞれ専用の勝負服を登録して、その所有馬に騎乗する騎手は登録された勝負服を着用してレースに臨むこと、とされています。

ところが、本来の勝負服を着用できないケースがあって、冒頭の制裁は、それに対するものです。今年も、何件かありました。

その時に騎手の方が着るのが“貸服"といわれるもので、白地に同じ枠色の斜めタスキ(1枠の場合は水色)となっています。

本来の勝負服を着用できない理由として最も多いのが、勝負服が競馬場に届いていない、つまり忘れてしまったケースだと思います。

なぜそのようなことが起こるのか。そもそも、勝負服はそれぞれの厩舎が管理しているわけですけど、それをどのように競馬場に持っていくかということは、厩舎によって違うんです。

ちなみに僕の働く尾関厩舎では、必ず馬に付けていきますし、かつての西塚厩舎では臨場に行く調教師や調教助手が持っていく形になっていました。

また、勝負服違いが起こりやすい状況もあります。一番多いのは、馬主名義が変更になった直後。例えば、法人名義から個人名義、あるいはオーナーが替わった時などは、実際に多いと思います。

あとは、クラブ法人と個人オーナーでそれぞれ馬を持たれていて、そこで勘違いしてしまうケースでしょうか。ただ、そういう場合は、同じ日に複数の馬を使っていることも多いので、他の厩舎から借りることで対応できますし、実際そういうケースはあります。

それ以外だと、競馬場に勝負服を持っていったのに、貸服になってしまうこともあるんです。

これは、勘違いから起こるケースです。実際にあった例だと、本来は厩舎スタッフが調整ルームの入口に勝負服を届けておいて、それを騎手が競馬場に持っていく、という形でした。そこで騎手の方が見落として、検量室に届いていると勘違いしてしまって、パドックに向かう段階で『ない!』ということになってしまったんです。

この段階で気づいても後の祭りで、貸服になってしまいますが、早く気づけば、ダッシュで調整ルームまで取りに行くこともできます。僕も過去に経験しました。余談ですが、中山と東京で比べると、まだ東京の方が楽かなぁ(苦笑)。

なお、今はコロナ禍もあって、勝負服は一括で検量室の脇に置かれて、できる限り検量室に人が入らないようになっています。

さらに、ミス以外にも貸服になるケースがあります。オーナー登録は終わっているものの、出走の段階で勝負服が決まっていなかったら、投票の段階で500円を支払えば、貸服の使用が認められているんです。この場合は、過怠金が取られることはありません。

勝負服といえば、父やその同世代の人たちには、“馬と勝負服さえ持っていけば何とかなる"とよく言われたことを思い出します。

例えばブリンカーや手綱を忘れたとしても、競馬場に用意されています。ハミであっても、よほど特殊でないものであれば用意されています。しかし、勝負服はそうはいきません。

ですから、僕も父の教えを守り、絶対に貸服にならないように心がけています。臨場に行った時にはまず勝負服がどこにあるのか、そして騎手と行き違いがないかをチェックするようにしています。

勝負服はそれぞれのオーナーの象徴で、大事にされているものですから、これからも気を付けて、仕事に臨みたいと思っています。

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