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西塚助手

岡田繁幸オーナーを偲び、その功績を振り返ります


先週19日(金)、ビッグレッドファーム、サラブレッドクラブ・ラフィアンなどを創設し、日本の競馬を長年盛り上げてこられた岡田繁幸オーナーが亡くなられました。

残念ながら、僕個人としては直接お話をさせていただいたことがないのですが、尾関厩舎ではアンネリース(サラブレッドクラブ・ラフィアン名義)、コスモバルバラ(ビッグレッドファーム名義)の姉妹など、多くの馬に携わらせていただきました。

岡田オーナーといえば相馬眼が有名ですが、過去の常識を打ち破って新しいことを始められる、パイオニア的な存在でもありました。その中には、僕の仕事に影響を与えてくださったものももちろんあります。

僕がトレセンに入った15年ほど前、育成牧場とトレセンが連携し、短ければ入厩して10日でレースに出走するという、今ではスタンダードなスタイルが定着してきていました。

昔から育成牧場を活用して、入退厩を繰り返しながらレースに出走させるというスタイルは、個々の馬ではあったと思います。ただ、たくさんの馬を所有しながら、その馬たちを短いサイクルで回転させつつ出走させる、というスタイルを確立させたひとりが、岡田オーナーだったんです。

ご存じの通り、岡田オーナーは決して良血ではない馬も、定評のある相馬眼から発掘し、多く所有されていました。そういった馬を早い時期から坂路で徹底的に鍛え上げ、先ほど話したようなサイクルで多くレースに使い、2歳戦の開始直後から賞金を獲得していく。そういったスタイルを中心に、成功を収められたわけです。

在厩期間が短くなると、その分預託料が安くなりますし、治療費も少なくて済みます。その一方で会員さんのご負担も考え、補助金が出る削蹄はできるだけトレセンの中で行うようにする。合理的な方法です。

このようにビジネスライクな面もある一方で、情にも厚く、人間味も溢れる方、という印象も強いです。

関東では稲葉隆一先生、関西では中村均先生との関係を、それぞれの先生が引退されるまで大事にされていました。地方では、岡田オーナーが軌道に乗る前に、川崎の河津政明先生にお世話になったとのことで、その子である河津裕昭先生にプレイアンドリアル、トラストを預託し、中央の重賞を勝たれました。

あとはもちろん、松岡をはじめ、現在のマイネル軍団の主戦騎手である(柴田)大知君や丹内を信頼して乗せ続けるというスタイルですよね。

松岡は“いまの自分があるのは繁幸社長のお陰だ"と、普段から話しています。記憶に新しいところではウインブライト、それ以外にマイネルキッツマイネルチャールズマイネイサベルなど、岡田オーナーの関係する馬で数多く重賞を勝っています。失敗もあったと思いますが、それでもチャンスをいただき、その経験を通して成長させてもらったという思いが強いんでしょう。

定評のある相馬眼も、“このような形の首差しをしている馬は、2000mまでです"といった感じで、そう思う根拠を信念を持って分かりやすく説明する。その内容も興味深いものですが、そのように言い切ることを憚る人が多い今の時代にこそ、貴重な存在だったような気がします。

それだけの方が亡くなられた喪失感は大きいですし、その影響も決して小さくないと思います。心より、ご冥福をお祈りいたします。

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