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西塚助手

高松宮記念、ドバイ国際競走で感じたことをお話しします


先週は国内では高松宮記念、海外ではドバイ国際競走が行われ、いよいよ春のG1シリーズ幕開けとなりました。今回はこれらのレースから、僕が感じたことをお話ししたいと思います。

まず、日本の高松宮記念です。レース前の印象としては、上位10頭くらいまでが拮抗しているイメージでした。加えて馬場状態も悪化することが予想されていましたから、展開ひとつで紛れが生まれるだろう、と。ですから、大半の馬にチャンスがあるのではないか、と思っていたんです。

ですが終わってみると、ダノンスマッシュが父ロードカナロアに続いて親子制覇を達成。上位人気3頭での決着になりました。結果を見ると、力がある馬がその力を出し切った、ということなんでしょう。

ただ、個人的にひとつ感じたことがあって、それは勝ったダノンスマッシュを含め、上位に来た馬が通った進路です。

ジョッキーの皆さんからは、“レースでの進路取りの大切さ"についての話をよく聞きます。ですから、皆さんはレース当日の朝に馬場を歩いて状態を確認したり、当日のレースでも馬場状態を観察しつつ、なるべく良いところを選んで通ろう、と狙っているわけです。

ただ、競馬は1頭で走っているわけではありませんし、枠順もそれぞれの馬で決まっています。馬場の良いところが分かっていて、そこを狙ったとしても、必ずしもそこを通れるわけではありません。たとえば外が良いと分かっていても、内枠で外に出ることができないことももちろんあります。

そして今回は重馬場となり、勝ったダノンスマッシュは7枠14番、2着レシステンシアは8枠16番で、真ん中よりも外目から脚を伸ばしてきました。一方、3着のインディチャンプは、内から伸びて勝ち馬とはクビ+クビ差でした。こちらは5枠9番で、上位に来た馬より内枠です。

これが逆だったらどうかは分かりませんが、実力が接近した上位馬がこれだけ僅差だったことを考えると、枠順などの要素が勝敗に影響した可能性は十分ありそうです。改めて、競馬の面白さと難しさを感じたレースでした。

また、前夜に行われたドバイ国際競走は、G1・4レース(ドバイワールドカップドバイシーマクラシックドバイターフドバイゴールデンシャヒーン)に出走した日本馬はいずれも2着が最高でした。

それでも、どのレースも印象的でした。個人的にいちばん驚いたのは、ドバイゴールデンシャヒーンで2着に頑張ったレッドルゼルです。

ダート1200mの国際レースとなると、アメリカがいちばん強いと思いますし、地元ドバイ、最近はサウジアラビアの馬も侮れません。昔は難攻不落で、日本馬が勝つのは無理ではないか、と言われていた時代もあります。

実際、今年もそういった国から強い馬が参戦していましたが、19年にはマテラスカイ、今年はレッドルゼルが2着に入ったわけです。日本馬が勝利する日が近いのではないか、と思わせてくれました。

ダートは国や競馬場によって質が違う、とよく言われます。先ほど言ったように、枠順やメンバーなど別の要素もありますが、サウジアラビアで勝ったコパノキッキングが5着、2着のマテラスカイが12着に敗れてしまった理由は、そんなところにもあるのかもしれません。

一方、芝1800mのドバイターフ、芝2410mのドバイシーマクラシックは、過去に日本馬が勝っているレースです。特にドバイシーマクラシッククロノジェネシスラヴズオンリーユーのG1馬2頭が引き離してワンツー、くらいの期待をしていましたが、惜しくも2、3着でした。

勝った英国馬のミシュリフとはクビ+クビ差の僅差ではありましたが、世界のどこかには強い馬というのがいるんだ、ということを改めて認識させられました。

自分がこの世界に入った15年前と比べると、日本の馬が当たり前のように、しかもたくさん海外に遠征するようになり、結果を出してきています。皆さんにとっても、勝ってもそれほどの驚きがない、くらいの感覚かもしれません。

もちろん、日本の馬は確実に強くなっています。しかし、世界の馬が弱くなっているわけではない。もしかしたら、日本の馬たち以上に強くなっている可能性もあります。

コロナ禍で昨年は中止となったドバイ国際競走が、今年は無観客で行われました。その影響で出てこなかった強豪もいるでしょう。僕たちは、世界にはまだまだ強い馬がいるということを忘れず、驕ることなく仕事にあたらなければ、と思います。

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