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西塚助手

エフフォーリアで武史が見せた騎乗ぶりに、凄さを感じました


先週行われた日本ダービーは、シャフリヤールが圧倒的1番人気に推されたエフフォーリアを差し切って優勝。鞍上の福永騎手はダービー連覇となりました。

レース前、僕個人の印象としては武史(横山武騎手)が乗ったエフフォーリアが勝つのではないか、と見ていました。そして、もし負けるとしても僅差になるだろう、と。結果的に、エフフォーリアはハナ差の2着でしたから、後者が正解ということになりました。

確かに、エフフォーリアは勝つことができませんでした。しかし、僕が見たところ、武史はプレッシャーがかかる状況の中で上手に乗っていたと思いますし、凄いな、と感じる部分もありました。

具体的にどこがそう感じさせたかというと、ゲートから1コーナーまでの入り方です。

エフフォーリアは1枠1番からのスタートになりましたが、最内枠はロスなく運べる分、包まれやすくなるリスクもあるわけです。どう乗るのかと思って見ていたら、武史は引っかかるリスクを負っても、敢えて序盤から位置を取りに行ったんですよね。

ここからは僕の想像ですが、包まれて抜け出せなかった、という負け方なら後悔が残るでしょうし、それは避けたかったのではないかと。そして何より、初めての2400mで自分から位置を取りにいっても、道中でリズムに乗って直線で抜け出すレースをすれば勝てるはず、という馬への信頼があったからこそ、あの競馬をしたんだろうと思うんです。

普通のレースで、少し力の劣る馬で採った戦法ではありません。ダービーという舞台、しかも単勝1倍台の圧倒的人気を背負いながら、あの競馬ができたことが本当に凄いんです。

結果的にハナ差の決着となったことで、4コーナーで前が開いた時に仕掛けたタイミングが早かったのではないか、という意見もあるようです。

しかし、田辺さんも折に触れて言っていますが、コンマ5秒前にあったスペースが今はもうない、ということはよくあります。あそこで仕掛けずにスペースがなくなり、脚を余してしまったならば、今度はあのタイミングで動いておくべきだったということになるでしょう。つまり、仕掛けのタイミングについては結果論でしかないのではないか、と思うんです。

個人的には、逃げた馬がもう少し速いペースで行って、もう少し馬群がばらけていたら、もっと楽にいい位置を取ることができていたと思います。ただ、これも結果論ですし、1頭で競馬をしているわけではないので、それも含めて競馬ということなんですよね。

僕も武史のことはデビュー前から知っていて、これまでもこのコーナーで何度か触れてきています。彼は競馬に対して本当に真面目で、ストイックさの部分ではこれまで活躍されてきた諸先輩ともひと味違うところがあります。

勝ち星が増えて注目度が増すと、程度の差こそあれ、周りの環境が変化します。それでも、武史の場合は何も変わらないようで、競馬のことしか考えていないんじゃないか、とさえ思わせるんですよ。

お父さんのノリさん(横山典騎手)はこれまでにダービーを2回制していますが、90年のダービーでは1番人気のメジロライアンに騎乗して2着に敗れています。奇しくも、今回の武史と同じ22歳の時でした。

今回負けてしまったことは、誰よりも武史本人が悔しいはず。その思いを忘れることなく、将来に向けて頑張っていくでしょうし、武史ならやれるはず、と信じています。

さて、以前から何度か話をさせていただいているレディアイコが、5月に帰厩しました。

まだ蓄膿症の方は完治しているわけではなく、穴を開けたところから膿が出ている状態ですが、いまのところそれが気管支の方に入ってしまうこともなく、順調に調教メニューを消化しています。

帰厩後は坂路で乗り込まれていましたが、先週は初めて下(ウッドチップコース)でマユちゃん(黛騎手)が乗って追い切りをしました。

正直なところ半信半疑でしたが、マユちゃんも“なかなか良い動きでしたよ"と話していました。レースに向けて徐々にではありますが、態勢が整いつつあります。ここからも順調に進めてレースに送り出せるように、頑張っていきたいと思っています。

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