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西塚助手

北海道の変則開催で、どのような影響が出るのか?


先週から北海道シリーズが始まり、いよいよ夏競馬本番というムードになってきましたね。

ご存じの通り、今年は東京オリンピックに対応するため、北海道シリーズは例年と違う順番になっています。6月12日から札幌で3週、その後函館で6週、そして再び札幌で4週が行われます。

また、変則開催なのは北海道だけではありません。京都競馬場でも改修工事が行われているため、それが阪神、中京、小倉の開催時期にも影響しています。これほどの変則開催は、僕の記憶の中でもないものです。

皆さんの中には、競馬場が違うだけじゃないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、開催場や時期が変わると、働いている我々、そして馬にも少なからず影響は出てくるものなんです。

たとえば北海道開催です。例年は函館で2開催、札幌で2開催の順番で行われます。その場合、第1回函館開催の途中から札幌の馬房が解放されて、トレセンのように使用することが認められています。つまり、札幌で調教して函館に輸送してレースに出る、という選択肢が出てくるわけです。

これは通称“裏札(うらさつ)"と呼ばれていて、これが札幌開催になると、逆に函館の馬房を使うことが認められる“裏函(うらはこ)"ということになります。

そして、今年はどうかというと、札幌開催の最初から函館の馬房を使用することが認められているんです。

昨年も話したと思いますが、例年だと裏札が始まるまでの函館開催は、美浦から投票後に出発する、という選択肢が出てきます。つまり、美浦で追い切りをかけて、函館に送り込むことも可能なんです。

ところが、今年は事情が違い、最初が札幌で、しかも裏函が始まっています。函館から札幌までの輸送時間は6~7時間かかりますから、美浦から札幌まで直前輸送することになると、投票前に出発する必要が出てくる場合もあるわけです。ですから、馬によっては出走できるかどうか不確定な状況のまま、札幌に向かわなければならなくなってしまうんです。

僕が聞いた話では、裏函にはまだあまり馬が入厩していないようです。ということは、今札幌のレースに出ている馬は、ある程度前から札幌に入厩して臨んだ馬が多い、ということなのでしょう。

また、関東ではまだ東京開催が行われています。

例年だと、北海道の最初の1、2週は出走馬が少なくなりがちです。それは東京ならトレセンで調教できるメリットがありますし、東京の方がコースのバリエーションが多く、選択肢が広くなるのが理由のひとつです。

あとは、函館と札幌間の移動となると、スタッフや馬の移動も絡んできます。特に、複数の馬を連続して北海道開催で使いたい場合、どこで馬を調整するのか、スタッフをどう動かすのか、そのマネージメントが大変なんです。

そういう理由で、選択肢が多く、通常の輸送で競馬ができる東京で開催が行われているなら、そちらを優先するのは自然なことだと思うんですよね。

ただ、北海道では滞在で競馬ができますし、コース形態などの理由で、北海道に連れて行って競馬をしたい馬もいます。そういった馬を上手く使うにはどうすればいいか、各陣営がよく考えていて、そのアプローチもそれぞれ違ってくるんです。そこは腕の見せ所です。

ちなみに、函館と札幌間の輸送時間は、だいたい美浦から新潟に輸送するのと同じくらいです。道路事情などは違いますが、それだけ負担がかかるわけです。

ですから、たとえば皆さんが“この馬は北海道が得意のはずだから"と思っていても、実はその馬は滞在競馬が合っていて、輸送競馬はそれほどでもない、ということもあり得るわけです。特に今年は変則開催ですから、そこは気をつけた方がいいかもしれませんね。

正直なところ、函館2開催、札幌2開催と連続で行われ、その中で裏札、裏函があるという、従来の形がやりやすそうな印象はあります。ただ、こういったことは初めてなので、やってみたら案外良かった点もあるかもしれません。このことについては、終わってから改めて話をさせていただきたいと思っています。

さて、毎週近況をお伝えしていたレディアイコですが、土曜日の東京芝1400mに出走予定となりました。

先週は追い切りを行っていて、いい状態でレースに送り出せそうです。ただ、蓄膿がある馬ですから、熱発の不安は付きまといます。とにかく慎重に、できることを精一杯やって送り出したいと思っています。ぜひ注目していただき、応援をよろしくお願いします。

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