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西塚助手

レースを経験したことで、レディアイコの一変に期待したいと思います


以前から話をしているレディアイコが、6月19日(土)の東京3レース(ダート1400m)でデビューしました。

結果は、残念ながら16着となってしまいました。母父オグリキャップということで注目もいただいていたのですが、会員の方々をはじめ、応援してくださった方々には申し訳ない気持ちです。

ただ、僕個人としては、まずはレディアイコを褒めてあげたいと思います。ゲートで縛らなければならなかったのもそうですが、蓄膿症という珍しい病気を発症して鼻骨に穴を開けられ、順調な馬に比べると大きく出遅れながらも、デビューしてくれたのですから。

人間でも、手術を受けるというの大変なことです。馬は言葉を発することができませんが、そのような状況にも耐え、ここまできている姿を傍らで見ている僕としては、本当に頭が下がります。

感情的な部分が先に出てしまって、すみません。改めて、レースを冷静に分析させていただきます。

レディアイコは未勝利戦でのデビューで、他の馬はほとんどがレースを経験していました。ましてこの時期ですから、4回、5回のレース経験がある馬もけっこういるわけです。皆さんもお分かりだと思いますが、そのような経験馬相手の初出走というのは、本当にハードルが高いです。

経験馬相手に初出走の馬が勝つことは確かにありますが、それは能力が一枚も二枚も抜けていたということでしょう。そのような勝ち方をした馬は、その後も活躍するケースがけっこうあると思うんですよ。

また、直線が長い東京で、重馬場で速いタイム(1分24秒5)の決着。付いていくことができなくなると一気に離されてしまいますから、勝ち馬から4秒6という差になってしまいました。

正直に言うと、そのような状況で初めての競馬を経験するわけですから、厳しい戦いを強いられることは覚悟していました。それでも、現実を見せつけられるとショックを受けます。

それでも、まだ諦めるには早いです。デビュー戦の馬体重が380kgという小柄な馬ですが、500kgの馬に負けないくらいの食欲があります。話題の“ウマ娘"ではオグリキャップが大食いキャラで、実際にも飼い葉を他馬の倍近く食べていたそうですが、まさにそんな感じ。追い切りを行っても、決して飼い葉が上がってしまうことがありませんでした。そういう馬は変わってくる可能性があります。

また、レースを経験したことによる上積みにも期待できます。順調にいってくれればあと数回はチャンスがあるはずですから、そこでの激変に期待して、僕もレディアイコの頑張りに応えていきたいと思っています。ぜひ、応援してください。



話題が変わりますが、先週のユニコーンSの向正面でピンクカメハメハが急性心不全を発症し、命を落としました。騎乗していた北村宏司騎手は落馬してしまい、右足首を骨折したそうです。

馬が骨折したり、あるいは今回のように内臓の疾病によって転倒するケースでは、馬が少しだけ踏ん張ってくれることで、乗っている人間の受ける衝撃が軽減されることがあります。

通常なら心不全を発症した馬は踏ん張ることができず、転倒してしまっても不思議ではありません。しかし、今回のケースでパトロールビデオを見たところ、踏ん張った結果ラチに接触しているように見えます。馬も転倒後に再び立ち上がって少し歩いたそうですから、馬自身も最後まで頑張ったのでしょう。

また、レース序盤ということで、馬を支えている状態でした。もし追い出して馬を放している状態だったら、もっと大きなアクシデントになっていた可能性もあります。

このようなアクシデントを目の当たりにすると、競馬は馬や人にとって、危険と隣り合わせの競技だと改めて実感させられます。それは騎手だけではなく、もちろん僕たち調教助手もそうですし、育成牧場や生産牧場の方たちにとってもそうです。

僕たちは馬自身だけでなく、それまでその馬に携わってきたみんなの思いを背負って仕事にあたっています。

今回の件もそうですが、アクシデントが起こると、競馬場でヤジを飛ばしたり、SNSで騎手や関係者を批判したり、茶化すような投稿を見かけることがあります。どうか僕たちの思いを汲んでいただき、そういったことは絶対にやめていただきたいと、改めてお伝えしたいと思います。

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