独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

西塚助手

【宝塚記念回顧】クロノジェネシスは、一枚上の強さだった


先週の宝塚記念は、ドバイシーマクラシック(2着)から帰国初戦となったクロノジェネシスが連覇を達成しました。これで昨年の宝塚記念有馬記念に続くグランプリ3連覇、強かったですね。

レース前、僕の個人的な見方としては、クロノジェネシスレイパパレカレンブーケドールという上位人気の牝馬に加え、キセキも含めた上位争いになるんじゃないか、と思っていました。ところが結果は、クロノジェネシスが2馬身半差の完勝。その勝ちっぷりは、明らかに力が一枚上だったように見えました。

前走で逃げ切って勝利していたユニコーンライオンレイパパレがそれぞれ馬番1、2番に入っていて、スタート次第ではあるもののキセキの存在もありました。実際に逃げたのはユニコーンライオンでしたが、もしそれがレイパパレだったとしても、ペースが実際より速くても遅くても、クロノジェネシスが勝っていたのではないでしょうか。つまり、同じメンバーで何度レースをしても勝ち馬は変わらなかったのではないかと。それほどの強さでした。

この結果を受けて、クロノジェネシス凱旋門賞への遠征計画が浮上したようです。

コロナ禍がなかなか収束を見せない現状で、昨年はグローリーヴェイズも海外遠征を行いましたが、その時の行き先は香港でした。そこでは東京オリンピックでも話題になっている、“バブル"といわれる隔離システム(※)が確立されていて、比較的すんなりと行くことができたんですよね。

※開催地を大きな泡で包むように囲い、選手や関係者を隔離して、外部の人達と接触を遮断する方法のこと。入国前、入国後、大会期間中にも定期的に検査を行い、移動制限や行動制限も課して感染拡大を防止する。

凱旋門賞は香港より遠いフランスで行われますし、香港と違って招待レースではありません。香港でもそれなりに大変だったのが、スタッフをはじめとする関係者の皆さんにとって、それ以上に大変なことがあるかもしれません。それでも、今回見せたような強さをフランスでも発揮できるように、僕も期待したいと思います。

宝塚記念に話を戻すと、もう1頭触れておきたい馬がいて、それが2着に粘ったユニコーンライオンです。

先ほど話したように、隣の枠にレイパパレがいました。同型馬が競り合う形になってオーバーペースになってしまう可能性もあったわけですが、鞍上の坂井騎手は敢えて引く事なく主張して、前半1000m通過60秒フラットのペースで行きました。そのレースぶりは馬をよく知っていて、その力を信じたからこそではないでしょうか。

3着に入ったレイパパレとはクビ差でした。距離適性の違いもあったかもしれませんが、自分のリズムで競馬ができたからこそ2着に食い込んだ、という見方もできるでしょう。馬が実力を発揮できる戦法や舞台を把握して、自分のレースに徹することの大事さを改めて教えられた思いです。

宝塚記念は6月末という、梅雨の最中に行われるレースです。真夏の猛暑、真冬の厳寒期の仕上げも大変ですが、蒸し暑く、ジメジメしたこの時期も独特の難しさがあるんですよ。

人間もそうらしいのですが、馬が熱中症にかかるケースは真夏よりもこの時期の方が多いそうです。まだそこまで暑さが厳しくなく、油断するからなのかもしれませんし、身体が暑さに慣れていく段階で、十分に適応できていないからなのかもしれません。

発汗量が一気に増える馬もいますし、逆に発汗せず、身体の中に熱がこもって熱発してしまう馬もいます。そういったことで、いつも以上に水分と栄養補給に注意しなければならないんです。

これから暑さが厳しくなり、馬の仕上げも難しくなる時期です。僕も自分の仕事を精一杯頑張りながら、今年の調教師試験に向かっていきます。皆さんも体調に留意しつつ、競馬を楽しんでいただければ、と思います。

※西塚助手への質問、「指令」も募集中。競馬に関する質問、素朴な疑問をお送り下さい! 「こんな人と対談してほしい」などのリクエストも歓迎です!


TOPページに戻る