独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

西塚助手

今年のセレクトセールは時代の転換点!? 血統と調教の密接な関係とは


今週月曜から火曜にかけて、北海道でセレクトセールが行われました。ツイッターでもセール関連のトレンドワードがいくつも出てきて、皆さんの関心も高かったようです。

最大の注目ポイントは、もちろん1日目の1歳セールに上場された、ディープインパクトのラストクロップの動向でしょう。僕個人としても、どれだけの評価を受けるのか、とても興味深く見ていました。

しかし、この日上場されたディープインパクト産駒はわずか4頭。大多数はそれ以外の種牡馬たちの産駒です。実際にハーツクライ、ロードカナロア、キズナ、エピファネイアといったすでに実績のある種牡馬の産駒以外にも、シルバーステート、サトノダイヤモンド、サトノアラジン、レイデオロなど、今年の新種牡馬や、これから産駒がデビューする種牡馬の産駒が1億円を超えました。

ここ10年ほどは、ディープインパクトを頂点に、キングカメハメハ、ハーツクライがトップ3として、日本の競馬を牽引してきました。

そのうち、ディープインパクトとキングカメハメハは19年夏に亡くなり、ハーツクライも昨年を最後に種牡馬を引退したそうです。僕たち関係者の間でも、この3頭が担ってきたポジションをどの馬が埋めるのか、注目が集まっています。

その流れは、ディープインパクト産駒が競走生活を終える頃にはある程度見えてくるでしょう。ディープインパクト、キングカメハメハ、ハーツクライの子なのか、全く違ったところから出てくるのか、僕も興味深いです。

僕たち現場も、もちろん血統とは無関係ではありません。ディープインパクトの父であるサンデーサイレンスが現れた90年代後半から、現場では“馬術的"な調教方法が広がってきました。

馬術的というのは“馬を詰めて乗る"とも言い換えられるもので、簡単に言うと頭を下げさせて、トモをより深く踏み込ませる運動をさせることによって、エネルギーを溜めて爆発力を生み出す、というイメージでしょうか。

この調教法は、瞬発力を武器とするサンデーサイレンスの血を引く種牡馬によく合っていて、それがより高い効果をもたらしたのだろう、と思っています。サンデー系種牡馬がここまで勢力を拡大したのは、その高い能力はもちろんですが、それを引き出す調教方法がマッチした結果なのではないかと。

さらに、海外と比較すると圧倒的に走りやすいといわれる、日本の馬場も関係しているでしょう。そう考えると、ポスト・ディープインパクトは、やはりディープインパクトの子孫たちが受け継いでいく可能性は高そうに思えます。

ただ、これが血統の面白いところで、それ以外の血脈から“ポスト・ディープ"を狙える存在が出てくる可能性も否定できません。もしそうなった時は、先ほど話したような馬術的な調教法ではなく、その血脈に合った調教法が主流となっていくのではないか、と思います。

もちろん、現在の主流となっている調教方法は理にかなっていますし、爆発的な瞬発力を生み出すという効果も実証されています。しかし、今から20年後には全く違った常識が生まれている可能性もあると思うんですよね。

ひとつの例を挙げると、今から20年ほど前は、速いところをやることが屈腱炎を誘発するとされていて、長い距離をゆっくりと乗ることは問題ないとされていたそうです。

でも、現在の常識は逆で、速さではなく、長い距離を乗ることが屈腱炎のリスクを高めるとされています。実際にヨーロッパでも、長い距離は乗らないのが常識になっていると聞きます。

このように、血統と調教は皆さんが思っている以上に密接な関係にあるんです。血統が変われば、それに併せて調教が変わってきます。今年のセレクトセールは、もしかしたら時代の転換点になっているのかもしれませんね。

※西塚助手への質問、「指令」も募集中。競馬に関する質問、素朴な疑問をお送り下さい! 「こんな人と対談してほしい」などのリクエストも歓迎です!


TOPページに戻る