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西塚助手

新潟&函館の2場開催は、現場にとっても影響大です


東京オリンピック開催に伴い、今週末から新潟と函館の2場開催となります。昨年もこの時期は新潟と札幌の2場開催でしたが、その影響は僕たち現場の人間にとっても大きいものでした。今回は、このことについてお話ししたいと思います。

まず、3歳未勝利戦は夏競馬で終了となるため、7~8月というのは、3歳未勝利馬にとっては正念場です。そのような時期に小倉開催が3週ないということは、その分未勝利戦の数自体が減るということです。まずこれは大きいです。

さらに、本来なら小倉に使っていたはずの関西馬も新潟、函館に向かうわけで、その影響は僕たち関東にも及んできます。

そうなる理由のひとつに、輸送があります。以前お話ししたように、美浦から函館なら出馬が決まってから出発することも可能です。ただ、これが栗東から函館となると、基本的には投票前に出発しなければいけなくなるようです。

オープンなど、特別競走なら想定の段階でどの馬が出るのか、頭数はどれくらいになるのかある程度分かります。そうなると、特別馬房などで調整もしやすくなります。

しかし、それが1勝クラスの平場戦や未勝利戦となると、遅くとも栗東を木曜の朝に出発する必要が出てきます。となると、移動中に出走が可能になるのか、それとも除外なのか決まるわけです。追い切りをした次の日に、出走が未確定な馬を函館に送り出すというのは、それだけ大きなリスクがあるんです。

関西馬であっても、函館に在厩したり、札幌の馬房などを使って上手くやりくりできればいいのですが、それができない場合も多い。ということで、栗東トレセンの在厩馬はおもに新潟に向かうことになるわけです。

その新潟には、当然ながら美浦からも出走馬が来ます。そうなると新潟は出馬ラッシュとなり、昨年のこの時期は札幌の未勝利戦だとフルゲート割れのレースもあった一方で、新潟は除外馬が続出しています。

今年は特別登録の頭数を見る限り、通常の夏競馬と大差ない程度のようです。ただ、1勝クラスの平場戦、3歳未勝利戦がどのような状況になるのか、まだ分かりません。

昨年の2場開催の時期、新潟の平場戦では関西馬が36勝なのに対し、関東馬は17勝でした。3場開催なら自ブロック制があるために、関東馬にとっては関西馬との混合戦になる北海道より、新潟の方が勝ちやすかったのは事実だと思います。それがない今年は、昨年同様の状況となる可能性が高いのではないか、と個人的には思っています。

そしてもうひとつ、2場開催の影響として指摘しておきたいのが、障害戦がほとんどなくなることで、その影響を障害騎手の皆さんが受けるということです。実際今年も、この3週で新潟ジャンプSの1レースしかないんです。

平地と障害の両方で騎乗している騎手ならいいかもしれませんが、障害専門の騎手も多いです。そういった方々は、今の時期は調教騎乗料しか収入がなくなります。僕がお伝えしたいのは、その点です。

現在のところ、騎手の調教騎乗料はひと鞍1000円となっています。暑いこの時期、北海道開催もあるので、1日に調教で乗るのは4頭、頑張っても5頭がマックスでしょう。つまり、最大でも1日5000円しか稼げないということです。

一般社会の感覚ならそれでも十分じゃないか、と思われるかもしれません。ただ、騎手は個人事業主の側面もあって、たとえば交通費です。トレセンから競馬場に向かう場合、本来ならタクシーを使うことができますが、それでは間に合わないケースもあって、その場合は自己負担となっているはずです。

そういったことを考えると、ひと鞍1000円というのはさすがに安いのではないか、と思うんですよ。実際、欧米では日本円でひと鞍3000~4000円くらいが相場で、技術のある人は調教に乗るだけで月収60万円以上稼ぐライダーもいるそうです。

馬に乗るということは誰にでもできるわけではないですし、しかも障害騎手は、馬と一緒になって仕上げていく存在です。現在は売り上げが伸びて、馬主さんの手当は増額されています。そう考えると、競馬を支える騎手の方々に対しても、もう少し手厚くしてもいいんじゃないか、と思うんですよね。

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